これが世界遺産の影絵芝居!ジョグジャカルタPendopo Nde Luwehで「ワヤン クリッ」

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これが世界遺産の影絵芝居!ジョグジャカルタPendopo Nde Luwehで「ワヤン クリッ」

これが世界遺産の影絵芝居!ジョグジャカルタPendopo Nde Luwehで「ワヤン クリッ」

更新日:2016/10/06 14:14

万葉 りえのプロフィール写真 万葉 りえ アマチュア写真家

様々な場で飾られた影絵の人形を目にするインドネシア。影絵というと子どものものだと思っていませんか。それは違います。インドネシアに伝わる影絵芝居は王族も愛した伝統芸能。世界無形文化遺産にもなっているものなのです。
しかも、伝統音楽であるガムランの生演奏付きだと、迫力が違います。お勧めはジョグジャカルタのPendopo Nde Luweh。さあ、インドネシアの伝統を体感しましょう。

王宮や寺院で演じられてきた「ワヤン クリッ」

王宮や寺院で演じられてきた「ワヤン クリッ」

写真:万葉 りえ

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インドネシアに到着したら、まるでお迎えに出てきたように目にする飾られた影絵の人形たち。日本にも影絵はありますが、インドネシアの伝統芸能の影絵「ワヤン クリッ」は、寺院や王宮を中心に演じられてきたという歴史があります。ジョグジャカルタに残る王宮の一つでは王族が見ていた影絵芝居の様子が展示されており、また、別の王宮では今もこの影絵芝居が演じられることがあるのです。

「ワヤン」は影、そして「クリッ」は皮を意味し、もともとは祭りなどで行われていた人形を使った影絵芝居。現在は、ジャワ島やバリ島で観光客もこの影絵芝居を見る機会が設けられています。今回はジョグジャカルタにある「ワヤン クリッ」の劇場、Pendopo Nde Luwehの影絵芝居の様子をご紹介しましょう。

「ダラン」が操る、古代叙事詩の世界

「ダラン」が操る、古代叙事詩の世界

写真:万葉 りえ

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演じられる演目で多いのが、インドの古代叙事詩「ラーマーヤナ」や「マハーバーラタ」です。
「ラーマーヤナ」はヒンドゥー教の聖典の一つでヒンドゥー教の神話と古代英雄のラーマ王子の伝説を編纂したもの。全7巻もあるという長編の物語を一晩中かけて王宮で演じることもあるのですが、それは観光客には大変。見ごたえあるのが、ラーマ王子が誘拐された妻シーターを救い出すためにラークサシャの王に挑んでいく部分で、Pendopo Nde Luwehでもこの部分が上演されます。

人形を担当するのは「ダラン」と呼ばれる人形遣い。物語の登場者が多くても人形を操るのはダラン一人です。ご覧いただいているようにたくさんの影絵の人形がダランの足元にありますが、これらの素材が牛(水牛)の皮なのです。重要な登場人物になると大変細かい文様の穴があけられており、光を通してみると、この文様が際立ちます。一つを作るのに大変手がかかっていることが想像できますね。

これをスクリーンの近くで演じたり遠ざけたり、また登場人物が多い場合は立てかけたりして物語の場面場面を作っていくのです。

インドネシアのオーケストラ、ガムラン

インドネシアのオーケストラ、ガムラン

写真:万葉 りえ

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Pendopo Nde Luwehでは10数人のガムラン奏者が音楽を担当します。王宮見学に行くとたくさんのガムラン楽器を見るかもしれませんが、大規模になると20人以上の大編成になることもあります。インドネシアのオーケストラという雰囲気ですよね。

写真の左側に写っているドラは「ゴング」といい、インドネシアのものは中心にこぶがあるのが特徴です。そして、右側に釜をひっくり返したようなものが並んでいますが、こちらは「レヨン」という楽器です。他にも片手で演奏する鉄琴「ガンサ」や太鼓の「クンダン」など日本では珍しい楽器を見ることができます。

レヨンやガンサは高音域・中音域・低音域…と楽器が別々に分かれます。写真に写っているレヨンは音が一番低いもの。小さなものがたくさん並んだもっと高い音をだすレヨンもあり、「レヨン」だけで4人の奏者が担当します。

スクリーンを挟む、現世とあの世

スクリーンを挟む、現世とあの世

写真:万葉 りえ

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はじめにご覧いただいた人形遣いの手元が写った写真では、人形の肌や衣服がカラフルに色分けされていたのにお気づきの方も多いでしょう。そして、こちらの写真は人形遣いダランがいるのとは反対のほうから写したものになります。

Pendopo Nde Luwehでは観客が移動して鑑賞できるようになっているので、スクリーンをはさんで両側から写真を撮っています。人形遣いが見えない・色がわからない側に観客がいるのに、なぜそうなっているのか不思議な気がしませんか。

寺院の祭りや儀式などで演じられてきた影絵芝居。観客の向こう側(ダランが人形を操る側)はあの世であるとされています。あの世は色のついた美しい世界。しかし、現世側からは色が見えないことを表すといわれているのです。

庶民の暮らしに根付いている伝統芸能

庶民の暮らしに根付いている伝統芸能

写真:万葉 りえ

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インドネシアの中でも「ワヤン クリッ」が演じられるのは、主にジャワ島やバリ島です。寺院の祭りや儀式だけでなく、冠婚葬祭の際は家庭でも演じられることがあり、地元の人々にとって重要な芸能となっています。

家庭で演じられる場合はシンプルな楽器となりますが、ダランが人形を操り、エンデンと呼ばれる歌い手が物語を歌いながら語っていく様子は変わりません。Pendopo Nde Luwehでは、エンデン役は女性が活躍して高い声を響かせてくれます。

おわりに

昔の日本では子どもたちが手指を使ってキツネやハトを障子に映して遊んでいましたが、インドネシアの影絵はもっと深い世界になっていることをお分かりいただけたでしょうか。
ろうそくの明かりを使い、石油ランプを使う時代から、今は電気で影絵を作り出すように変わってきていますが、現在でもインドネシアの人々の暮らしの中に深く根差した芸能です。

リゾートや絶景もいいけれど、せっかく訪ねるならその土地ならではのものに触れてみるのも旅の楽しみですよね。ジョグジャカルタにあるPendopo Nde Luwehはこじんまりとしているけれど、この地の伝統をしっかりと見せてくれる劇場です。

※楽器の名称等はジャワ島とバリ島で違いがあります。

掲載内容は執筆時点のものです。

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