駅弁全国ベスト8!沖縄・伝説の駅弁は“駅で買えない、電車で食べられない”

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駅弁全国ベスト8!沖縄・伝説の駅弁は“駅で買えない、電車で食べられない”

駅弁全国ベスト8!沖縄・伝説の駅弁は“駅で買えない、電車で食べられない”

更新日:2016/06/30 16:25

陽月 よつかのプロフィール写真 陽月 よつか フリーライター、星空準案内人、興福寺阿修羅ファンクラブ会員

駅弁と言えば、鉄道旅の重大な楽しみの一つ。それでは鉄道のない沖縄に、かつて全国ベスト8入りしながら今は県外では入手不可という伝説の駅弁があることをご存じでしょうか?沖縄ならではのこだわりのたっぷり詰まった、電車で食べるには向かない駅弁。その驚きの中身とは?

沖縄駅弁「海人がつくる壺川駅前弁当」はレア度5つ星!

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写真:陽月 よつか

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沖縄のお弁当事情と言えば空港の空弁や激安弁当など話題に事欠きませんが、旅先弁当の代名詞と言えばやっぱり駅弁。と言うと、モノレールだけの沖縄に駅弁があるの?なんて思われる方も多いかもしれませんね。ありますとも!しかもただのお弁当ではありません。かつて全国駅弁大会でベスト8入りし、それを食べるためだけに沖縄を訪れる人も後を絶たないという、伝説の駅弁なのです。

その駅弁の名前は「海人(うみんちゅ)がつくる壺川駅前弁当」。沖縄県内で駅弁として国鉄に登録のあるものは、現在こちらの駅弁のみ。その沖縄唯一の駅弁は、日本最南端の駅弁でもあり、日本最西端の駅弁でもあり、そしてまた、その日に上がったばかりのフレッシュなお魚がヅケで入っているという破格の駅弁でもあります。悪天候などで魚の上がらなかった時のために、店内に水槽まで用意してある徹底ぶり。生の魚が入っている駅弁は日本で現在、こちらと高知駅弁「かつおたたき弁当」 の二種類だけです。

そんなレア度5つ星の沖縄駅弁、そのこだわりだらけの中身はと言うと…

幻の寿司丼にこだわりのもずくや海ぶどう…ご当地グルメを贅沢に

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写真:陽月 よつか

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フタが閉まらないほどぎっしり!軽く1.5人分として良いほどの量です。酢飯の上には新鮮なヅケの魚、沖縄天ぷらはもずくや魚など各種。店内スペースで食べる場合は、写真のようにお汁がつきます。

またお弁当の左上部分は写真ではお魚ですが、普段は海ぶどうが入ります。このようにおかずが終了してしまった日には代わりに他のおかずを入れてくれるので、実際はほぼ日替わりに近いのです。

とは言え、メイン部分がヅケのお魚なのは変わりません。こちら、ヅケとは言え生の魚をお弁当に入れて本当に大丈夫なのか、ただでさえ暑い沖縄ですし心配になりますよね。けれどもちろん大丈夫!こちらのヅケは大東漬け、沖縄の離島「大東諸島」に伝わる幻の寿司「大東寿司」のネタ部分に当たるのです。暑い大東諸島で冷蔵庫のない中、生魚を保存するための方法として考え出された大東漬け。こうすると3日は持つのだそうです。お弁当に入れても大丈夫なわけですね。

沖縄本島でもなかなか食べられない大東寿司の大東漬けは、本来はさわらで作るのが一般的ですが、こちらではこれも日替わり。その日その時に一番美味しい魚で作ってくれます。そう、注文を受けてから漬けてくれるのです。特製のタレに5分から10分ほど漬けるのですが、作り置きをしないというのがこちらのお店のこだわりの一つ。魚はかじきやマグロなどのお馴染みの魚の他、沖縄ならではの魚もあります。写真の魚はイラブチャー、有名な沖縄の青い魚ですね。

また海ぶどうともずくの天ぷらも、大東漬けに劣らぬ伝説ポイントです。というのもこちらのお店の社長は、海ぶどうともずくの第一人者。この2つを沖縄でブランド化させた立役者であり、この2つを海外にも定着させた方なのです。当然、そのクオリティは折り紙つき。新鮮なために楽しいほどのぷちぷち食感と潮の風味のする海ぶどうは、醤油ベースの甘めのヅケの上に乗せて一緒に食べるのがお店の方おすすめの美味しい食べ方です。

駅弁なのに駅で売れない?!買えるのは唯一ここでだけ!

