北海道の中央部に位置し、2000m級の山々を連ねる大雪山系はまさに「北海道の屋根」。そして、その深い山中には、旭川や帯広、北見などをつなぐ山越えの国道が走っています。それのちょうど「東大雪(ひがしたいせつ)」と呼ばれるエリア、糠平国道(国道273号線)の三国トンネルの南側に三国峠(上士幌町三股)はあります。標高は1139m!北海道にある峠の中で一番の高さを誇り、その眺望も文句無しです。
峠には駐車場とトイレ、そしてログハウス風の可愛いカフェなどがあり、ドライブやバス旅行の小休憩には最適。展望台からの絶景に心癒されたら、カフェで休憩したりソフトクリームを食べたり、そして軽食をとることもできます。周辺にお店などがほとんどないだけに、嬉しいですね。
このあたりは広さ日本一を誇る大雪山国立公園の一部で、見渡す限りが樹海と山。壮大ということばがピッタリの景観は、文句無しの絶景です。
写真に見えている橋は、峠のすぐ下にある「三国峠橋」。遠くに見える山々で一番高く見えているのが、糠平湖の西側にそびえるウペペサンケ山(1835m)で、その他に温泉山やホロカ山なども見えています。裾野に広大に広がる樹海、その中を走る糠平国道の糠平湖〜三国峠間はまさに樹海ロード。そして、それはやがて士幌町〜帯広市へと至ります。
このあたりの紅葉は早く、9月の終わりになるとこのように黄色く色づいてきます。四季折々の色に変化する樹海が、峠からの景色を大きく変え、春から冬までのどの時期でも景観を楽しむことのできる絶景ポイントとなっています。
そして三国峠といえば、この風景でしょう!三国峠から下っていき、大きくヘアピンに曲がるカーブを渡った所の景観です。大変有名なこの風景の主役といえる赤い橋は「松見大橋」といい、高さ30m、長さ約330mで樹海の谷を渡ります。この橋を車で渡る時に見えるのは、眼下に広がる樹海と目の前の1本道、そして空だけ。思わず驚きと感動の声が出てしまう、天空の快走路です。
この橋が一番良く見えるポイントは、松見大橋のもう一本上にある橋「緑深橋」あたりで、残念ながら三国峠駐車場からは松見大橋の絶景を見ることができません。もし車を停めて見る場合でも、ポイント周辺に車を停めることができる場所は限られていますので、交通の妨げにならないように注意しましょう。橋の上に停めるのは車線をふさぐことになり大変危険ですので、絶対にしないようにしてくださいね。
絶景の連続の糠平国道ですが、もう一つ、まるで清涼飲料水のように爽やかで透明感のある風景をご紹介しておきます。三国峠から12kmほど下がった所にある「十勝三股」(北海道上士幌町三股)という所です。先ほどの峠からの絶景で見えていた、樹海の中にあります。
ここは旧国鉄時代の士幌線の終着駅「十勝三股駅」のあった所で、以前は森林伐採を仕事とする多くの人たちでにぎわい、800人以上もの人々が暮らしていました。その頃は商店はもちろん、神社や小中学校などもあったのですが、やがて人々が去り鉄道も廃線となって、今では1軒の民家とログハウスの喫茶店「三股山荘」が残るだけです。
写真は、ここから音更川上流へとのびていた森林鉄道関係の施設跡です。山で切り出された大量の木々がここに集められていたんですね。かつての木材の町の名残りを感じさせてくれています。
そして、その町の跡にあるのが、なんとも美しい白樺林。家屋が無くなった町跡が自然にかえり、今ではこのように美しい林となっているのです。その清涼感は半端なく、この林の中に身を置くだけで何だかさわやかな気分で、心洗われる感じがします。峠からの樹海の風景からは全く想像のつかない別世界、爽やかな風景が味わえます。
ログハウス風の喫茶店「三股山荘」で食事をとり、十勝三股の町だった白樺林を散策。その時の青い空と白い木々の風景は、きっと忘れ得ない思い出の風景になることでしょう。長い糠平国道ドライブの中の清涼感あふれるスポット、そんな感じがします。
いかがでしたでしょうか、三国峠と樹海ロードの風景。
このあたりは交通機関で訪れるのは難しく、自家用車かレンタカーでのドライブが一番です。また糠平国道と呼ばれる上士幌〜三国峠間では、食事が上士幌の町、糠平源泉郷、十勝三股、三国峠あたり、そしてトイレ休憩は糠平源泉郷の「ひがし大雪自然館」駐車場、幌加除雪ステーション横駐車場、三国峠などで可能です。またコンビニなどの商店は、上士幌町を過ぎるともうありませんので、ご注意ください。
北海道の中でもこれらの地域は大変自然豊かで美しい所で、見どころ・癒しどころも満載!函館、札幌などからのアプローチには距離があり、時間もかかるのですが、絶対に見ていただきたい、素晴らしい自然の風景がいっぱいです。
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