チャーチル元首相の生家、オックスフォード「ブレナム宮殿」はイギリス貴族の華麗なる館

チャーチル元首相の生家、オックスフォード「ブレナム宮殿」はイギリス貴族の華麗なる館

更新日:2019/09/23 19:51

藤谷 愛のプロフィール写真 藤谷 愛 地方移住ブロガー
2018年のアカデミー賞で、辻一弘氏がオスカーを受賞し話題になった映画「ウィンストン・チャーチル」。イギリスの元首相として名高いチャーチルの生家は、イギリス王族以外が所有する唯一の宮殿です。しかもその規模は東京ドームの173倍という驚きの広さ!

ロンドンからの日帰りも可能。オックスフォード郊外に広がる約300年の歴史と美しすぎる自然を擁する世界遺産「ブレナム宮殿」をご紹介します。

現代に続く公爵家が所有する豪華な宮殿

現代に続く公爵家が所有する豪華な宮殿

写真:藤谷 愛

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「ブレナム宮殿(Blenheim Palace)」の華麗なる歴史は、1722年に始まります。建築した初代マールバラ公爵は、1704年にフランスと戦った「ブレナムの戦い」(現ドイツ・バイエルン州)で優秀な戦果を収めました。当時のアン女王はその褒美として、王家の土地と宮殿の建築費用となる24万ポンドを下賜したのです。

現代に続く公爵家が所有する豪華な宮殿

写真:藤谷 愛

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現在のイギリスにおいて王家以外で「宮殿」と名の付く建物を所有しているのはマールバラ公爵家のみ。また王室関連以外ではイギリス最大の邸宅で、1987年には世界文化遺産にも登録されています。

現所有者である第12代マールバラ公爵一家は別邸に住んでいますが、門番の方の話によると、度々宮殿を含む領地を管理したり宮殿内で仕事もしているとのこと。運がよければ公爵を見かけるチャンスもあるかもしれませんよ。

豪華すぎて落ち着かないダイニングルーム

豪華すぎて落ち着かないダイニングルーム

写真:藤谷 愛

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では実際に内部を見ていきましょう。巨大なドームをもつ玄関ホールには、代々のマールバラ公爵やその家族の絵画が飾られるなど、重厚な雰囲気がお出迎え。

豪華すぎて落ち着かないダイニングルーム

写真:藤谷 愛

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また、ダイニングルームは落ち着いて食事ができないほどの豪華さ!圧巻の絵画や、壁や天井に描かれているフレスコ画など、観光客も息をのむほどです。

宮殿内では、アンティークの家具や絵画、壁紙ならぬ「壁絹」など、細かい調度品もじっくり見学してください。なお、フラッシュ厳禁ですが写真撮影は可能です。

ちなみに、現在この宮殿を使用してのウェディング・プランもあります。本当に貴族のような結婚式を実現できますよ。

有名人が目白押しの、華麗なる一族!

有名人が目白押しの、華麗なる一族!

写真:藤谷 愛

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ブレナム宮殿は、第一次世界大戦から第二次世界大戦後まで活躍した、イギリスの元首相「サー・ウィンストン・レナード・スペンサー=チャーチル」の生家でもあります。宮殿内には、彼が生まれた部屋など貴重な資料が目白押しです。

有名人が目白押しの、華麗なる一族!

写真:藤谷 愛

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特に、彼の一生を辿った「チャーチルの間」は必見です。毎日観光客で長蛇の列ですが、その理由の一つが、チャーチルの「プロポーズ大作戦」の展示。彼がどのようにして意中の人「クレメンティーン」を奥さんに迎えたのか、ラブレターまで公開されています。あの気難しい顔のおじいちゃんの若かりし頃の思い出に、ご年配のご婦人方もうっとり。

有名人が目白押しの、華麗なる一族!

写真:藤谷 愛

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ところで、彼の名前を見て、ハッとした方もいるはず。そう、故ダイアナ・スペンサー元妃も、マールバラ公爵家の親戚筋なのです!写真は、公爵家ゆかりの方々の肖像や写真が並ぶ部屋で、ダイアナ元妃の写真も並べられています。まさしくブレナム宮殿を取り巻く「華麗なる一族」ですよね。

庭園のビュースポット「ウォーター・テラス」

庭園のビュースポット「ウォーター・テラス」

写真:藤谷 愛

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広大な宮殿内を見学した後は、順路に従って庭園に出ます。最初に目にするのが、計算されつくした「シンメトリー」のデザインを持つ「ウォーター・テラス」(写真)です。噴水や植栽に加え、所々に配置された古典スタイルの彫刻はヴェルサイユ宮殿を彷彿とさせるほど。庭園を挟んでの宮殿の風景は人気の撮影ポイントです。

また、こちらの庭園に面している建物にはカフェがあるので、ここで一度休憩を入れるのがお勧めです。

庭園のビュースポット「ウォーター・テラス」

写真:藤谷 愛

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ウォーターテラスから庭園に出ると、宮殿から見果てぬ地平線の先に、1730年に完成した、約120メートルの高さのある「勝利の柱」を見ることができます。さあ、ここから1日かけても制覇できない、庭園散策の始まりです。

とにかく歩くブレナム宮殿!お庭はたっぷり時間をかけて

とにかく歩くブレナム宮殿!お庭はたっぷり時間をかけて

写真:藤谷 愛

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広大すぎてその庭園すべてを見渡すことができないブレナム宮殿。その見渡せない敷地の中には、チャーチル元首相がクレメンティーンにプロポーズした場所などもあり、見どころはたくさん。

とにかく歩くブレナム宮殿!お庭はたっぷり時間をかけて

写真:藤谷 愛

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特に人口滝を見ることのできる写真の橋は、夏は美しい自然の色を楽しむことができ、クリスマス時期には幻想的なライトアップを楽しめる場所でもあります。冬は暖かい服装で、ブレナム宮殿のクリスマスイルミネーションをお庭でも楽しんでみてください。

とにかく歩くブレナム宮殿!お庭はたっぷり時間をかけて

写真:藤谷 愛

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四季を通じて緑が美しい敷地には、ピクニックに来ている人たちもたくさんいます。大きな木々の中には『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』に登場した木のほこらもあり、ハリポタファンや子供たちにはお勧めの場所です。

庭園にはいくつかの散策ルートがありますが、その内の2ルートと宮殿内の見学で、少なくとも4〜5時間は見ておいたほうがよいでしょう。

「人が建物を作り、建物が人を作る」

第12代マールバラ公爵は、この建物を入場料金やイベントなどで維持しています。芝生や木々の末端まで手入れが施されている細やかさや、宮殿内部の歴史的遺産の保存など、その努力を全ての面で体感できる素晴らしさです。チャーチル元首相は、“We shape our buildings; thereafter they shape us...” (人が建物を作り、建物が人を作る)という言葉を残していますが、まさにこの素晴らしい宮殿が人を動かしている、と言っても過言ではありません。
ぜひ一度訪れてみてください。

〈ブレナム宮殿の基本情報〉
住所:Woodstock, Oxfordshire OX20 1PP
電話番号:+44-01993-810530
アクセス:オックスフォード鉄道駅からバスS3で約30分

2019年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

*「関連MEMO」にはブレナム宮殿のクリスマスイルミネーションイベントや、オックスフォード最古のパブと伝統料理を紹介した記事があります。宮殿見学後の食事の参考にどうぞ。

掲載内容は執筆時点のものです。

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