写真:古都の U助
地図を見るご紹介する上方浮世絵館は、色とりどりの飲食店などの看板であふれる道頓堀から徒歩3分程度と近く、また水掛け不動で有名な法善寺もすぐ目の前です。まず外観の陶器の猫が可愛くて思わず目を引かれてしまいます。
しかもよく見るとこの猫ちゃん、胴体の部分には美しい歌舞伎役者の絵が施され、上部のお魚のオブジェも素敵で、記念撮影のスポットとしても一押しです。(館内は撮影不可)
通称「歌舞伎猫」の左が「上方浮世絵館」の入り口、右側はミュージアムショップの入り口となっていて、ミュージアムショップは入館せずとも利用できます。
写真:古都の U助
地図を見る「上方浮世絵館」は内装もとても凝った遊び心に溢れており、エントランス天井部分には道頓堀川の水の流れをイメージしたフレスコ画があります。
「上方浮世絵館」に近い道頓堀一帯はかつて、中座、角座、浪花座、朝日座、弁天座の5つの芝居小屋があり、歌舞伎や人形浄瑠璃などが盛んに上演されていた場所。入り口部分では上方浮世絵が形成された土台として、この地の歴史が紹介されています。
そして、一階突き当たりでは「芝衛門狸」の置物がお出迎えしてくれます。日本三名狸に数えられる「芝衛門狸」は人間に化け、木の葉をお金に変え芝居見物をしたと伝わる狸。気の毒なことに犬に襲われ命を落とし、後に芝居小屋で祀られたという「芝衛門狸」は、この地の守り神のような存在です。
写真:古都の U助
地図を見る浮世絵は多くの同じ作品を大量に刷ることができ、手にとって眺めて楽しむことができた当時の大衆文化。上方浮世絵はそのほとんどが役者絵で、江戸の浮世絵のような名所絵や美人画、花鳥画などはほとんど制作されていません。人々は贔屓の役者さんの浮世絵を買い求め、今で言うブロマイドのように楽しんだと言われています。
また、上方の役者絵は江戸の役者絵と比べ人物を美化せず、より実物に似せたことが特徴とされています。そんな上方浮世絵作品が見学できるメインの展示室は、2階と3階部分。
浮世絵はほとんどの場合顔料ではなく染料を用いる為、他の絵画などに比べ紫外線などに特に敏感な為、作品保護のため展示室は他の部屋より暗くなっています。ゆっくり落ち着いて見学する為にはちょうど良い環境です。
写真:古都の U助
地図を見る4階まで上がっていくと畳敷きの和室になっており、道具類の展示や写真パネルの展示がされています。ついくつろいでしまいそうなこの部屋では、実費20円というお手軽な塗り絵の体験と、葉書サイズの浮世絵の摺り体験(三日前までの予約制、有料)が可能。
塗り絵はカラーセラピーの効果も期待できるといわれ、近年では大人の塗り絵が密かなブームにもなっているとるとか。用意されている貯金箱にお金を入れて、自由にチャレンジしてみましょう。
また、初級から上級まである浮世絵体験の版木は、どれも「上方浮世絵館」オリジナルのものが用意されています。版木は1色ごとに1枚用意され、「見当」と呼ばれる2ヶ所の印が付けられそこに合わせることで絵柄がずれるのを防ぎます。そう、「見当」というのは浮世絵に語源があるのです。
写真:古都の U助
地図を見る江戸の歌舞伎と違い、上方の歌舞伎はより生身の役者さんの魅力が前面に出されたと言われています。4階の和室の奥には、そんな上方歌舞伎の役者さんの世界がよりイメージできる楽屋も再現されています。
「歌舞伎」は出雲の阿国がはじめた初期はともかく、円熟期ともなると言ってみれば男の世界。舞台に登場する人物は一部子役をのぞいて全て男性が演じます。つまり、上方浮世絵に描かれる女性陣もほぼ全てが男性なのです。そんな事を思って作品を見るのも面白いかもしれません。
「上方浮世絵館」では館内の撮影は出来ません。館内には十分な座るスペースもあるので、ぜひゆっくり目に焼き付けて楽しんで下さい。
年4回テーマを決めて展示替えが行われるので、季節を変えて見学していただくのもおすすめです。
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(2024/12/12更新)
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