写真:もんT
地図を見る美深(びふか)市街から国道40号線を離れて、仁宇布(にうぷ)方面へ向かうこと約20分…。美深町の山奥、仁宇布地区に「トロッコ王国美深」が見えてきます。ここにはかつて、国鉄美幸線の終着、仁宇布駅がありました。“入国”の手続きは、ログハウス風に新たに作られた駅舎で。ここで、トロッコ乗車のための切符を購入します。天候が悪い時は、雨合羽や防寒着を貸してもらえます。
トロッコは2人乗りの小さなものから、6人くらい乗れるちょっと大型のものまで、いろいろあり。この仁宇布地区に残る美幸線の線路跡、約5qの区間を、エンジン搭載のトロッコで往復します。乗車前に、トロッコの操作方法や運転上の注意など、ちょっとしたレクチャーを受けてから出発です。
なお、トロッコの運転には普通自動車運転免許証が必要ですが、免許を持っていない場合は、相乗り、あるいはスタッフが運転するトロッコに同乗して楽しみましょう。
○トロッコ王国美深
営業日:4月下旬〜10月下旬の毎日
営業時間: 8:30〜16:00(夏期は17:00まで)
入場料:大人¥1800(2名以上は一人¥1500)/中高生¥1200 小学生¥700 幼児は無料
写真:もんT
地図を見る単線のローカル線であった線路上を走るので、トロッコは1時間ごとに、いくらか間隔をあけて次々と、一方通行で出発していきます。途中のコースは、草原や白樺林を駆け抜け、渓流を眼下に橋を渡るところも…。往復で約10q、40分ほどの行程ですが、変化に富んだ風景が展開します。
スピードはお好みで調整できますが、線路上が込み合っているときは、前後のトロッコとの間隔に気を付けましょう。最高速度は20q程度しか出ませんが、トロッコの鉄輪と古いレールが紡ぎ出す音が、なかなかの迫力。レール上を走るので、ハンドルはただ握っているだけなんですが、思わず手に力が入ります。
なお、農道と交差するところは遮断機のない踏切となっています。踏切注意の標識がある地点では、減速して注意して走行しましょう。
写真:もんT
地図を見る仁宇布から5qほど進むと、折り返し地点に到着。トロッコ区間は、美幸線廃止時のレールをそのまま用いていますが、ここだけは新たに敷設したエリア。線路がぐるっとUターンする形になっていて、“交換待ち”スペースになっています。仁宇布を出発したトロッコがすべて到着するまで、ここで行き違いのための“交換待ち”です。
ここの交換待ちエリアは、Uターン部分で脱線することがないように、やや勾配がついていてスピードが落ちるようになっています。しかし、減速しすぎると逆に止まりそうになり、アクセル全開にしても空転するだけで、前へ進めなくなることも…。そのときは、スタッフの方が駆けつけて、後ろから押してくれるので、あわてずに待っていましょう。スロットルの加減がちょっと難しいところなので、気を付けて…。
全トロッコの到着を待って、スタッフがポイントを切り替え再出発。運転にも慣れて、帰りは行きよりも風景を楽しむ余裕があるかも…。在りし日の美幸線に思いを馳せつつ、帰りも安全運転で楽しんで♪
写真:もんT
地図を見るさて、トロッコ王国美深には、トロッコの運転以外にも見どころがあります。まず、受付のログハウス内には、美幸線に関する資料が数多く展示されています。また当時のままの仁宇布駅ホームのはずれには、583系型車両が1両留置されていて、中に入ることもできます。ちょっとした鉄道博物館ですね。
また、線路の向こうには羊の牧場があり、「チーズ工房羊飼い」にて、羊乳や羊のチーズが販売されています。そして王国入り口にある「コイブ」では、羊肉を使ったカレーライスや、羊乳のソフトクリームがおススメ。食べ物でも、北海道の自然の恵みを満喫しましょう。
美幸線の線路跡を見事に再生させた「トロッコ王国美深」。廃線後も何とかして地域を活性化しようとした人々の熱意と、鉄道に対する思いが伝わってくる施設です。テーマパークのアトラクションとは一味も二味も違う、臨場感と爽快感をここでは味わえます。
トロッコ王国へは、公共の交通機関利用でもアクセス可能!事前の電話予約が必要ですが、名士バスがオンデマンドバスを、宗谷本線の美深駅から運行。終点の「仁宇布待合所」がトロッコ王国です。なお、美深駅の2階にも美幸線関連の写真や資料が数多く展示。鉄道ファンは、こちらもぜひお見逃しなく!
道北のユニークな観光スポット、トロッコ王国美深。道北を旅する時には、ぜひ立ち寄ってみてください。
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(2023/12/6更新)
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