かけ流し温泉からご当地スイーツ&地酒まで!千葉・南房総観光の穴場はココだ

かけ流し温泉からご当地スイーツ&地酒まで!千葉・南房総観光の穴場はココだ

更新日:2016/06/18 16:55

1年を通じて花が咲くフラワーロードや東京湾近海でとれる海の幸、釣りや潮干狩りといった自然相手のレジャー……。これが多くの人が思い浮かべる南房総のイメージではないだろうか。
しかし、南房総の魅力はそれだけじゃない! 太古のエネルギーを蓄えた秘湯から、日本初の重要文化財が生まれた絶景地まで、知る人ぞ知る穴場を紹介しよう。歴史と自然を体感し、職人こだわりの味も楽しめる厳選4スポットだ!

3万年前の海のエネルギーが溶け込んだ秘湯・不老山薬師温泉

3万年前の海のエネルギーが溶け込んだ秘湯・不老山薬師温泉
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館山市布良にある「安房自然村」は、紺碧に輝く太平洋を見下ろす不老山の麓に開かれた総面積約5万坪のレジャー施設。緑豊かな広大な園内には、16室の客室を備えた「ホテル正翠荘」を中心に、茅葺屋根の手打ちそば処「涼庵」、不老山山頂に薬師如来をまつる能忍寺などが点在している。

ここに湧いているのが知る人ぞ知る神秘の湯「不老山薬師温泉」だ。風呂は手掘りの洞窟を抜けた奥にあり、そのたたずまいからして秘湯ムード満点。内湯と露天風呂には地下470mから引き上げた褐色の天然温泉が満たされている。

注目すべきは泉質のよさ。約3万年前に堆積した海草の間を通って湧き出ているため、海のミネラルを豊富に含んだヨード成分が湯に溶け込んでいる。21度の源泉は加熱しているものの、加水もろ過もしない正真正銘の源泉かけ流しだ。毎日清掃・換水しているので衛生面も完璧。

琥珀色のまろやかな湯は肌になじみ、じわじわと体に浸透していくのが実感できる。決して熱くないのに、湯船から出た後いつまでも体の芯がぽかぽかしているのは、良質な泉質ならではだろう。日帰り入浴でも存分に満喫できる。

泉質:メタホウ酸、メタケイ酸、重炭酸ソーダ
効能:慢性関節リューマチ、神経痛、皮膚病、ヒステリー及び神経衰弱など

超濃厚で香ばしい味わいがクセになる!「ピネキ」のピーナッツソフト

超濃厚で香ばしい味わいがクセになる!「ピネキ」のピーナッツソフト
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千葉といえば日本一の生産量を誇る落花生が有名。その中でも館山市にある「木村ピーナッツ」は栽培から製造、販売までをすべて自社でこなし、実を取り出す作業も機械を使わずにひと粒ずつ手剥きするという、こだわりの名店だ。

そんな木村ピーナッツ自慢の落花生をふんだんに使ったのが、直営店「ピネキ」で味わえるピーナッツソフトクリーム400円。茶色がかったソフトクリームを一口食べると、フワッと鼻に香ばしい香りと甘味が抜け、まるで甘いピーナッツをそのまま食べているような濃厚な味わいが口いっぱいに広がる。

このピーナッツソフト、穴場というよりも定番として人気を博しているが、ここでもう一つ紹介したいのが、同じく木村ピーナッツの「ピーナッツペースト」。自家栽培の落花生を使った無糖のペーストで、これまた超濃厚な味わい。完熟バナナと合わせてパンに塗ったり、アイスクリームにかければ自宅で簡単にピーナッツソフトが味わえてしまうというスグレモノだ。おすすめは、ニンニクと炒めたひき肉に豆板醤と甜麺醤、そしてこのピーナッツペーストを投入して作る汁なし担々麺。お店以上の味が手軽に作れること請け合いだ。まずはお試しあれ!

日本で初めて国の重要文化財に指定された西洋画「海の幸」が描かれた小谷家住宅

日本で初めて国の重要文化財に指定された西洋画「海の幸」が描かれた小谷家住宅
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館山市最南端の布良(めら)地区は、天富命(アメノトミノミコト)が阿波忌部一族を率いて上陸したといわれる神話の里。古くからマグロ漁で栄えた漁村で、水平線越しに富士山や伊豆大島、利島、新島などが連なって見える風光明媚な土地としても知られてきた。

この神話と美しい風景に魅せられ、画家の青木繁が友人の坂本繁次郎、森田恒友、そして恋人の福田たねと布良を訪れたのは明治37年(1904)。小谷家に約2ヶ月間滞在し、この間に、漁を終えた漁師が海岸を歩く姿を描いた日本絵画史の傑作「海の幸」のほか、多くの作品を残した。以来、布良は日本美術会の聖地といわれ、多くの画家がこの地を訪ねて名作を描いた。

小谷家住宅は平成17年から保存運動が行われ、全国の画家と有志から集められた寄付金を基に約2年間の修復工事を終え、平成28年4月に一般公開が始まった。内部では「海の幸」に関する解説、将来を期待されながらも29歳という若さで逝った青木繁の生涯などが展示されている。

「過疎化が進み、漁師町としての賑わいこそ失われた布良ですが、青木繁が描いた美しい海景は昔のまま。多くの画家が愛した風景を見にどうぞいらしてください」と現当主の小谷福哲さん。

今一番新しい南房総の穴場スポットだ。

千葉の魚介類にぴったりのコクのある地酒をおみやげに

千葉の魚介類にぴったりのコクのある地酒をおみやげに
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酒造りのイメージがあまりない千葉県だが、実は県内には約40軒の酒造会社がある酒どころなのだ。その中でも富津市竹岡の「和蔵酒造 竹岡蔵」は、明治7年(1874)創業の老舗中の老舗。千葉県産の酒米や兵庫産の山田錦など良質な酒米と、近くから湧く硬水の地下水を使い、地元の根ざした酒造りを続けている。

東日本大震災で一部壊れたものの、蔵は創業時からの建物。予約すれば酒蔵見学(要予約)もOKだ。冬場の仕込みシーズンなら、巨大な釜で酒米を蒸すところや麹室、仕込み部屋、貯蔵庫など、一連の酒造りの行程を詳しい解説とともに見ることができる。繊細な温度管理や吸水率の見極めなどまさに職人技ともいえる作業は、一見の価値ありだ。見学の後はもちろん試飲も楽しみ。

代表銘柄の「聖泉」のほか特別純米の「竹岡」、リンゴ酸の甘酸っぱ爽やかな酸味がする「アップルプリンセス」など、個性ある日本酒はいずれも千葉の山海の幸にぴったりだ。

おわりに

ご紹介した南房総の穴場旅。いずれもあまりメディアに登場しない、知る人ぞ知るスポットや商品ばかり。南房総ドライブのルートに加えてみてはいかがだろうか!?

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/06/10−2016/06/11 訪問

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