これぞ大阪の珍邸、小阪城!噂の「イソノ理容」店主が造り上げた城は驚愕のオールハンドメイドだった

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これぞ大阪の珍邸、小阪城!噂の「イソノ理容」店主が造り上げた城は驚愕のオールハンドメイドだった

これぞ大阪の珍邸、小阪城!噂の「イソノ理容」店主が造り上げた城は驚愕のオールハンドメイドだった

更新日:2016/06/27 12:19

藤井 麻未のプロフィール写真 藤井 麻未 元秘境系海外旅行添乗員、トラベルライター

大阪といえば大阪城!なんてもうナンセンス。大阪に来たならば、まず"小阪城"を訪れるべきだ。それは近鉄奈良線上の河内小阪というマイナーな駅近くにある。
小阪城とは、現役理容店店主がたった一人で造り上げた手造り感溢れる、それでいて細部にまでこだわり抜かれた紛れも無い「城」なのだ。それでは大阪の珍邸、小阪城をとくとご覧あれ。

下町の風景に突如現る、天守閣の正体とは!?

下町の風景に突如現る、天守閣の正体とは!?

写真:藤井 麻未

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河内小阪駅までは大阪駅から一度乗り換え30分程度で着く。駅を出ると、そこには典型的な下町の商店街が続いている。商店街のアーケードを二つ目の角で左に逸れ、道なりに歩いて行こう。すると間もなく密集する民家の屋上に、明らかに異質な物体…謎の天守閣が聳えているのが見える。ここが噂の理容店「イソノ理容」だ。

ここの店主が城を造った城主なのである。天守閣の聳えている建物は一見ごく普通の下町にある理容店だが、躊躇しないで入ってみよう。もし気兼ねするという方は事前に城を見せてもらいたい旨、電話でアポをとっておくとスムーズだ。また、できれば大阪駅で551の豚まんなど城主への貢物を買っておくとより丁寧だろう。

店内で出迎えてくれるのが店主(城主)の磯野氏(齢80)だ。店の内部にも既にどことなく城の気配が漂っている。ここで城主に御目通りした後、裏の玄関へと案内してもらおう。城の玄関口では、まず「あそこから撮るといいよ!」と城主自ら積極的に外観撮影のアングルを指示してくれる。驚くべきは、天守閣だけでなく立派な石垣に囲まれた建物がまるごと全て城主の手造りだということ。そして内部には更なる驚愕の世界が広がっている。

松の襖絵に凝った欄間も手造り!豪華絢爛「冬の間」

松の襖絵に凝った欄間も手造り!豪華絢爛「冬の間」

写真:藤井 麻未

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まずは一階部分だ。とても全て手造りとは信じ難い絢爛豪華な部屋が広がっている。城主曰く、一番の大広間は「冬の間」だそう。襖絵も全て水彩の手描き、装飾も手造りだ。城主の絵心にも感嘆せざるを得ない。そして冬の間には熙渓亭と名付けられた一坪ほどの庭がある。それがまたなんとも良い味を出しているのだ。一坪ながら、豪華な冬の間に見事な緑を添えている。ちなみに「熙渓亭」と書かれた板は茶色く木版風に塗られた段ボールで出来ている。

そして、冬の間にはあっと驚く仕掛けも用意されているのだ。松の襖絵を開くと奥には大広間…の、だまし絵が!もちろんこれも城主の手描きだ。大阪城をモチーフにしているのかと尋ねると、特にそういう訳ではないらしい。

重厚な欄間ももちろん手造り。ベニヤ板に紙粘土を貼り、それを彫って作ったという。真鍮の見事な装飾に見えるものは、なんと空き缶を叩いて伸ばして作ったという。恐るべき手先の器用さである。

総工費はたったの5万円!?

総工費はたったの5万円!?

写真:藤井 麻未

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続いて「春の間」。ここは城主の執務室だ。快適なリラックス空間となっている。奥にはベッドがあるが、その一角だけは何故か公開していないらしい。金箔改め、金の折り紙にピンクの桜の絵、赤の絨毯がいかにも春の煌びやかさを醸し出している。障子だけはここで唯一、リサイクルの既製品とのこと。少し悔しげにそう語る城主は、やはり手造りに相当拘っているのだろう。

一階部分はここで終わりだ。一階の総工費は、なんとたったの5万円。城の骨組には廃材を使い、電球は全て100均。電気の傘に使われている春夏秋冬を表す豪華な絵柄は、使用済みカレンダーの柄を利用したという。100均のステンレストレイを傘に使った照明は、トレイが電球の光を反射し通常以上に明るく輝く。城主の知恵が光る作品だ。

まだまだ続く、二階の間

まだまだ続く、二階の間

写真:藤井 麻未

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二階にはカワセミを描いた「夏の間」が。夏の間に続くのが紅葉を描いた「秋の間」だ。どちらも城主自ら描いた季節折々の襖絵が見事である。歩くとところどころ怪しい音がしてへこむ床には少し恐怖を感じるが、それは気にしないことにしよう。
ところで、城主は見ず知らずの訪ね人に対し事細かに部屋の間取りや仕組みを説明してくれるが、これが戦国時代であれば簡単に陥落されていたことであろう。

「理容の間」で城主本人によるカット体験も

「理容の間」で城主本人によるカット体験も

写真:藤井 麻未

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そして、こちらが「理容の間」。というか、本業の仕事場だ。せっかくなのでここで城主本人に髪を切ってもらうのもまた一興だ。心配ならば痛んだ毛先のカットだけでも快く引き受けてくれる。小阪城は大阪内外から多くの人が訪ねて来るらしいが、訪ね人多しといえど城見学目当ての旅人の中でここで城主に髪を切ってもらう者はそういない。カットのみ1500円。鏡の中からは、水を湛えた長閑な池の絵が見える仕掛けになっており、本業のお客に対しても手を抜かない気の配り様に、まさに感服といったところだ。ちなみに絵はもちろん城主の作品である。

おわりに

さて、大阪イチの珍邸、小阪城はいかがだっただろうか。城主磯野氏は、さぞかし以前は建築や美術に精通した仕事をしていたのだろうと思いきや、根っからの理容師だ。建築、美術についてはただの趣味、全くの素人なのだとか。60歳のころから自宅兼理容店を城にすることを思い立ち、コツコツとここまで造り上げてきたという。骨董品にも興味があり、冬の間にはよく見ると様々な茶道具や掛け軸が飾られている。休日は予約をすればお茶会を催してくれるとのこと。

ちなみに奥様はアロママッサージ師、近くの店舗でマッサージ店を営んでいる。そして奥様の店舗も、実は磯野氏が改装して古代ローマ風に仕上げてあるという。純和風の小阪城と違って古代ローマ風とは一体全体どんな世界が繰り広げられているのか、ワクワクが止まらない。時間がある方はぜひマッサージ店の方にも足を運んでみてはいかがだろうか。

掲載内容は執筆時点のものです。

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