写真:松縄 正彦
地図を見るこの庭園は、建物周辺と回遊式庭園の主に2つに分けて楽しむ事ができます。まず建物周辺の枯山水から楽しみましょう。
室町時代に発達した庭園様式の「枯山水」。白砂の上に自然石などを並べ1つの世界を表現する手法ですが、この庭園の枯山水は建物内の奥の和室から、あるいは露地(茶庭)側から眺めるように構成されています。和室側から見ると深山渓谷や木々の緑が、また露地側から見ると広々とした水の流れが強調され(写真)、庭の表情の違いを楽しむ事ができます。季節や気分によって見る位置を変えてみるのも面白いかもしれません。三尊石なども設けられていますので探してみて下さい。
露地には手水鉢があり、この排水が地下の瓶に流れて共鳴音をだす「水琴窟」が仕掛けられています。山からのそよ風に優しく吹かれながら水の響きを聴くのも贅沢な瞬間です。さらに露地の先、回遊庭園側への通路には多数の盆栽が置かれています。これは日本盆栽協会八王子支部から寄贈されたもので、本格的な盆栽を楽しむ事ができます。
写真:松縄 正彦
地図を見る池泉回遊式庭園は主に「龍門瀑」と「心字池」の2つを中心に構成されています。心字池はまさに”心”という漢字を草書体で書いた形をしていますが、この池では写真のように錦鯉を多数鑑賞できます。
錦鯉の発祥の地は新潟県の山古志地方(山古志村・小千谷市)です。ここで作られた大正三色が”錦”の名前の由来になっていますが、心字池ではこの代表的な大正三色の他、昭和三色、五色、紅白や山吹黄金などの種類を鑑賞できます。ちなみに、ここの鯉は全日本錦鯉振興会からのご厚意で寄付されたものだそうです。
また龍門瀑は“鯉が滝を上って龍と化す”という思想を表現したもので、庭の最も奥側にある石組で表現されています。さてここの鯉も龍になれますか・・?なおここにも三尊石がおかれており、仏教の浄土が表現されています。
池の周りには園路があり、まさに回遊しながら場所による景色の変化が楽しめます。さらにこの庭園には藤棚があり、春先には藤の下で休憩しながら藤を愛でる事ができます。
写真:松縄 正彦
地図を見るこの庭園はもともと住居兼医院で、持ち主から八王子市に寄付され、整備されたものです。庭園にある建物は大正年間に建築された平屋と昭和初期に建築された二階家で、内部に入れます。
平屋の庭側には縁側があります。ここで左手に山裾を見ながら庭をながめ、ボ〜とするのも一興です。田舎の祖父母の家に来たように懐かしい思いが湧いてくるはずです。また日本庭園を見ながら喉を潤す事もできます。もちろんまずは抹茶がお薦め。添えられた和三盆の色や形も1つ1つ楽しんでください(写真)。
なお、”おいしさ焼き芋以上”といわれる地元の名物”高尾ポテト”とコーヒーのセットもあり、これも見逃せません。
この庭園では春夏秋冬の季節の花も楽しめます。春はつつじやボタン、夏はアヤメ、秋は紅葉、冬は霜柱や梅などですが、アジサイだけでもガクアジサイ・ヤマアジサイやエゾ・その他の系統まで多数の品種が咲き誇ります。
ここは自然の中の日本庭園。都心の有名な庭園ほど大規模ではありませんが、日本庭園の基本を楽しむ事ができます。ぜひお楽しみ下さい。
- PR -
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索
(2024/9/16更新)
- 広告 -