写真：SAORI GRAPH
地図を見るタイでは毎年11月頃に全土でロイクラトンというお祭りが開催されます。ロイクラトンは農業の収穫に感謝し、水の女神に祈りを捧げ、自らを清めるというお祭りで、紙やバナナの葉で作った灯篭を川に流します。このロイクラトンをチェンマイでは「イーペン祭り」と呼ぶのです。「チェンマイ・イーペン祭り」では美しいパレードが街中を3日間練り歩き、その様子を一目見ようと沢山の観光客が訪れます。また日が沈むと、自らの心身を清める為に花やロウソクで飾った灯篭（クラトン）を流し手を合わせます。
クラトンが川への感謝と祈りを捧げるのに対し、空に放つコムローイ（ランタン）は天上の仏様への感謝を捧げるもの。このコムローイを放つという習慣は実は「チェンマイ・イーペン祭り」ではなく、「イーペン・サンサーイ祭り」という全く別のお祭りに由来するものなのです。サンサーイというエリアで開かれていたお祭りが、近年チェンマイ・イーペン祭りの前後の時期に行われるようになり、「イーペン･サンサーイ祭り」と呼ばれるようになりました。
この「イーペン･サンサーイ祭り」はタマカーイという仏教集団主催で、読経や瞑想の時間があり非常に宗教色の強いイベント。それを、外国人観光客向けに参加しやすくしたのが「イーペン･ランナー･インターナショナル」です。タイ北部のランナー文化に親しみ、コムローイ上げが出来るこのイベントは完全チケット制。昨今の人気により、チケットの入手が困難になってきています。イーペン･ランナー･インターナショナルに参加される方は早めに旅行代理店等で手配される事をオススメします。
写真：SAORI GRAPH
地図を見るイーペン･ランナー･インターナショナルの会場となるのはチェンマイのメージョー大学の敷地内。会場に入ってからコムローイの打ち上げまでは3時間近くあるので、その間は屋台で軽食を食べることも出来ます。北タイ民族の紹介やダンスや文化の説明や瞑想など、ランナー文化に触れることも出来、参加者を飽きさせることがありません。
イーペン・ランナー・インターナショナルは仏教関係のイベントとなりますので、参加する際は長めのスカートやズボン、袖のある服装でご参加下さい。
写真：SAORI GRAPH
地図を見る辺りが暗くなってくると儀式が始まります。たくさんの僧侶がお経を唱え、会場全体で瞑想を行います。心身ともに清らかな気持ちになったところでいよいよコムローイの打ち上げ。会場では日本語MCもあり、丁寧にコムローイの打ち上げ方を説明してくれます。コムローイは大きいので数人で協力して上げましょう。
そしていよいよ打ち上げまでのカウントダウンが始まります。一番の絶景はこのカウントダウン直後！一斉に打ち上げた無数のコムローイが空にゆっくりと昇っていく光景はあまりに幻想的で思わず言葉を失ってしまいます。コムローイは続々と打ち上げられますが、無数のコムローイで見上げた夜空が埋め尽くされるのはやはりカウントダウン直後。このポイントは絶対に見逃してはいけません！
写真：SAORI GRAPH
地図を見るこのランタンによる絶景が注目された要因に、2010年に公開されたディズニー映画「塔の上のラプンツェル」があります。映画の中で描かれている、美しく輝くランタンで空が埋め尽くされるという幻想的なシーンを現実世界で実際に体験できるのがこの「イーペン・ランナー・インターナショナル」。
映画を観た人はまるでラプンツェルになったかのような気分になれるかも！？勿論、映画を観ていない人もイベント参加後に映画を観て再び感動に浸れること間違いなしです！
今回ご紹介したタイ・チェンマイの「イーペン・ランナー・インターナショナル」の2019年の開催日は11月11日です。タイ以外では台湾で2月に行われる「平渓天燈祭」も人気です。
国内では新潟の「つなん雪まつり」で近年スカイランタンが行われており、また2014年はアメリカ発の「ランタンフェスト」が8月20日に千葉県のドイツ村で開催されました。今後益々ランタンイベントが増えていくのではないでしょうか？
是非皆さんもイベントに参加し、感動の絶景を体験してみてくださいね！
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(2024/4/20更新)
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