宗教改革の生き証人。時代と共に変化した蘭・ユトレヒト「ドム教会」

| オランダ

| 旅の専門家がお届けするオリジナル旅行ガイドメディア

宗教改革の生き証人。時代と共に変化した蘭・ユトレヒト「ドム教会」

宗教改革の生き証人。時代と共に変化した蘭・ユトレヒト「ドム教会」

更新日:2016/06/28 15:32

浅井 みらののプロフィール写真 浅井 みらの 総合旅行業務取扱管理者、総合旅程管理主任者、通訳案内士(英語)、世界遺産検定2級

アムステルダムから南へ電車に乗り30分、「ユトレヒト(Utrecht)」に到着です。オランダ最大の大学や一番高い建築物があるなど、学生から観光客まで訪れる落ち着いた雰囲気が特徴です。この街の中心地にある「ドム教会(別名:聖マルティン大聖堂/Domkerk」の基礎が築かれたのは、なんと紀元630年!途方もない歴史のなか宗教改革や災害をも乗り越えて、今も街のシンボルとして輝くドム教会をご紹介します。

ゴシック様式の教会

ゴシック様式の教会

写真:浅井 みらの

地図を見る

教会の内部へ入場すると、複数の窓から差し込む光の明るさに驚きます。そして見上げるほど高い天井は高さ30m。漂う空気さえも何か神聖なものが宿っているような凛とした雰囲気に包まれます。入口付近に飾られたステンドグラスは100年前に作られたもので、教会の中では比較的新しいという事実に驚きですよね。

現在の場所に教会の礎が築かれたのは、今から1300年以上前の紀元630年ごろ。ゲルマン人兵士によって建てられました。最初は木造建てだった教会でしたが、石造のゴシック様式の教会へと建て替えられ始めたのが1254年。1520年には予算不足により工事が一旦中止されたものの、約300年の月日を経て現在の姿へと完成しました。

壁に隠された、いにしえの壁画

壁に隠された、いにしえの壁画

写真:浅井 みらの

地図を見る

教会の雰囲気を一気に変えてしまったのが、16世紀にヨーロッパ全土で巻き起こった宗教改革です。ドム教会も従来のカトリックからプロテスタントへと改宗。多くの鮮やかな色が使われたカトリックの装飾とは正反対にプロテスタントはシンプルさが好まれました。

写真はカトリック時代に描かれたドム教会の壁画です。まんべんなく塗られた赤い背景が目を引きますよね。プロテスタントに改宗した際、こちらの壁画を隠すために白い壁が造られました。しかし、長い月日が経ち、どちらの教えも尊重すべきだという考えが生まれ、現在では壁画を鑑賞できるようになったのです。

2色の色が際立つ柱

2色の色が際立つ柱

写真:浅井 みらの

地図を見る

壁画以外にも、宗教改革の名残りを感じられるものがもう1つ。上の写真をご覧頂くと、奥まで続いているどの柱も、中央部分が赤っぽいのにお気付きになるかと思います。赤い部分はカトリック時代に装飾されていた箇所を示します。プロテスタントに改宗した際に白いペンキで上から塗り潰されたのですが、風化が進み、下の色が再び浮き上がってきました。

天災に翻弄された塔

天災に翻弄された塔

写真:浅井 みらの

地図を見る

宗教改革から1世紀後の1674年、今度は天災にドム教会は襲われます。多くの犠牲者を出した竜巻がドム教会も攻撃し、塔と教会を繋いでいた中央部が破壊されてしまいます。その後、バラバラになった塔と教会は2つの別々の建物へ。

写真は高さ112mのドム塔。オランダで最も高い建物で、ユトレヒトの街を見守っています。中央部が残っていれば、ドイツのケルン大聖堂に次いでヨーロッパで2番目に大きいゴシック様式の教会だったなんて驚きですよね。長崎県にあるテーマパーク“ハウステンボス”のシンボル、ドムトールはドム塔がモデルになっているんですよ。

綺麗に整備された中庭

綺麗に整備された中庭

写真:浅井 みらの

地図を見る

教会の内部を抜ければ中庭へ。噴水を中心に幾何学模様の庭園が広がります。ベンチもありますので、ちょっとした休憩もできますよ。他にも中庭に面したカフェがドム教会内部にあります。中庭の景色を楽しみながら、お茶を飲まれるのも素敵ですね。隣接しているショップではユトレヒトのお土産やドム教会関連のグッズをお求め頂けます。

時代と共に変化したドム教会

ドム教会の内部を歩くと、カトリック時代のもの、宗教改革の影響を受けたものなど時代の流れに沿って変化し続けた過程を見ることができます。現在、その空間に新しい芸術作品が仲間入り。キリスト教をテーマにした現代アートが展示されています。

教会で働くスタンさんいわく「今の世の中、教会は歴史という古い過去のものとして皆さんに認識されています。しかし、教会も人間と同様に生き続けます。ドム教会が度重なる変化をし続けたように生き残っていくのです。教会は‘今’と共にあるものと認識して欲しいので、現代アートを展示しているのです」。古いけど新しい、今と共にあり続ける魅力的な教会です。

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/06/15 訪問

- PR -

旅行プランをさがそう!

このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpで複数旅行会社からまとめて検索!

条件を指定して検索

トラベルjp<たびねす>

トップページへ戻る

トラベルjpで一緒に働きませんか? 旅行ガイド編集部では運用サポートスタッフを募集中です!

- PR -

旅行ナビゲーター(在宅ライター)募集中!
この記事に関するお問い合わせ