青森駅から青い森鉄道で20分。しかも鉄道停車駅が街の真ん中にあるという便利なアクセスと、むつ湾と山に囲まれた自然あふれる環境を生かした浅虫温泉は、平安時代から続く歴史ある温泉地です。
その温泉地の山側に位置する椿館は、観光経済新聞社が年1回行う人気温泉旅館ホテル250選に選ばれ、2007年に5つ星を獲得するという浅虫温泉の中でも人気の高い温泉宿。400年の歴史が館内のそこかしこに感じられます。
県内の温泉で一番最初に『飲める温泉』の許可をとり、源泉料理等が楽しめるのも椿館の魅力のひとつ。エントランスには、『飲む温泉』と書かれた木枠のボックスがあり、中には飲料用の温泉が出る蛇口と竹のカップが設置されているので、文字通り温泉を飲むことができます。
無臭でくせもなく「ちょっとミネラルを感じるぬるいお湯」という印象。アルカリ性単純温泉の飲泉は、血中の尿酸を尿から排出して尿酸値を下げるので、痛風や食べすぎに効果的です。
名誉市民の提灯を掲げ、椿館の前にどーーんとそびえたつ巨大な人。実はこれ、青森出身の世界的版画家として知られる棟方志功の人形ねぶた!ねぶたの発祥地と言われる浅虫ならではの表現です。
昭和十六年頃より毎年夏にこの椿館に家族で宿泊し、いくつもの作品を生み出したといわれる棟方志功。椿館の温泉、椿の湯で体を清めてから作品作りに入ったそうです。館内にも至る所に棟方志功の作品制作風景の写真が飾られており、事前予約があれば、宿泊の方向けにオーナーが19時50分時から20分程度、ロビーで画伯についての話をする講話のイベントも行っています。
実は他にも、椿館を愛していた作家として知られるのが、かの有名な太宰治。棟方志功と同じく青森津軽出身の彼の小説「思い出」と「津軽」にも、椿館が描かれています。
椿館の誇る温泉・椿の湯は9本の自家泉源から湧き出る豊富な源泉を贅沢に楽しめる天然温泉。オレンジ色の光が灯る清潔感のある脱衣所を抜けると、ゆったりと湯の溢れる大浴場が目に飛び込んできます。
向かい側には5人寝転がることができる寝湯があるのですが、椿館の寝湯の深さは深すぎず浅すぎず丁度よく体の隠れる塩梅なので、ゆっくりじんわりお湯を楽しむことができます。しかも源泉掛け流しなんて、かなり贅沢。
大浴場・露天風呂・寝風呂・うたせ湯・飲む温泉(飲泉)と、お風呂のバリエーションも多く、心ゆくまで浅虫温泉の豊かな源泉を楽しめる椿の湯。泉質は単純温泉(低張性弱アルカリ性高温泉)で、美容効果も有り、湯冷めしにくいのが特徴です。
大浴場奥の扉を開けると、すぐ目の前には石造りの露天風呂。周囲を藁の衝立と屋根で覆った露天風呂は、風が木の葉を揺らす音だけが漂うような静けさに包まれていて、椿館の歩んできた歴史のはるか昔にタイムスリップしたような感覚を味わえます。
源泉なので湯の花が舞っていますが、それもまた一興。森林浴をしているような静けさを楽しみながら、椿館を愛しこの湯に浸かった先人達に思いを馳せる、贅沢な時間を楽しんでください。
浅虫温泉集落の奥にある浅虫川に設けられた浅虫ダムは、別名「ほたる湖」と呼ばれ、ほたるの生息地としても親しまれています。ダムと言っても高さが9mと、とても低い湖のようなダムなので、散策路として整備された周囲2100mをのんびり歩く言い散歩道でもあります。
自然に包まれたこのほたる湖は、毎年7月上旬〜下旬にはたくさんの蛍が見られるとのことで、“ほたる鑑賞会”が行われています。椿館から少し足を伸ばして、一面の星空の下、ほたるの光が舞うロマンチックな夏の夜を楽しむのもいいかもしれませんね。
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(2025/2/17更新)
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