写真:大宮 つる
地図を見る埼玉県東松山市葛袋(くずぶくろ)にある「化石と自然の体験館」。2016年4月にオープンした、東松山市が運営する化石発掘体験施設です。
ところで、「埼玉県って、なんの化石が掘れるの?」と思ってしまいますよね。なんと、“サメの歯”をはじめとした海洋生物の化石を発掘できるのです。これを聞き、“海なし県”の埼玉で海洋生物の化石を発掘できることに驚きを覚えた方もいらっしゃるのでは?
実は、今から約1500万年前から1000万年前、埼玉県のある場所は“海底”だった時代がありました。文字どおり、海の底……信じられないですよね!
海によって堆積(たいせき)した地層が、東松山市の西部から嵐山町・鳩山町にかけての一帯に。とくに東松山市の葛袋では、約1500万年前の礫岩層(れきがんそう)から、サメの歯などの化石が産出される地として広く知られています。
ちなみに、2015年にノーベル物理学賞を受賞した梶田隆章氏は同市出身。幼い頃から葛袋の地で化石発掘をしていたという話とか……!
写真:大宮 つる
地図を見る「化石と自然の体験館」は、まず建物に特徴があります。外観は“時間(とき)の駅舎”というテーマ。以前、この場所にセメントの材料を運搬するための線路が通っていたことがもとになっているそうです。その名残として、トロッコの線路が残っています。
内部は、“サメの骨格”をイメージして作られているとのこと。サメのお腹のなかで、サメの歯の化石などを発掘するという、なんともユーモラスな感じですね。
なお、化石の発掘というと、地層を掘るようなイメージを持っている方が多いかと思いますが、こちらの体験館では基本的に施設内で発掘をします。
写真:大宮 つる
地図を見る化石の発掘体験時間は、90分。最初に、専門家の方から東松山市の地層や化石について説明を受けたり、発掘の仕方を教わったりします。その時間は30分程度です。
写真:大宮 つる
地図を見るそれから、各自テーブルに戻り、発掘体験となります。1人あたりバケツ1杯分の化石を含む岩塊が準備されていますので、ふるいを使って発掘をしていきます。目を皿のようにして、化石がないか探します。
割りたい岩塊があれば、取り分けておきます。発掘体験の時間は約50分。岩塊を割る場合は、ふるいだけで時間切れとならないように注意しましょう。
写真:大宮 つる
地図を見る岩塊を割る場合には、屋外の体験スペースで行います。ハンマー、タガネを使って岩塊を割っていきますが、破片が飛び散って危険なことがあるため、保護メガネ、軍手をかならず着用します。
「岩塊のなかには化石がないだろう」と思ってしまいがちですが、岩塊から珍しい化石を発掘された方も。もし、土の中に化石が見つからなかったとしても、諦めないことが肝心ですよ!
写真:大宮 つる
地図を見る人によっては、大変レアな化石を何個か発掘している方がいる一方で、一つも見つけられない方も……。化石を発掘できるかは、運次第といっても過言ではないかもしれませんが、諦めずに根気よく発掘作業をしてみてくださいね。
発掘できた化石は基本的にお土産として持ち帰ることができます。ただし、貴重な化石が発掘された場合には、市へ寄贈となります。
※写真は“オオワニザメの歯”と“ホタテガイの破片”の化石です。
以上、東松山「化石と自然の体験館」についてご紹介しましたが、いかがでしたか?
本文で紹介したとおり、ふるいを使った発掘が中心になるため、小さいお子さんでも体験しやすいのが魅力です。また、施設内での体験ですので、雨の日でもできます。炎天下のなか外で発掘をして日射病・熱中症になるということもありませんよ。レアな化石を発掘できたときは、喜びもひとしおです!
化石の発掘体験は、事前予約制となっています。市のHP(関連MEMOにURLあり)から予約状況を確認のうえ、予約をするようにしてください。
<「化石と自然の体験館」の基本情報>
住所:東松山市坂東山13
電話番号:0493-35-3892
アクセス:関越自動車道の「東松山インターチェンジ」から車で10分。東武東上線「高坂駅」あるいは「東松山駅」で下車後、タクシーで現地へ。
備考:新しい施設のためカーナビで出てこないこともあります。その場合は、最寄施設である「葛袋神社(東松山市葛袋853)」を入力
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(2023/12/4更新)
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