写真:野口 まさゆき
地図を見る地層の所在地は市原市田淵地区の養老川沿いです。車の場合は、小湊鐡道に沿って国道297号線から県道81号線(通称「清澄養老ライン」)に南下していきます。牛久市街地から15分くらい走り、「クオードの森」の標示板を通り過ぎてしばらくすると「チバニアン」の看板が出てきます。ここを右折して坂を上っていくと、約200メートルくらいで左側に駐車場が現れます。
駐車場に隣接して「チバニアン・ビジターセンター」があります。仮設の小規模なものですが、ここで地層に関する情報を事前に収集しましょう。
写真:野口 まさゆき
地図を見る館内には地磁気の逆転に関する説明パネルや地層・化石の標本などが展示され、ビデオの放映、そしてパンフレットも置いてあります。常駐しているガイドの説明を聞くと理解が深まりますよ。地層までの見学ガイド(有料、所要60分)については事前の予約申込制です。
周辺には飲料自動販売機やトイレがあり、準備を整えて出発しましょう!
<チバニアン・ビジターセンター>の基本情報
住所:千葉県市原市田淵1157
受付時間:9時〜16時
TEL/FAX 0436-96-2755
休館日:木曜日(祝日の場合は前日の水曜日)、年末年始
なお、地層へのアクセスは小湊鐡道の利用もおススメです。最寄り駅の月崎駅から地層までは歩いて約30分です。
詳しくはLINEトラベル.jpの「里山トロッコ号に乗ってチバニアンへ.!千葉県南市原が熱いぞ!」を参考にして下さい。
写真:野口 まさゆき
地図を見る養老川沿いの地層までは約500m、下り坂を歩いて10分の道のりです。この周辺は休耕田が続いていますが、今から6000年前より以前は養老川が大きく蛇行して流れていた場所で、その形跡が「河岸段丘」として残っています。陸地の隆起と川の浸食が繰り返されたことで階段状の地形が出来上がったのです。
写真:野口 まさゆき
地図を見る段丘崖といわれる右側の崖には小石が並んで露出した箇所があります。ここは約6000年前の川底で、川の流れで削られて丸くなった小石の断面が見られるんです。気が遠くなるような過去の出来事がこの地形に現れているんです!
写真:野口 まさゆき
地図を見る坂を下りきると養老川に注ぎ込む小さな川に出合います。蛇行していた頃の川の名残りで、今は農業用水路となっています。ここには手掘りのトンネルと水流で作られた丸い甌穴(ポットホール)が見られます。このような地形は地質が柔らかい房総半島の特徴なんです。
写真:野口 まさゆき
地図を見る地層へ下りるルートには案内看板が整備されていますが、「すべってもころんでも自己責任」の文字も。十分に気をつけて進みましょう。
養老川の流れに出て、川沿いを20mほど慎重に歩くと目的地の地層が出現します。少し苔むした茶色い崖が直角に切り立ち、人を寄せ付けないような雰囲気があります。約6メートルの高さの崖は約一万年分の地層が積み重なっているんですよ!崖に近づいて正面からじっくりと地層を見てみましょう。
写真:野口 まさゆき
地図を見る地層の左側の階段を上ると赤、黄、緑の杭が打たれています。これらは地層を試料として採取・分析した跡で、当時の地磁気の方向で色分けされています。最下部の赤の杭の部分が地磁気が逆転していた時代、上部の緑の杭の部分が現在と同じ地磁気の時代、黄色はその中間で不安定だった時代の地層です。また斜めに走る筋は「白尾凝灰岩層(Byk-E)」といって、77万年前の長野県の古御岳火山の噴火の際に堆積した火山灰層です。地球46億年の歴史の中で地磁気(N極・S極)逆転が何度か起こっており、77万年前の最後の逆転の痕跡がこの地層にはっきりと残っているのです。
地球の地質年代は現在117に区分されていますが、生物の進化や気候の変動、地磁気の逆転などが地層に現れている場所が世界で一か所だけ、地質年代の境界ポイント(GSSP=国際境界模式層断面とポイント)として認定されます。この地層が、77万年前の「地磁気逆転を表す地層」として認定され、12万6千年前までの時代が「千葉の時代(ラテン語でチバニアン)」として地球史に刻み込まれたのです。
少し難解かもしれませんが、世界的で唯一、しかも日本初の貴重なスポットであることは間違いありません。とにかく現地に行って観察してみましょう!
写真:野口 まさゆき
地図を見る地層の目の前を流れる養老川の川底には、当時の貝の化石や生痕化石を見ることができます。写真の白い形の部分です。時間をかけて、よーく探すと発見できますよ。この場合は長靴着用が必須です。
写真:野口 まさゆき
地図を見る地層の前は養老川の流れと深い森に囲まれ、まるでパワースポットのような神秘的な雰囲気が漂っています。目をつぶって川の流れの音を聞きながら、時代を遡り瞑想にふけるのもよいでしょう。
なお、現地付近は川沿いを歩くので水量が多いときは長靴が必要です。また大雨の後などは増水して危険なので、ビジターセンターに問い合わせてから出かけてくださいね。
地層の話は理解できましたか?市原市のホームページでは動画で分かりやすく紹介されています。事前にご覧になってください。
また市原市の南部は田園風景が広がる里山エリアです。人気のローカル線小湊鐡道や、廃校を舞台とした国際芸術祭「いちはらアート×ミックス」、そして素敵なカフェやレストランもあります。
「地球の歴史を体感し、のどかな里山で心癒される」
そんな贅沢な一日を満喫してみませんか!?
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(2023/12/3更新)
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