写真:花月 文乃
地図を見る奈良町からくりおもちゃ館には、奈良大学名誉教授の鎌田道隆氏から奈良市に寄贈された 江戸時代からの復元からくりおもちゃに、各地の郷土玩具や昔懐かしいおもちゃを加えた、合計約600点のおもちゃが所蔵されています。
からくりおもちゃは約200点、2ヶ月に1度展示替えをしながら、常時30点ほどのおもちゃを手にとって遊ぶことができます。
館内には、スタッフがいて遊び方について説明してくれます。からくりおもゃにはそれぞれ、おもちゃの名前と説明がかかれているので参考にしてくださいね。入場は無料です。
写真:花月 文乃
地図を見るのぼり人形は、両手にもったひもを交互にひいていくと、人形がスルスルと上にのぼっていきまます。ひもをゆるめると反対に、人形がストンと手元に落ちてしまいます。
人形の動きが面白くて、何度でも人形を上にのぼらせたり、落としたりしてしまうでしょう。おもちゃで、遊んでいると時のたつのを忘れてしまいます。
写真:花月 文乃
地図を見る鞘絵 は、ヨーロッパから日本に伝わり、江戸時代の中期に流行したトリックアートです。鞘絵と呼ばれたのは、円筒形の鏡の代わりに刀の鞘を磨いた曲面をスクリーンにしたことに由来します。
初め机の上の絵を見た時、何が描かれているかさっぱり分からなかったのですが、近くにおいてあった鏡のような円筒形の筒に映る絵をみると納得。それにしても、この元絵はどうやって考えて描いたのでしょうか?とっても不思議ですね。
写真:花月 文乃
地図を見る頬かぶりは、柄の下から出た軸を引くと、人形が白目になったり、舌をだしたり…その表情をみるのが面白い、からくりおもちゃです。
まるで、”あかんべえ”をしているようにみえます。関西では、”あかんべえ”を”べかこう”と呼ぶことから、このからくりおもちゃは”べかこう”とも呼ばれました。
おもちゃの顔の表情だけでなく、どうして頬かぶりしているかも気になります。おもちゃが、考案された時代風俗を表している可能性がありますね!
写真:花月 文乃
地図を見る奈良町は、710年の平城遷都に伴い世界遺産・元興寺を中心に広がった、江戸時代から明治にかけての町家が多く立ち並ぶ古き良き日本の風情を感じることのできる地域です。
奈良町からくりおもちゃ館の建物は、明治期に栄えた「松利」という料理やの離れとして建てられ、伝統的な奈良町の様式をとどめることから、奈良市の都市景観形成建築物等に指定されています。
また、奈良町からくりおもちゃ館のある陰陽町は、陰陽師たちが昔住んでいたことからつけられた町名で、ここでは庶民が最初に手にした奈良暦(南都暦)がつくられていました。
隣の鎮宅霊符神社には陰陽師の神として信仰される天御中主神が祀られています。
コンピューターゲームやインターネットの世界にない、和紙や竹・木材の素朴な質感と昔の人たちの工夫や発想力に触れるのは、いい刺激になりますね。実際に、今、身近にある素材で何か子供達のためにおもちゃをつくってくれといわれたら…、少しとまどってしまいます。
からくりおもちゃのしくみをもっと知りたい、つくってみたい!という人たちのために、からくりおもちゃの制作体験講座が、毎月1回、土曜日または日曜日に開かれています。
これを機会に、からくりおもちゃの世界にふれてみませんか?初めは体験講座から、次は自分でオリジナルのからくりおもちゃに挑戦するのも面白いですね。詳しくは、サイトから申し込みが可能です。
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この記事を書いたナビゲーター
花月 文乃
民俗芸術、暮しと道具、伝統工芸など生活に根ざした土地固有の美意識に魅力を感じます。人々の暮らしと道具・伝統工芸・地域文化・仏教美術・宗教観に興味があります。
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