まず「然別峡野営場」(北海道鹿追町然別峡)です。この山間のキャンプ場があるのは、鹿追町役場から北へ約30kmほど行ったシイシカリベツ川上流。然別湖への谷よりもう一筋西側の谷です。
野営場という名の通り、備えられている施設は炊事場、トイレ、キャンプサイトのテーブルなど必要最少限で、携帯電話も通話圏外。でもその日常生活から解放され、自然の中に浸れるのがここの魅力でもあります。林間の木洩れ陽、鳥のさえずり、野天湯や清流の流れなどなど、有り余る自然の素晴らしさを存分に感じてみてください。
ただ、一つ注意点があります。北海道は全域がヒグマの棲息区域。特に自然の中では、臭覚が敏感なヒグマを刺激しないようにすることが大切です。食材や残飯などの匂いがもれないよう注意してください。今は、匂いを漏らさない便利なゴミ袋もありますので、用意しておくといいかもしれません。
この「然別峡野営場」で、何よりも素晴らしいのは野天湯「鹿の湯」です。すぐ横が美しい渓流で、手作りの脱衣所以外は全てが自然。そんな中、水の流れる音を聴きながら温泉に浸かれるなんて、何というぜいたくでしょうか。
泉質はナトリウムー炭酸水素塩・塩化物温泉で、効能は神経痛、筋肉痛、慢性消化器病、冷え性など他にも様々。川沿いにはこれ以外にも1〜2人くらいが入れる小さな湯がいくつかあるので、探してみてください。なお、ここは混浴ですが水着などは禁止です。誰もが心地よく入れるよう、互いにマナーを守って入りましょう。
野営場の営業期間は7月〜9月。ネイチャー派やライダーに大人気の然別峡野営場ですが、7〜8月の土日やお盆などには家族連れなど多くの人が訪れます。予約不要でサイト選びも自由ですので、混みそうな時期は早めの到着をおススメします。
然別峡にはもう一つ、秘湯の1軒宿「かんの温泉」があります。館内には内湯、露天、貸し切りなど大小さまざまな11のお湯があり、男女が日替わりとなっています。日帰り入浴もOKなので、2日に分けて訪れると全部のお湯を体験できますよ。
また宿泊では、1人部屋から家族部屋まで様々な部屋が用意されているのも嬉しいところです。「然別峡野営場」からも近く、野営場の混浴が苦手な方は、こちらの日帰り入浴の利用がいいでしょう。
ご覧のように「かんの温泉」は大変新しい施設です。じつはこれ、平成20年に休業となっていたそれまでの「菅野温泉」が、平成26年に新しくなったもので、地元の方や、古くからのファンにとっては待望の復活でした。新しく歴史を刻み始めた「かんの温泉」のお湯、ぜひ味わってみてください。営業は、4月末〜10月末となっています。
然別峡野営場の東側の谷、そこを通る然別湖そして糠平湖へと抜ける道にも、たくさんのスポットがあります。
然別湖の少し手前にあるのが「扇ヶ原展望台」(鹿追町瓜幕)。ここは西ヌプカウシヌプリの南山腹で、条件が良ければ日高連峰や十勝平野、そして遠く太平洋までも広く見渡すことができます。あの有名な狩勝峠も見えますよ。このようなすごい展望台がさりげなくあるのが、北海道らしいところですね。ここでは、狩勝峠から見る豪快な十勝平野とは少し違った、おだやかな十勝の絶景を味わうことができます。
なお、ここからもう少し進んだ所にある「白樺峠」も、その名のとおり白樺林が美しく、走行中に十勝平野を望める快走路です。然別湖畔温泉までのコースは道もよく、湖への爽快ドライブが楽しめます。
最後は、然別湖です。深い山中に輝く然別湖は、約3万年前の噴火で川がせき止めれてできた湖で、陸封されたことで固有種となったミヤベイワナや、周辺に生息する生きた化石といわれるナキウサギなど、希少な野生動物が生息することでも知られています。
その然別湖でさまざまな自然体験ができるのが「然別ネイチャーセンター」。ここではカヌーや森林ウォーク、リバーウォッチング、釣りなどの様々な自然活動のメニューが用意されています。もちろん専門のガイドさんがついてくれます。ここでしかできない貴重な体験を、計画してみてはいかがですか。
そしてここにある野営場が、湖の一番北の湖畔にある「然別湖北岸野営場」です。林間のサイトから見る湖の輝き、早朝に見られる湖面の幻想的な朝霧や夜空の満天に輝く星の美しさなどには、もう驚くばかり。先ほどの然別峡野営場とは、また違った自然の素晴らしさを堪能することができます。
いかがでしたでしょうか。
このように然別峡、然別湖周辺には、様々な自然の美しさや楽しさを味わえるスポットがたくさんあります。ご紹介した他にも、然別湖畔温泉にはホテルやペンション、旅館などお好みに応じての宿泊ができ、湖上の遊覧船などを楽しむこともできます。「1泊だけではあまりにもったいない」そう感じられる方は、滞在しながら周辺の様々なスポットを探索するのもいいかもしれませんね。
大雪山国立公園の美しい自然がいっぱいの然別峡や然別湖で静かなひとときを過ごし、四季折々の自然の美しさを体験する。きっと、最高の思い出づくりができますよ。
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(2024/9/18更新)
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