写真:温泉ソムリエぐっち
地図を見る赤倉温泉は、JR陸羽東線赤倉温泉駅が最寄り駅。小国川沿いにあり、9軒ほどの宿が立ち並ぶ小さな温泉街です。伝説によれば、慈覚大師円仁が貞観5年(863年)に、地元の村人が小国川の水で傷を負った馬を癒している姿を見て、錫杖で川底を突くと石の間から薬湯が湧き出たと言われています。
また、赤倉と言われるようになった由縁は、仏事に用いる水を意味する仏教語の「閼伽(あか)」、危険な岩場を指す「蔵」の2文字が「赤倉」となった説や、湯の中に人の垢(あか)を食べる虫がいて、それを「垢食い虫(あかくらいむし)」と呼んだことから「赤倉」となった説があります。
温泉街の中には飲み食い処もちょこちょこありますので、素泊まりでも楽しめる温泉地です。写真の右側手前の建物が今回ご紹介する「三之亟」です。
写真:温泉ソムリエぐっち
地図を見る「三之亟」のロビーは、ほっこりくつろげる和空間。その中でひときわ目を引くのが木製のベンチ状の椅子。これは世界的に有名なジョージ・ナカシマ氏の作品。現在はアメリカの工房と香川県の桜製作所のみでジョージ・ナカシマ氏の家具を作っているのですが、「三之亟」の椅子は生前のジョージ・ナカシマ氏時代のもののようで大変貴重です。
そんな名作の椅子に腰かけて、ゆっくりと時間を過ごすのも「三之亟」ならではの楽しみです。
写真:温泉ソムリエぐっち
地図を見る「三之亟」は、なんと言ってもこちらの内湯の浴室「岩風呂」です。混浴ですが、時間帯によっては女性専用タイムもありますので、女性の方もご安心して入浴出来ます。
体育館のように広い空間は、とても野趣に溢れ、圧倒されるような空間です。少々古さは否めませんが、それも「三之亟」の歴史として感じられます。2つ連なった浴槽は、江戸時代に手作業で岩を削りだして作られたそうで、この浴槽の内部より温泉が湧き出しています。
さらに、源泉そのままでは熱すぎる為、小国川に源泉をパイプで誘導し、適温に下げた上で浴槽に掛流されています。ですので、空気に触れない(酸化されない)湧きたての新鮮な貴重な温泉に浸かることが出来ます。
そして、浴槽の底は岩模様がまるでマーブル模様のように美しく、日本に多々ある温泉でもかなり珍しいと思われます。さらに奥の階段を上がると打たせ湯もあります。
湯は、無色透明のほぼ無臭の硫酸塩泉です。
写真:温泉ソムリエぐっち
地図を見る小国川沿いには露天風呂もあります。ただ、立地的に川向こう岸に建物があるため、露天風呂の川側は簾が掛けられ眺望は望めませんが、開放感が味わえます。また、露天風呂に注がれるお湯は、岩風呂とは異なる源泉が使われています。
ただ、泉質は同じ硫酸塩泉ですので、違いはそこまでは感じられないと思いますが、内湯と露天風呂では温泉の楽しみ方や感じ方が異なりますので、その違いを楽しめるのは有難いです。
「三之亟」には、岩風呂・露天風呂以外にも小さいながらのも貸切風呂もあります。ひょうたん型をした浴槽からは湯が掛け流されています。立ち寄り湯(日帰り入浴)は10:00〜16:00までとなります。
また、この時間帯、名物「岩風呂」は混浴タイムとなりますので、女性の方であれば宿泊されて、女性専用タイムに入浴されるのがよろしいかと思います。また、宿泊の場合もスタンダードプランから湯治プランまで用意されているので、ご希望に沿った宿泊プランをお選び頂けます。
本物の温泉や田舎情緒を味わいたい方にはぴったりのお宿です。
◆三之亟
【住所】山形県最上郡最上町大字富沢884
【泉質】カルシウム・ナトリウム−硫酸塩温泉
【湯の使い方】源泉かけ流し(加水状況によりあり・加温なし・消毒なし)
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(2024/9/16更新)
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