世界に誇る日本の工芸品「漆」発祥の地!和歌山「根来寺」

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世界に誇る日本の工芸品「漆」発祥の地!和歌山「根来寺」

世界に誇る日本の工芸品「漆」発祥の地!和歌山「根来寺」

更新日:2016/06/28 14:40

鈴木 風人のプロフィール写真 鈴木 風人 旅行写真家

漆器が、英語で「japan」と表記されるのをご存知でしょうか?陶器が「china」と呼ばれるように、欧米では漆器が日本を代表する工芸品なのです。その日本の漆器のルーツと言われるのが和歌山県岩出市にある「根来寺」です。

根来寺は、織田信長や豊臣秀吉の時代、鉄砲集団の「根来衆」として名を馳せたのお寺でもあり、歴史的に重要な場所でもあります。
そんな根来寺の漆器の歴史と観光スポットをご紹介致します!

僧兵の日用品として発展していった

僧兵の日用品として発展していった

写真:鈴木 風人

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紀州根来寺が隆盛を極めた室町時代、領地は72万石程ありました。これは江戸時代の薩摩藩と同程度の石高で、僧兵だけで1万人がいたと云われています。そんな勢力が巧みに鉄砲を操り、状況次第で敵になったり味方になったりしていたわけです。戦国武将にはさぞ厄介な存在だったことでしょう。

多くの人間が集団生活をする環境下では、当然、日常で使う什器も大量に消費されていきます。次第に根来寺では、自分たちでその什器や仏具を拵えていくようになります。根来は背後に熊野の原生林があり、木材には困ることがなかったことから、古くから漆器が作られる素地があったようです。こうして日々、僧たちにより漆塗りが行われ、根来塗りは発展していきました。

根来寺の日用品が全国へ

天正13年(1585年)秀吉の根来攻めで全山が焼失。漆器及び工房も無くなり、この紀州攻めにより漆工房の職人は全国各地に散らばっていきました。職人達は、現在の有数な産地である会津や輪島、薩摩等へ逃れたと言われ、そのことから根来塗りが近代漆器のルーツと言われているのです。

根来寺の日用品が全国へ

写真:鈴木 風人

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今も残る幻の「根来朱」

豊臣秀吉の根来攻めで日本全国に漆器が広まった反面、根来の伝統ある漆器は途絶えてしまいました。ですので当時の根来塗りはとても貴重なのです。特に「根来朱」と言われる朱色は特に貴重で、現在ではびっくりする程、高額で取り引きされています。

そんな貴重な根来朱が見られるのが、根来寺境内にある「聖天堂」です。本坊の入口から奥まった位置にあるので、見逃しがちなお堂なのですが、根来朱を見る為にだけでも是非足を運びましょう!

渡り廊下を渡った突き当たりの小さな部屋の修法壇がその根来朱をあしらった物です。根来朱は自然界にも存在しない深みのある色で、今ではとてもこの色は出せないと言われています。必見です!

今も残る幻の「根来朱」

写真:鈴木 風人

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今も残る鉄砲の跡

大塔、大伝法堂、大師堂の並ぶ開けたエリアは、秀吉の根来攻めの中にあって奇跡的に火災の被害がなかったところで、最も重要なエリアです。特に国宝に指定された大塔や重要文化財の大師堂は焼き討ちを免れた建物で、当時のままの姿を留めており、秀吉の根来攻めの際の鉄砲の跡がしっかり残っているのです!

建物を一周すると、ところどころに親指ほどの鉄砲の跡が生々しく残り、根来攻めの激しさを思わされます。よく焼失せず残ってくれたものです。

今も残る鉄砲の跡

写真:鈴木 風人

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国宝の足下

大塔には更にもう一つ重要な見所があります。それは一見すると見逃しがちな土台部分。この時代に建てられた仏塔の多くが天災や戦災で焼失していった中、基礎の木材がそのまま残り、これだけしっかり間近で見られるというのは本当に珍しいのです。さすがに国宝、是非お近くで堪能して下さい。裏側に回るとより一層しっかり見られますよ。

国宝の足下

写真:鈴木 風人

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諸行無常を感じて

漆発祥の地、根来寺。ここから離散した衆徒によって日本の漆は発展していきました。また根来寺は、日本に伝わった2丁の火縄銃のうち1丁を持ち帰り大量生産していった舞台でもあり、時代を動かした場所とも言える歴史の重要な部分を担っている場所なのです。

今回、ご紹介したところは、季節を問わず楽しめるところばかり。更に根来寺は桜や紅葉の名所としても有名ですので、季節によって四季折々の表情が楽しめます。
是非、芸術鑑賞をしながらその独特の無常感を体感してみて下さい!

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/05/30−2016/05/31 訪問

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