写真:毎川 直也
地図を見る古民家カフェ蓮月は昭和2年に蕎麦屋「蓮月庵」として営業を開始し、1階は蕎麦屋、2階は旅籠、結婚式などの宴会場として使われていました。
大田区の池上という地域は門前町で、その参拝者に愛されて営業を続けてきましたが、2014年にご主人が高齢のため引退、この建物を今後どうするか検討した結果、2015年秋にカフェとして営業を再開しました。
90年という歴史を感じさせる外観は、誰もが一目見て驚嘆する見事な風格を放ち、第一回大田区景観まちづくり賞を受賞した経歴があります。ちなみに映画「ふきげんな過去」でも同様の名前「蓮月庵」として登場します。
写真:毎川 直也
地図を見る店内に入ってみると、左手にテーブル席、中央にステージがあります。テーブルと椅子は蕎麦屋として営業していた時のものがそのまま使われ、窓ガラスには「おそば」の文字、入り口上部には当時のメニュー表が残されています。写真中央の一段上がったところはもともと座敷席で、畳が敷かれてお膳が並んでいました。
ステージ奥には自由に読める雑誌の棚が置かれ、棚の上部には波佐見焼きの陶磁器を販売しています。その上部に飾られている絵は、画家の川瀬巴水の絵画。左の絵は蓮月の近くにある寺、本門寺、中央の絵は大田区北部の馬込が舞台です。
映画「ふきげんな過去」でよく見られた豆の皮を剥いているシーンは、ちょうど時計の奥のあたりで撮影されました。
写真:毎川 直也
地図を見る昭和の住宅らしい急こう配な階段を上がると、純和風の畳敷きの部屋になっています。写真のような部屋が3つ並び、普段は襖を開け放ち大広間として利用されています。こちらで飲食もできますし、横になって休憩することもできます。無料のWi-Fiが利用できますので、東京観光の情報収集、休憩の拠点としても活用できます。
また、前もって予約をすればレンタルスペースとして利用でき、会議や講演会の会場として借りることもできます。ちなみに写真の部屋は、映画「ふきげんな過去」では果子の部屋にあたります。映画同様、禁煙です。
写真:毎川 直也
地図を見るカフェらしいトーストセットやコーヒー、甘味も取りそろえる一方で、しっかりとしたご飯を食べることもできます。
こちらは「厚切り照り豚丼」。塩漬けにした豚肉を照り焼きにした、ボリューム満点のメニューです。豚肉はとても柔らかく、噛むたびに味がしみ出してきます。小松菜はゴマ油で炒めてあり、豚の旨み脂を和ませてくれます。右手のカップの中身は、豚を煮出した際に出ただし汁に、ネギと生姜で味付けしたもの。ほんのりと豚のうまみが広がり、ネギと生姜が脂っぽさを中和し、さっぱりと飲めるスープに仕上がっています。
写真:毎川 直也
地図を見る日中の爽やかで清涼感のある雰囲気とは打って変わって、日が暮れるとバーのような、落ちついた、重厚な雰囲気に変わります。
ビール、ワイン、日本酒、フルーツカクテルと各種アルコールを取り揃え、「ウィンナーの盛り合わせ」「おふくろのもつ煮」といったお酒に合う定番のメニューに加えて、思わずどんなメニューか聞きたくなる「お麩の唐揚げ 甘酢ソース和え」「ポポテテトトフライ」など、蓮月独自のメニューも存在します。
また、映画「ふきげんな過去」の上映にあわせたコラボメニュー「豆カレー」を期間、数量限定で販売しています。映画ではあまり描写されなかった豆を使ったメニュー、蓮月で味わうことができます。
蓮月のある池上という地域は、各寺社にある御朱印を集める七福神めぐりや、浅野屋、池田屋、相模屋といった、美味しい葛餅のお店が営業を続けていたりと、歩いていて和を感じられる場所です。
蓮月を旅の拠点とし、季節ごとに表情を変える街並みを歩いてみてはいかがでしょうか。来る前には映画「ふきげんな過去」を見ておくと、一層蓮月の滞在を楽しむことができるはずです。
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この記事を書いたナビゲーター
毎川 直也
風呂デューサーを名乗り活動しております、毎川直也と申します。大学時代から銭湯、温泉巡りにはまり、約800軒の風呂に入りました。仕事もお風呂関係の仕事に就き、風呂にはいる側としてだけでなく、風呂を沸かす…
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