日本遺産 桐生「白瀧神社」織物の町を象徴する3つの文化財

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日本遺産 桐生「白瀧神社」織物の町を象徴する3つの文化財

日本遺産 桐生「白瀧神社」織物の町を象徴する3つの文化財

更新日:2016/06/24 09:40

大木 幹郎のプロフィール写真 大木 幹郎 巨木マニア、低山登山家、ブロガー

奈良時代から絹織物を朝廷に献上していたという、古くから織物の名産地として栄えた群馬県の桐生市。織物に関する伝統的な建物が多く、その一部は日本遺産の文化財に認定されています。そんな桐生市を象徴する文化財を3つご紹介。桐生織の発祥地、町の起点にある総鎮守、織物の発展に貢献したモダンな学び舎。日本遺産のある織物の町から、発祥と発展にまつわる神社と近代建築をご案内します。

白瀧神社〜桐生織の発祥地とされる古社

白瀧神社〜桐生織の発祥地とされる古社

写真:大木 幹郎

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江戸時代より「西の西陣、東の桐生」と呼ばれ、古くから優れた織物の町として発展してきた織都(しょくと)・桐生市。ここには明治から昭和初期に建てられた、商家や蔵に織物工場など、伝統的な建物が多く、日本遺産の文化財として認定されたものも。その中で、桐生の織物の発祥と発展にまつわる3つの文化財をご紹介。

最初のご紹介は白瀧神社。桐生を代表する日本遺産の文化財で、桐生織の発祥地と云われる場所です。起源は奈良時代頃とされる、1200年近い歴史を持つ古社。御祭神は織物の神様ともされる天八天千々姫命(あめのやちちひめのみこと)と、白瀧姫の御霊の合祀。ここが桐生織の発祥地とされるのは、白瀧姫の伝説に由縁があります。

【白瀧姫の伝説】
昔、仁田山(現在の桐生市川内町)から1人の男が、京の宮中へ奉仕へ出ました。男は宮中で官女の白瀧姫と出会い、2人は惹かれ合うようになります。その後、和歌の会にて、男と白瀧姫の詠んだ見事な歌に、天皇は御感されて、男に白瀧姫を連れて里へ帰る事をお許しに。白瀧姫は、養蚕・製糸・機織の技を広く伝え、機神として祀られました。身分の違いを越えて結ばれた2人。神社には縁結びのご利益があるとされています。

【桐生市の日本遺産について】
日本遺産「かかあ天下〜ぐんまの絹物語」は、養蚕・製糸・織物と、絹産業に関わる12件の文化財で構成されたもの。その中で、織物に関する6件の文化財が桐生市にあります(白瀧神社を含む)。詳細は文末の関連MEMOにある日本遺産のサイトからご参照ください。

降臨石〜白瀧神社の大岩

降臨石〜白瀧神社の大岩

写真:大木 幹郎

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白瀧神社の見所。それは、桐生織りの発祥地として信仰されてきた歴史的価値。風格ある社殿と境内の雰囲気。そして、大岩に御神木です。
大岩は、社殿の向って左側にある降臨石と呼ばれるもの。周囲30mは超える大岩で、参道の階段の下や、境内北側にある駐車場など、低い位置から見れば、小さな古墳とも思える岩塊。伝説によれば、天から降ってきたとされ、内部からは機織の音が聞こえたと云われます。白瀧姫とともに、機神の伝説として信仰の対象となっている御神石です。

大ケヤキ〜白瀧神社の御神木

大ケヤキ〜白瀧神社の御神木

写真:大木 幹郎

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白瀧神社の御神木は、県の天然記念物であるケヤキの巨木。社殿の背後にある山の斜面に立っていて、手前には石の祠と、針供養の塚があります。樹齢300年以上の古木にして、幹周は6m程ありそうな巨体。樹勢は良く、高い幹に広い枝葉をした、見事な立ち姿です。
境内を一通り回って、拝殿で参拝した後は、忘れずに見ておきましょう。

桐生天満宮〜伝建地区の起点にある桐生の鎮守

桐生天満宮〜伝建地区の起点にある桐生の鎮守

写真:大木 幹郎

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市街地の北部にある桐生新町(現在の本町1丁目〜2丁目の辺り)。桐生の町は江戸初期頃から、ここに鎮座する桐生天満宮を起点とし、織物業の発展と共に拡大していきました。現在でも、桐生天満宮の門前には、当時の区割りの上に、明治〜大正期の建物が残る町並みが続いています。この桐生天満宮を含めた歴史ある町並みが、日本遺産の文化財である伝建地区(桐生市桐生新町重要伝統的建造物群保存地区)です。

桐生天満宮の創建は、景行天皇の時代(71〜130)と云われ、現在の場所には、観応年間(1350頃)に桐生家により遷座されました。桐生の総鎮守として、町の発展を見守ってきた歴史ある古社。その最大の見所は、豪奢な社殿です。寛政五(1793)年に落成した本殿と幣殿は、全体が精巧かつ華麗な彫刻で埋め尽くされた見事なもの。織物の町の繁栄を物語る、凄味すら感じる徹底した装飾の社殿には、時を忘れて見入ってしまいます。

境内では、毎月第1土曜日に、骨董市が開かれますので、その日に合わせての訪問がお勧め。また、伝建地区は、商家・蔵・織物工場と、見所はたくさん(森合資会社、有鄰館、旧曽我織物工場、ベーカリーカフェ・レンガ、等)。

同窓記念会館〜桐生織物の発展に貢献した学び舎

同窓記念会館〜桐生織物の発展に貢献した学び舎

写真:大木 幹郎

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同窓記念会館が立っているのは、桐生天満宮の右隣、群馬大学工学部キャンパスの入口付近。伝建地区の一部でなく、日本遺産に認定された文化財ではありませんが、桐生の織物の発展に貢献してきた、美しい姿の近代建築です。

同窓記念会館は、大正5年に建てられた、染織と紡織の2科を専門とする桐生高等染織学校の校舎でした。現在の姿は、本館の一部と講堂が復元されたものです。特徴は、学校の校舎というより、教会堂のように見える、木造のゴシック建築です。講堂の内部も、天井の高い礼拝堂によく見られるハンマービームという構造をしています(壁と一体化したアーチ状の梁で天井を支える)。礼拝堂のような講堂は、厳粛でありながら、堅すぎず上品な華やかさを感じさせる空間です。

ご訪問の際の注意点。キャンパス内に入る際には守衛所にて受付し、館内に入る際は、玄関横の事務所にて受付を済ませて下さい。なお、館内には入れるのは基本的に平日のみです。

織都・桐生の象徴的な文化財めぐり

以上、日本遺産のある織物の町・桐生から、象徴的な3つの文化財のご紹介でした。桐生織物の発祥地であり日本遺産でもある白瀧神社。織物の町の中心であり、日本遺産の伝建地区の起点にある、桐生天満宮。そして桐生の織物の発展に貢献した、モダンでゴシックな西洋建築の同窓記念会館。織物の町の、発祥と繁栄と近代化を物語る3つの文化財。桐生市の日本遺産を巡られる際は、是非お立ち寄りをお勧めいたします。

なお、白瀧神社以外の日本遺産の文化財、伝建地区を含めた5件の詳細は、関連メモにある日本遺産のサイトをご参照ください(伝建地区、絹撚記念館、後藤織物、織物参考館・紫、桐生織物記念館)。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/06/03 訪問

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