写真:沢木 慎太郎
地図を見るタイの首都バンコクにある「フアランポーン駅」(バンコク中央駅)。タイ北部の古都チェンマイや、東北部のノーンカーイへと向かう鉄道など、タイ国鉄の主要4路線の発着駅です。1日に、約200本の列車が運行。南部のスラー・ターニーを経て、マレーシアに向かう国際特急も出ており、ホームには列車が24時間発着しています。
「フアランポーン駅」は、かまぼこ型にデザインされた大屋根が特徴。ドイツのフランクフルト駅をモデルにデザインされたドーム型の駅舎は独自の雰囲気をたたえています。
写真:沢木 慎太郎
地図を見るタイ国鉄は電化されておらず、ローカル色の濃いディーゼル列車が並び、東南アジア独特の薄暗い雰囲気がたまらない。どこか遠く、懐かしく、哀感を漂わせています。
バンコクで出稼ぎを終えて郷里へ帰るタイ人。大きなリュックサックを背負う西欧人バックパッカー。多くの人々がローカルな列車に揺られて、旅立っていきます。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る「フアランポーン駅」では、型の古い列車を多く見ることができます。ローカルな好きな鉄道ファンにはたまらない聖地。ご覧のような赤く錆び付いたディーゼル列車が現役で走っていることに驚かされます。
まるで、幽霊列車のようなフォルム。まるで廃墟のような列車の姿に、戦慄するほどの感動すら覚えます。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る鉄道ファンにとっての最大の見どころは、「フアランポーン駅」の北側に広がる大規模な車両基地。列車の日常的な整備点検を行っているのですが、複雑に入り組んだ多くの線路にローカル列車が無造作に並べられ、まるで列車の墓場のような寂しそうな風景。
孤独な旅人の心に深く共鳴し、たそがれのホームの端にたたずんで、いつまでも眺めていたくなります。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る日本で製造されたディーゼルカーや、昭和時代に登場した寝台特急のブルートレインにも出会うことができるのが「フアランポーン駅」。列車の外観はタイ国鉄の標準色をまとっていますが、車体プレートには「JAPAN」の文字が。懐かしい友人に再会したような感無量の想い。
傷だらけの車体をきしませながら、列車はゆっくり出発。ホームを照らす蛍光灯の列がたまらなくわびしい。夕暮れ迫る赤い雲の下、手にランプを吊り下げる車掌さんの姿がいつまでも目に焼き付いて離れません。鉄道ファンならずとも、ホームを去っていく列車に思わず「敬礼」してしまいます。
タイ・バンコクの国鉄駅「フアランポーン駅」は、ノンフィクション作家の沢木耕太郎さんが若いころに訪ねた場所。沢木さんの著書『深夜特急』に登場し、沢木さんはこの駅からシンガポールに向かった旅行記を綴っています。
「フアランポーン駅」は、バンコクの観光名所になっているチャイナタウンにも近い場所。街全体が市場のようなチャイナタウンを観光した後は、「フアランポーン駅」を訪ね、哀愁が漂う駅舎にたたずんでみてはいかがでしょうか?そして、哀愁が込みあげ、どこか遠くへ旅したくなったら、そのまま深夜列車の旅に出かけるのも素敵です。
なお、バンコクからチェンマイへの列車旅については別途、記事にまとめていますのでご興味のある方はリンクからのぞいてみて下さい。
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