写真:手塚 大貴
地図を見る2016年夏、世界中に多くの感動を届けてくれたリオデジャネイロオリンピック。そのメインスタジアムとなったのが、この「マラカナンスタジアム」です。陸上競技場ではなく、サッカー専用スタジアムがオリンピックのメインスタジアムとなったのは史上初のこと。
オリンピックでは、南米大陸に初めて聖火が灯された開会式のほか、閉会式とサッカー競技の決勝が、この「マラカナン」で行われました。日本人にとっては、開会式での日系移民の演出や、閉会式での次回東京大会へのオリンピック旗の引き継ぎ、東京大会を紹介する“安倍マリオ”などのパフォーマンスが印象深かったはず。
「マラカナン」は、2020年の東京大会へとオリンピックのバトンが渡された地として、日本人にとっても馴染み深いスタジアムとなりました。
写真:手塚 大貴
地図を見るかつては20万人もの観客を収容した「マラカナン」。現在では収容人数は約7万8千人に縮小されましたが、それでも世界屈指の巨大スタジアムであることに変わりはありません。スタジアムの中へ入れば、その巨大さに思わず感嘆の声をあげてしまうほど!
そして「マラカナン」のもうひとつの魅力が、その美しさ。鮮やかな緑が眩しいフィールド、黄色・青・白の椅子が不思議な模様を作る観客席、迫力ある映像を映し出す4つの大型ビジョン、緩やかな曲線が青空を切り取る円形の屋根・・・。美的要素が散りばめられた、「絵になる」スタジアムとなっています。
「マラカナン」の良さは、観客全体で一体感を味わえるところ。7万人を超える観客がひとつになって盛り上がる感覚は、実際に体験すると心震えるものがあります。
写真:手塚 大貴
地図を見るブラジルのサッカーの聖地として、多くの伝説が刻まれてきた「マラカナン」。なかでもこの地を代表する伝説となっているのが、1950年に起きた“マラカナンの悲劇”です。
その年、「マラカナン」で行われたサッカーワールドカップの決勝リーグ最終戦。ブラジル代表はウルグアイ代表相手に先制点を決め、ワールドカップ優勝をほぼ手中に収めたかに思えましたが、その後立て続けに失点を喫し、まさかの逆転負け。ブラジルが優勝を逃したことに「マラカナン」の20万人近い観客は衝撃を受け、自殺やショック死、失神する人が相次ぎ、サッカー史に残る大事件になりました。
そして2016年、リオデジャネイロオリンピックのサッカー決勝で、再び「マラカナン」のピッチに立ったブラジル代表。因縁のドイツ代表との試合はPK戦にまでもつれ込み、最後に蹴ることになったのはネイマール。
カナリアイエローに染まった「マラカナン」で、ネイマールの蹴ったボールはゴールに吸い込まれ、ブラジル代表は劇的勝利!その瞬間、「マラカナン」はブラジルの人々の歓喜の渦に包まれました。
悲劇の地から歓喜の地へ。66年の時を経て、ようやく「マラカナン」は、笑顔と歓声で溢れることになったのです。
写真:手塚 大貴
地図を見る様々な名試合が行われてきた「マラカナン」は、ブラジルを代表する名選手にとってもゆかりの深い場所。“サッカーの王様”と呼ばれたペレが記念すべき1000ゴールを達成した地であり、また日本代表監督も務めたジーコはこの地で333ゴールを決め、未だ破られていない「マラカナン」の歴代最多得点記録となっています。
さらに「マラカナン」の伝説はサッカーだけではありません。柔道家・木村政彦がエリオ・グレイシーを破った試合、18万人を動員したフランク・シナトラのデビュー30周年ライブ、ローマ法王ヨハネ・パウロ2世の大規模なミサ・・・。この「マラカナン」は常に歴史を動かす、伝説の舞台であり続けたのです。
写真:手塚 大貴
地図を見るリオデジャネイロを訪れた際にはぜひ足を運びたい「マラカナン」。スタジアムの入口には、ペレやジーコ、ロマーリオなど、ブラジル歴代の名選手の足型が並び、これを見るためだけでも立ち寄る価値があります。
オススメはスタジアムの見学ツアー。普段は立ち入れない選手控室やロッカールームを見学できるだけでなく、実際にフィールドの上に立つこともできるので、貴重な経験となるはずです。
また「マラカナン」は、CRフラメンゴとフルミネンセFCのホームスタジアム。サッカー観戦をして本場の雰囲気に触れてみるのもいいでしょう。
「マラカナン」へのアクセスは、地下鉄2号線のマラカナン駅もしくはサン・クリストヴァン駅から徒歩5分ほど。駅を降りれば、目の前にスタジアムの雄姿が見えるので、迷うことはないでしょう。
「マラカナン」は、歴史、知名度、大きさ、美しさと、どの点から見ても他に引けを取らない素晴らしいスタジアム。そして2016年、サッカーブラジル代表がオリンピックで初めての金メダルを獲得するという、“マラカナンの歓喜”の伝説がこの地に刻まれました。
リオデジャネイロを訪れたら「マラカナン」へ足を運び、あの悲劇、あの歓喜、そしてまたいつか起きるかもしれない新たな伝説に、思いを馳せてみてください!
この記事の関連MEMO
- PR -
トラベルjpで250社の旅行をまとめて比較!
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索
(2024/3/28更新)
- 広告 -