写真:Hiroko Oji
地図を見るイタリア北東部ヴェネト州にあるバッサーノ・デル・グラッパの町は、14世紀に造られた城壁が旧市街を取り囲み、町の北東の城門(Porta delle Grazie)、南の城門(Porta Dieda)の二つの城門で守られ、中央をアルプスから流れ出たブレンタ川が流れる美しい古都です。
町の中で最も高い丘の上にあるのは、大聖堂とエッツェリーニ(Ezzelini)城。この前の展望所からは、赤煉瓦の屋根を持ち、ゼラニウムの花で咲き誇る家並みが建ち並ぶ様子が一望のもとです。
写真:Hiroko Oji
地図を見る町の中心地・ガリバルディ広場と西側にあるリベルタ広場は、中央を石畳で敷き詰められ、レストランのテラス席や露店が並ぶ賑やかな一角。ガリバルディ広場に面して建つのは、高さ40メートルの煉瓦でできた市の塔。1312年に建てられたと言われており、壁のフレスコ画が美しい市庁舎に隣接しています。
写真はリベルタ広場で、広場には聖人像と、背中に翼のあるライオン像が乗る二つの台座が立っています。広場に面して建つ、神殿風ファサードのあるサンフランチェスコ教会は町並みに溶け込んでいます。
写真:Hiroko Oji
地図を見る町を流れるブレンタ川は、北イタリアの切り立った岩山が魅力のドロミテ・アルプスを水源とし、アドリア海キオッジャ河口に注ぐ風光明媚な風景を作り出しています。背後には、左にチーズの産地として有名なアジアゴ山、右にこの町の名の由来でもあるグラッパ山を控える眺めが、静けさと穏やかさをを醸し出す風景なのですが、それら自然の造り出す芸術に加えて、川に架かる橋がこの町の一番の見所ともいえる風景を作り出しています。
橋の名はアルピーニ(Alpini)橋!別名ヴェッキオ(Vecchio)橋とも呼ばれ、パッラーディオ(Palladio)が設計した、町のシンボル的存在です。13世紀建造のイタリア一有名な屋根付き木造橋だったのですが、第二次世界大戦時に爆破されてしまい、その後オリジナルの姿に復元されたのが現在の姿です。この橋は木造ですが、足元だけは石が敷き詰められています。橋の上から眺める絵のような風景はうっとりするばかり!通り過ぎるだけでなく、是非、立ち止まって寛いでくださいね。
写真:Hiroko Oji
地図を見る旧市街はチッタ・ムラータという壁に囲まれた町並みが広がります。現在でも町の外側には一部の壁が残り、ゆっくり散策するにはピッタリのこじんまりした町並みです。
通り沿いの店先には、この地域の特産品である、葡萄からできた蒸留酒・グラッパが、可愛らしい入れ物に入れられて並び、観光客の目を楽しませています。またフンギ・ポルチーニ(松茸に似た姿のきのこの一種)を売るお店もあちこちで目につきます。グラッパ焼きの陶器も有名で、鮮やかで美しい色彩のワイン用のデキャンタや水差しを見ていると、ついつい買ってしまいたくなるに違いありません。特にアルピーニ橋に近い所には、これらのお店が集中しており、店内やショーウィンドーを見て回るのも楽しいひと時となるでしょう。
歩き疲れたら、レストランへ!何よりもここ、バッサーノを語るのに忘れてはいけないのがホワイトアスパラガスで、イタリア国内で唯一D.O.Pに指定されています。大変希少価値の高い野菜ですので、4〜5月の旬の季節に訪れたなら、是非味わってみて下さいね。ゆで卵を添えたホワイトアスパラは、シンプルかつ贅沢な一皿でお勧めです。
写真:Hiroko Oji
地図を見るヴェッキオ橋の袂には、この地区のグラッパの一大メーカーであるバルトロ・ナルディーニのバールがあります。その奥から入れるのが、アルピーニ博物館。館内には橋の歴史がわかる展示があり、第二次世界大戦時の砲台や鉄砲玉などの展示も見られます。周辺にはバールやカフェが軒を並べていますので、店内のテーブルやカウンター席、テラス席を陣取って、グラッパやこの地域の代表的なカクテルであるスピリッツを楽しんでみてはいかがでしょうか。
ここでご紹介したアルピーニ博物館の他に、バッサーノ・デル・グラッパの町には、いくつかの博物館があります。
町特産の蒸留酒・グラッパの歴史や醸造法を絵でわかりやすく説明するグラッパ博物館(Museo della Grappa)は、橋の東側入り口近くにあり、赤い縦長の旗を目印としています。ここはショップも兼ねており、入場料は無料なのが嬉しいです。ガリヴァルディ広場の南側には、この町出身のヤコボ・ダ・ポンテの傑作が見られる市立博物館(Museo Civico)があります。また、橋の南側でブレンタ川の東側、フェッラチナ通り沿いにある、個人のお宅・ストゥルム邸(Palazzo Sturm)では、たくさんのグラッパ焼きが展示されていますので、興味のある方は足を運んでみて下さいね。
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この記事を書いたナビゲーター
Hiroko Oji
旅の計画を練り、現地でその土地ならではの経験を楽しみ、帰ってきたら写真の整理をして旅行記や記事を書くと、一つの旅で3〜4回楽しんでいます。アメリカで大自然の偉大さに圧倒され、人生観が大きく変わりました…
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