鎌倉・浄妙寺「喜泉庵」。ささやき声で話したい、至高のお寺カフェ

鎌倉・浄妙寺「喜泉庵」。ささやき声で話したい、至高のお寺カフェ

更新日:2016/08/04 15:45

下川 尚子のプロフィール写真 下川 尚子 ライター
枯山水の美しい庭園に、ささやかに響く澄んだ水音。心洗われるひとときを過ごせるお茶室が、鎌倉・浄妙寺の「喜泉庵」。老舗和菓子屋「美鈴」の和菓子とお抹茶をいただきながら、穏やかな時間を過ごせる、至高のお寺カフェです。
浄妙寺は足利氏ゆかりの寺として栄えた歴史を持つ、鎌倉五山第五位の古刹。本堂やあじさい散策路など、境内の見どころも併せてご案内します。

鎌倉五山第五位の古刹、浄妙寺

鎌倉五山第五位の古刹、浄妙寺

写真:下川 尚子

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浄妙寺は、頼朝の重臣・足利義兼が1188年、退耕行勇を開山として建立したお寺です。鎌倉の禅宗寺院を代表する鎌倉五山第五位の名刹で、室町時代には塔頭23を超える大寺院でした。火災などのために多くの建物は焼失し、現在残っているのは総門、本堂、客殿、庫裡など一部に留まりますが、その堂々としたたたずまいは寺院としての格の高さを感じさせます。

喜泉庵は、そんな浄妙寺の一画にあります。1570年頃に建立されたお茶室を復興した由緒ある場所で、かつては、ここで修行僧たちが一同に会しお茶を喫することもあったとされています。

枯山水の庭園を望む「喜泉庵」

枯山水の庭園を望む「喜泉庵」

写真:下川 尚子

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茶室「喜泉庵」は、鎌倉では珍しい枯山水の庭園があることで知られ、お茶を一服いただきながら美しいお庭を見ることができます。喜泉庵に足を踏み入れると、書院造の和室の向こう側には、美しい枯山水の庭園。緋毛氈に座ってお茶を頂いても、立礼席を利用しても大丈夫です。

「茶室」というと気おくれを感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、喜泉庵は観光客も多く立ち寄る場所ですので、ぜひ気軽に足を運んでみてください。和の美しさを深く感じられる、特別な時間が過ごせるはずです。

水琴窟(すいきんくつ)の澄んだ音を聞く

水琴窟(すいきんくつ)の澄んだ音を聞く

写真:下川 尚子

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喜泉庵では、大きな声のおしゃべりは控え、静かな空気を楽しみましょう。

枯山水の庭園の眺め以外でも、喜泉庵で楽しみたいものがあります。それは「水琴窟」が奏でる音色。水琴窟とは、水滴音を地中に埋めた甕 (かめ)に共鳴させてその音を楽しむもので、庭園文化における優れた技法のひとつとされてきました。庭園の隅に設けられた「水琴窟」から伸びる竹筒を通して、その調べを聞くことができます。

大きな声でおしゃべりしていては聞き逃してしまいそうな、ささやかな音。耳を傾けると、水滴が水面をはじく音が高く澄んで、穏やかな余韻が残ります。

お抹茶と、季節を感じられるお菓子

お抹茶と、季節を感じられるお菓子

写真:下川 尚子

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そして、老舗の美味しい和菓子とお抹茶がいただけるのも、喜泉庵がオススメの理由のひとつ。

上生菓子とお干菓子から選べますが、上生菓子は鎌倉の老舗和菓子屋「美鈴」のもの。四季を感じられる造作は見た目にも美しく、上品な味わいは、喜泉庵で過ごす時間をさらに極上のものにしてくれます。

浄妙寺の見どころを巡ろう

浄妙寺の見どころを巡ろう

写真:下川 尚子

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美味しい和菓子とお抹茶を頂きながら、枯山水の庭園を眺める時間は、心洗われるひととき。時間を気にせず、のんびりと楽しみたいものです。

ここでは喜泉庵をメインにご紹介しましたが、浄妙寺の境内では、風格ある銅板葺きの本堂や、足利尊氏の父・貞氏の墓所などが主な見どころ。また、あじさいの時期には、多種多様なヤマアジサイを楽しめる散策路にも、多くの人が訪れます。

境内を上がったところには、石窯パンが人気の洋館レストラン「石窯ガーデンテラス」もあり、ランチ時には人気です。さまざまな魅力のあるお寺ですので、ぜひゆっくりと時間をとって訪れましょう。

浄妙寺へのアクセス、併せて訪れたいスポット

浄妙寺は、鎌倉駅から歩いて40分ほど。まっすぐ浄妙寺を目指すなら、鎌倉駅からバスで向かいましょう。鎌倉駅東口から京浜急行バス「鎌倉霊園正面前太刀洗・金沢八景行き」もしくは「ハイランド行き」で約12分、「浄明寺」下車すぐ。

併せて訪れたい周辺スポットは、竹林で知られる報国寺や、鎌倉最古の寺とされる杉本寺などがあります。このエリアでは報国寺が混み合いやすいので、プランニングのコツとしては、朝の早い時間に報国寺を訪れ、その後に周辺の見どころを巡るとスムーズです。

報国寺のガイドは別記事にてご紹介していますので、そちらもあわせてご覧ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/07/11 訪問

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