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写真:陽月 よつか

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そんな伝説の駅弁「海人がつくる壺川駅前弁当」ですが、よくよく見てみると、駅弁当でなく“駅前弁当”。そう、こちらは駅で販売していない駅弁なのです。

その理由は簡単、沖縄だから。沖縄唯一の電車である沖縄都市モノレール「ゆいレール」の駅にはいわゆる売店というものはありません。以前はあったのですが、暑さのために商品が傷んでしまうので廃止されたのです。菓子パンでもすぐに悪くなってしまう気候の中、お弁当も試みてはみたものの、結果はやはり失敗。

そのため現在では壺川駅から国場川沿いに海方面へと約300m、販売元である「壺川直売店さかな」でのみの販売となっています。ただし団体ツアーなどで予約の際に頼めば、駅まで届けてくれるサービスも。店内にイートインスペースもあり、対岸に奥武山公園の緑を臨み、川に涼みながらお弁当をいただくことができます。特に花火大会の眺めは特等席で、毎年ぎっちり満席になるとのこと。

それにしても以前は他の場所、販売開始年から出場していた全国駅弁大会や物産展でも購入ができたのですが、これらには数年前から参加を止めてしまっています。その理由は、駅弁を量産しようとすると冷凍の魚を使わなくてはならなくなるから。

お弁当にヅケとは言え生の魚が入っているだけでも驚きなのに、更に冷凍した魚を使うくらいなら作らないという、海人ならではのハイレベルなこだわり。そのためにお弁当の新鮮さ美味しさはしっかりと保持され、そして同時にこちらのお店以外では全国どこに行っても手に入らない伝説の駅弁としての名も保持されているのです。

電車で食べるのに向かない駅弁、その理由はこだわりにあり!

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写真:陽月 よつか

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しかしこちらのお弁当、駅弁としては一つ問題があります。それは、ゆいレールの中で食べるのにはちっとも適していないこと。

ゆいレールが走っているのは那覇空港から首里城まで。始発駅から終点まで乗ったとしても全27分、壺川からだと最長20分の電車旅となれば、お弁当を広げるには往復する覚悟が要ります。しかも全2両の車内はごく普通の両窓際に座席が並ぶスタイル、お弁当の雰囲気ではありません。更に言うならお弁当自体もボリュームがありすぎて、例えミニテーブルつき特急車両があったとしても車内食にはちょっと大きめ。しかも中身はタレに漬けられた生の魚。

というのもこちらのお弁当はもともと2001年に、商品名の通り壺川漁港の「海人」たちが集まって、新鮮な沖縄の魚をPRしようと作ったお弁当なのです。それと時を同じくして壺川漁港の場所にゆいレール壺川駅が作られることになり、壺川漁港は300mほど下流にお引越し。漁港が駅になったのでお弁当はそのまま駅弁となり、魚の直売のほかにお弁当や定食の販売を加える形で新たな漁港の表に開いた店が「壺川直売店さかな」というわけです。

壺川駅の稼働はその一年後、2002年(ゆいレール試運転)。電車や駅の始動より駅弁が先行した上、構想からして動く電車内で食べられる予定のなかった駅弁は、沖縄の新鮮な魚を知って貰おうとの初心もお弁当の内容もそのまま、今も無理して車内で食べるより行楽やスタジアム観戦向きな駅弁としてそのボリュームとクォリティーを誇っているのです。

駅弁で沖縄の海を満喫しよう!

現在はもう全国でここでしか買えない食べられない伝説の駅弁「海人がつくる壺川駅前弁当」は、1つ850円。以前の駅弁大会や物産展など、沖縄外で販売する場合は輸送費等のため1050円でしたが、それ以外では値上げを極力控えているお値打ち価格です。

また駅弁以外にもメニューは豊富。定食や600円ランチの他、天ぷらやお刺身など追加注文したくなる品が沢山ありますよ。おすすめはオリオンビール!大東漬けと素晴らしい相性です。

注文を受けてから一つ一つ作ってくれるお弁当ですが、それでもお昼時を過ぎると材料が終わって売り切れということもしょっちゅう。確実に狙うには予約がおすすめです!
開店時間は直売所9:00〜、定食屋11:00〜と時間が違いますのでご注意下さいね。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/06/24−2016/06/27 訪問

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