7月17日の前祭の山鉾巡行の前三日間に、宵山行事が7月14日〜16日まで行われます。山鉾巡行の前々々日を宵々々山、前々日を宵々山、前日を宵山と言われ、まとめて「宵山」と称されています。
四条烏丸交差点を中心に、山鉾の建てられている通りに露店・夜店が軒を並べていて、各山鉾に飾られる懸装品(人形・織物・金具)が展示されている町会所巡りができます。また、夜になると提灯が幾十となく点火された山鉾で、祇園囃子がにぎやかに奏でられていて、真夏の日中から夜遅くまで多くの観光客が山鉾、町会所に押し寄せています。
祇園祭の有名な見所の一つに、7月17日に行われる前祭(さきまつり)の23基の山鉾巡行があります。
長刀鉾を先頭に、最後尾の船鉾まで23基の山鉾が京都の中心部を巡行し、大きな山鉾が祇園囃子のコンチキチンを響かせながら進む姿は大迫力。特に直進しかできない構造の山車を交差点で90度転回させる辻回しが人気です。
前祭の山鉾の巡行順は、いろいろな取り決めと、7月2日に行われるくじ取式で決められます。毎年くじ取らずで定位置が決まっている鉾は、1番目の長刀鉾(なぎなたほこ)、5番目の函谷鉾(かんこほこ)、21番目放下鉾(ほうかほこ)、22番目の岩戸山(いわとやま)、最後尾23番目の「出陣の船鉾」と呼ばれる船鉾(ふねほこ)です。
9番目と13番目と17番目の位置には菊水鉾(きくすいぼこ)、鶏鉾(にわとりほこ)、月鉾(つきほこ)だけが入れて、その順番はくじ取りで決めます。7番目と15番目は綾傘鉾(あやがさほこ)と四条傘鉾(しじょうかさほこ)だけの定位置で、くじ取りで決めます、残りの位置は、占出山(うらでやま)、芦刈山(あしかりやま)、孟宗山(もうそうやま)、山伏山(やまぶしやま)、太子山(たいしやま)、霰天神山(あられてんじんやま)、油天神山(あぶらてんじんやま)、白楽天山(はくらくてんやま)、保昌山(ほしょうやま)、郭巨山(かっきょやま)、木賊山 (とくさやま)、蟷螂山(とうろうやま) 、伯牙山(はくがやま)の13基の山のくじ取りで決められます。
前祭巡行は、四条烏丸交差点あたりから先頭の長刀鉾が午前9時にスタートして、河原町四条交差点を9時半ころ、河原町御池交差点を10時半ころそれぞれ通過、ゴールの新町御池交差点に11時半ころ到着します。23基の山鉾巡行が終わるのは、13時過ぎになる大行列。真夏の猛暑の炎天下での行事なので、見学の人も熱中症対策は必要です。
7月24日の後祭の山鉾巡行の前三日間に、宵山行事が7月21日〜23日まで行われます、四条烏丸交差点から北西方向の六角室町あたりを中心に10基の山鉾が立ち並びます。
よく使われる「あとの祭り」という言い回しは、この祇園祭の巡行の後祭にちなんでいて、賑やかさがなく見物に行っても意味がないことから、手遅れを表現する意味になったとする説があるといわれます。しかし後祭は、祇園祭の風情を比較的ゆっくりと落ち着いて感じながら、前祭と同じように、10基の各山鉾の懸装品、山鉾の前後に飾られる駒形提灯や、静の美術館と呼ばれる町屋の飾りが見学できます。「手遅れ」なんてことは決してないのでご安心を!
また、やはり前祭同様、ちまき、お守りなどを売る浴衣姿の子供たちの童歌なども聞くことができ、祇園祭の雰囲気を堪能できます。
後祭は橋弁慶山を先頭に10基の山鉾が巡行し、最後尾を150年ぶりに2014年から巡行参加に復活した、「凱旋の船鉾」と呼ばれる大船鉾が飾ります、
後祭の巡行順は、前祭同様いろいろな取り決めと、7月2日に行われるくじ取式で決められます。毎年くじ取らずで定位置が決まっている山・鉾は、1番目の橋弁慶山(はしべんけいやま)、2番目の北観音山(きたかんのんやま)、6番目の南観音山(みなみかんのんやま)、10番目の最後尾は2014年に150年ぶりに巡行に復帰した大船鉾(おおふねほこ)です。残りの位置は、八幡山(はちまんやま)、浄妙山(じょうみょうやま)、鈴鹿山(すずかやま)、鯉山(こいやま)、役行者山(えんのぎょうじゃやま)、黒主山(くろぬしやま) の6基の山のくじ取りで決められます。
後祭巡行は、前祭巡行コースとは逆方向に、烏丸御池交差点あたりから先頭の橋弁慶山が午前9時半にスタートして、河原町御池交差点を10時ころ、四条河原町交差点を10時半過ぎにそれぞれ通過し、ゴールの四条烏丸交差点に11時半ころ到着します。10基の山鉾巡行が終わるのは12時半過ぎ。猛暑の炎天下での行事ですので、前祭同様、見学の人も熱中症対策を怠りなく!
もともと、祇園祭がはじまった頃の山鉾は、花傘の形態であったと伝えられていて、この花傘巡行は、祭の原初的なかたちをあらわしています。
この巡行列は、花傘を中心とした行列が、八坂神社から市役所、四条御旅所などを巡って、八坂神社へと帰ってくるものです。先頭は、元気なかけ声を響かせた子ども神輿。そして、花傘をかぶった女性や武者行列、鷺踊(さぎおどり)、獅子舞、芸妓さん・舞妓さんをのせた曳き車などが続きます。行列に参加するのも、総勢1000人近くと大規模で、実に華やかで、賑やかな行列として知られています。
花傘巡行は、後祭巡行コースと交差するように、八坂神社を先頭が午前10時にスタートして、四条寺町交差点を10時半ころ、寺町御池交差点を11時前ころそれぞれ通過して、その後河原町御池交差点、四条河原町交差点を経てゴールの八坂神社に12時ころ到着します。山鉾巡行とはまた異なる、華やかな雰囲気のお祭りを楽しむことができる行事です。
日本三大祭のひとつにもあげられており、その歴史の長いこと、祭事が1ヶ月にわたってくりひろげられるという大規模なものであることでひろく知られています。また山鉾行事は、昭和54年文化財保護法により、国の重要無形民俗文化財に指定されたほか、平成21年には国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されています。
最も観光客が押し寄せるのは、前祭の宵山の夕刻で、京都のメインストリートの四条通や山鉾の建てられた通りが歩行者天国になって、しかも一方通行規制が行われます、目の前に見えている山鉾までなかなかたどり着けない場合もあります。でも、2014年から復活した後祭の宵山の夕刻でも、祇園祭の風情は全く同じように楽しめます、地図を片手にのんびりとそぞろ歩きを楽しんでみてください。
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(2024/9/9更新)
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