見たらがっかり?千葉「鎌ヶ谷大仏」って一体ナニ

見たらがっかり?千葉「鎌ヶ谷大仏」って一体ナニ

更新日:2017/08/12 17:27

赤木 リンのプロフィール写真 赤木 リン
大仏といえば奈良の大仏、鎌倉の大仏、牛久大仏など、どれも“大”な“仏”の名のとおり、大きくて立派で重厚なものばかりですね。しかし千葉県には、その姿を見た人の多くが“がっかり”してしまうという、「鎌ヶ谷大仏」があるのをご存知でしょうか?

ありがたいはずの大仏なのに、見たらがっかりなんて言われてしまう気の毒な大仏さま。鎌ヶ谷市へ行って実際に見てみませんか?

日本で唯一“大仏”が駅名についた最寄り駅

日本で唯一“大仏”が駅名についた最寄り駅

写真:赤木 リン

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北海道日本ハムファイターズ二軍の本拠地「ファイターズスタジアム」でおなじみの千葉県鎌ケ谷市は、梨園が多いことでも知られるのどかなベッドタウン。

そんな鎌ヶ谷市で会うことができる“がっかり大仏”の最寄り駅は、その名もズバリ、新京成線「鎌ヶ谷大仏駅」。日本中にたくさんの大仏がある中で、何とここは日本で唯一名前に“大仏”がついた駅なんです。ちなみに関東の駅100選にも選ばれており、その選定理由は「駅前の阿弥陀如来像の大仏にちなんで付けられた、歴史を感じさせる駅名」だから。

駅名にまでされるのにがっかりなんて、どんな大仏さまなのか期待が膨らみますね。

素通りする人続出なんです

素通りする人続出なんです

写真:赤木 リン

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鎌ヶ谷大仏駅北口を出て、横断歩道を渡って右折し徒歩1分弱。塀で囲まれた墓地が見えてきます。鎌ヶ谷大仏はその墓地の中にいますよ。写真をよーく見てください。「あれ、何か仏像があった気がするけど、大仏は?」と通り過ぎないでください。ストップストップ!そう、それです!

コレが鎌ヶ谷大仏!

コレが鎌ヶ谷大仏!

写真:赤木 リン

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そうなんです。“がっかり大仏”の正体は、大仏なのに小さい、ということなんです。高さは何と1.8メートル、台座を含めても2.3メートル!隣に写っている子供の身長が105センチなので、比べてみるとその小ささを感じていただけるのではないでしょうか。

大仏の定義は諸説ありますが、一般的に像の高さが1丈6尺(約4.85メートル)以上の大きな仏像、とされています。その定義からは外れていますが、石碑や案内板、さらには駅名までも「大仏」と表記していますので、誰が何と言おうと大仏なのです!

意外と古い、鎌ヶ谷大仏の歴史

意外と古い、鎌ヶ谷大仏の歴史

写真:赤木 リン

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鎌ヶ谷大仏を建立したのは、大国屋(福田)文右衛門という商人。祖先の冥福を祈るため、安永5(1776)年11月に建立しました。大仏の開眼の際には、福田家から大仏墓地までの約327メートルの道路一面に琉球表を敷き詰めて、その道中を50人ほどの僧侶が音楽に合わせて練供養をしたと伝わります。

かつてここは鎌ヶ谷宿という宿場町として栄えた町。そんな宿場町の賑やかで楽しそうな情景が目に浮かぶようなエピソードですね。ちなみに鎌ヶ谷大仏は、昭和47年3月31日に鎌ヶ谷市指定工芸に指定されています。

名物大仏コロッケ&大仏メンチもぜひ!

名物大仏コロッケ&大仏メンチもぜひ!

写真:赤木 リン

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鎌ヶ谷大仏を堪能した後は、駅の反対方向に歩いてすぐのところにある「清田精肉店」で大仏グルメをいただきましょう!大仏コロッケと書かれたのぼりが目印です。混み具合などによりますが、揚げたてが提供される場合はぜひアツアツの内に!店内と店外にあるベンチでいただくことができますよ。

テレビなどでよく紹介されるのは大仏コロッケですが、大仏メンチもあり、どちらも名前の通り大仏の形をしています。さすが精肉店、見掛け倒しでなく味も抜群。大仏コロッケはホクホクなジャガイモとひき肉にしっかり味がついていて、ソースなしでもおいしくいただけます。そして大仏メンチはぎっしりと肉が詰まり食べごたえ充分、噛むたびに肉汁があふれるのでやけどに注意です!

“がっかり大仏”は、かわいがられる大仏さま

鎌ヶ谷大仏は“日本一小さい大仏”と紹介されることがありますが、1.8メートルに満たない大仏は全国に複数存在するため、正確には日本一小さいとは言えません。小さすぎれば大仏感が薄れ、そこそこのサイズなら特別感もないですが、鎌ヶ谷大仏は1.8メートルという、一般的な日本人男性と比べれば「ちょっと高いかな」という絶妙な大きさ。そして「駅名にもなってる」という期待値と実物のギャップ、人通りの多い駅前にひっそりと佇む感じが、そのがっかり感を際立たせます。

しかし、地元商店街では鎌ヶ谷大仏ストラップなるグッズも製作、鎌ヶ谷市に住むリスナーからの投稿によりラジオ番組でイメージソング『鎌ヶ谷大仏〜DIVE TO LOVE(だいぶ・つ・ラブ)〜』まで作られた鎌ヶ谷大仏は、大仏建立の時代から今もずっと地元民に愛され続ける、“かわいがられる大仏さま”なんです。

がっかりした後に、なんだかかわいく思えてしまう不思議な鎌ヶ谷大仏。ぜひ実際に見に行って、その複雑な感情を体験してみてください。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2016/07/02 訪問

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