写真:乾口 達司
地図を見る日本列島を北上して来る黒潮の影響により、和歌山県・串本沖では、冬でも15℃を下まわることのない温かい海水が流れています。そのため、本州では珍しくさまざまな熱帯魚を見ることが出来ます。さらに貴重なのは、本州最大のテーブルサンゴの群落が存在している点。そのことが評価され、2005年11月には、付近一帯の海域が「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」とされるラムサール条約に登録されました。
しかし、その価値は国内ではより早くより認知されており、1970年には日本ではじめての海中公園に指定されています。串本海中公園はそれを受けて整備された施設。串本の海をテーマとした水族館を中心にして、さまざまな形で串本の海の魅力が訴えられています。
実際、水族館に入ると、まず目に飛び込んで来るのが、串本の海をテーマにした水槽。写真はその並びに設置されている水槽ですが、水槽では串本の海に群生するサンゴ礁の様子が再現されています。特に注目していただきたいのが、画面の左手に見られる大きなサンゴ。その種名は「ウミバラ」で、水族館の開館した1971年より飼育されており、日本の水族館では最長記録を誇っています。飼育をはじめた当初は20センチメートル程度でしたが、いまでは1メート以上に成長しています。サンゴが生き物であることが、ここからもおわかりいただけるでしょう。
写真:乾口 達司
地図を見るたくさんある水槽のうち、特にご覧いただきたいのが、こちらの水槽。1250トンの水が入る水槽にはサメやエイ、黒潮を回遊するクロマグロなどの大型の魚類が泳いでおり、全長24メートルにおよぶ水中トンネルからは、その様子を眺めることが出来ます。
有り難いのは、水中トンネルに腰掛けも設置されている点。腰を下ろし、心ゆくまで水槽を見上げることが出来るのは、嬉しいですね。まるで海のなかにたたずんでいるかのような錯覚すらおぼえますよ。
写真:乾口 達司
地図を見るそして、こちらの大水槽では、日によって、水槽上部のバックヤードを見学することも出来るのです。普段、見学の許されないバッグヤードを見てまわれるだけでも貴重なのに、バッグヤードでは何と水槽のなかを回遊するクロマグロにエサを与えることも出来ます(有料)。
エサはぶつ切りにした中型の魚や小型のエビなど。高速で回遊するクロマグロが近づいて来たら、その頭上にエサを投下。エサは一瞬で食べられてしまいますが、投下のタイミングが悪ければ、クロマグロはエサに気付かずに通り過ぎ、エサはほかの魚に食べられてしまいます。それだけに、見事、クロマグロにエサを食べてもらえると、嬉しく感じられることでしょう。クロマグロのエサやり体験は限定二十組程度。毎日、催されているわけではないので、ご希望の方は、バッグヤードの公開日と合わせて、事前に問い合わせてみましょう。
写真:乾口 達司
地図を見る館外には大きなプールもあり、そこではたくさんの海ガメが遊泳しています。親ガメのなかには体重が100キログラムを超えるものもおり、迫力満点!こちらでも、希望があれば、エサをあげることが出来ます。
なかでも、お勧めなのが、赤ちゃんガメを実際に持たせてもらえる点。海ガメに触れるなんて滅多にないことなので、ぜひ、持たせてもらいましょう。もちろん、優しく持たないとダメですよ。
写真:乾口 達司
地図を見る串本海中公園のもう一つの目玉は、ご覧の海中展望塔。沖合140メートルのところに設置されており、その内部から串本の海のなかを眺めることが出来るのです。水深6.3メートルの海底では熱帯・亜希熱帯に生息する無数の魚やサンゴが見られ、串本の海がいかに豊かで貴重であるかがうかがえるはず。水族館とは連結しているため、水族館だけで満足せず、海中展望塔も訪れましょう。
串本海中公園の魅力、おわかりいただけたでしょうか。今回、ご紹介したもの以外にも、座席に座ったまま、水中の様子を観察出来る半潜水型海中観光船「ステラマリス」も就航しており、さまざまな手段で串本の海を堪能することが出来ます。串本海中公園を訪れ、本州最大のサンゴ礁とそこに生息する生き物の生態を学んで下さい。
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(2023/12/7更新)
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