600年以上続く秋の大祭!今治・菊間「お供馬の走り込み」神事

600年以上続く秋の大祭!今治・菊間「お供馬の走り込み」神事

更新日:2016/01/06 00:00

お供馬(おともうま)の走り込み。
その歴史は古く、源流は京都・上加茂神社に由来します。参道の馬場約300メートルを乗り子に扮した子ども(騎手)と神馬が一気に駆け上がる神事は全国的にも例を見ない珍しいものです。大祭ではその他に今治地方に伝わる「継ぎ獅子舞」の奉納や神輿の宮入り(宮だし)など見どころがたくさん詰まっています!今回は見る人を何度も驚かせるお祭りをご紹介!

鉢巻き、たすき掛けの凛々しい乗り子たちが参道馬場を勇壮華麗に疾走。

鉢巻き、たすき掛けの凛々しい乗り子たちが参道馬場を勇壮華麗に疾走。
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お供馬の走り込みは、京都の上賀茂神社(賀茂別雷(かもわけいかづち)神社)で行われる賀茂競馬(かもくらべうま)の神事の流れを汲む行事です。上賀茂神社の競馬神事は寛治7年(1093)、堀川天皇の発案で始まったとされています。競馬に使う馬は全国の荘園地から集められ、上賀茂神社の社領だった菊間町も馬を奉納しました。上賀茂神社とのつながりから、お御霊をご分霊して創設されたのが菊間加茂神社で競馬に倣って始められたのがお供馬の走り込みだといわれています。
ただお供馬の走り込みは競争が目的ではなく、家内安全、五穀豊穣を願う村の神事として出発したものです。なお、この神事は昭和40年に県の無形民俗文化財に指定されています。

「ホイヤー、ホイヤー!」の掛け声と共に人馬が一体となって参道を駆け上がる姿は圧巻。

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走り込みは朝8時過ぎから始まり、午前中は何度も繰り返し実施されます。最初は勢いよく走る神馬も終盤になると徐々に疲れて来ます。中には走る事を途中で止めてしまう馬もいますが、それでも最後の力を振り絞って走り切る馬に惜しみない拍手が贈られる光景は決して他の地域では見る事ができません。
乗り手の子ども達はこの日のために古式にのっとり海で禊ぎを行い練習を重ねます。またベテランの乗り子になると両手を手綱から離して走る姿も見る事ができます。

また多くの神輿は走り込みが始まる前に宮入りを済ませているのですが、中には走り込みの最中に神社に戻ってくる神輿もあります。その場合は都度、走り込みは中断され馬場を神輿に譲ります。神輿が神社本殿に戻った段階で走り込みが再開されます。神事が途中で中断する??なんてなかなか珍しい光景だと思いませんか?(笑)。必見は神輿の中に1基だけ今治地方では珍しい「牛鬼(うしおに)神輿」が存在しますのでそれも見逃す事は出来ません!

走り込み神事:毎年10月中旬ごろ

今治地方独特の獅子舞「継ぎ獅子」

今治地方独特の獅子舞「継ぎ獅子」
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継ぎ獅子は、人の方の上に立った子どもが獅子頭をかぶって舞う獅子舞のことで今治地方独特の伝統芸能であり、人を2人、3人、4人と上に高く継いでいくことから継ぎ獅子と呼ばれ、平成になった現在でも市内に20団体以上があり、それぞれの神社で行われるお祭りで継ぎ獅子を奉納、披露しています。

愛媛県の無形民俗文化財に指定されている継ぎ獅子は、“神様は天においでて、私たちを守っていただいている”伊勢の神楽から伝わったといわれ、五穀豊穣を願い「少しでも神様に近づきたい」という思いから、「三継ぎ」「四継ぎ」へと発展したとされています。

写真は池原地区の「三継ぎ獅子」。大祭では神様を正面に獅子舞を奉納。迫力あるシーンを何度も楽しむことができます!

大祭のクライマックスは神輿渡御!

大祭のクライマックスは神輿渡御!
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午前11時ごろ。
お供馬の走り込みが終わる頃に加茂神社境内に集結していた神輿の宮だしが始まります。
今年に41歳になった厄年輿丁(かきて)の神輿を先頭に参加したすべての神輿が馬場を練り歩きます。馬場では神輿の掻き比べが行われ、中には神輿同士が激しくぶつかり合う姿も。最後に各神輿が横一列になって掻き比べる様はまさに圧巻です。

写真は神輿同士がぶつかり合うけんか神輿の現場です。偶発的におきるけんか神輿がぶつかり合う音は凄まじく、それを楽しみに来る参拝者もたくさんいるほどです。

知る人ぞ知る。一日限定50個の手作り洋菓子は売り切れ御免の逸品。

知る人ぞ知る。一日限定50個の手作り洋菓子は売り切れ御免の逸品。
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菊間町浜地区にある「タバタヤ本舗」。

昭和3年創業の老舗和菓子店の名物は銘菓「鬼瓦」。
最中の皮部分は地元の名工(鬼師)がデザインを担当、見事な鬼瓦を和菓子に再現。中の餡部分は厳選された北海道産大納言小豆のみを使用。小豆の風味と愛媛産生ゆずの風味が見事に調和し、甘みを抑えた仕上がりは女性に人気の定番商品です。食べた感じは餡が適度なしっとり感を保っていて、丁寧に作られている事を感じさせる優しい和菓子の味でした。また皮の部分は食べていてもボロボロ落ちない所がベリーグ〜〜ッド!!

この銘菓に負けず劣らずの人気商品がこのお店にはあります!
和菓子屋さんが作った洋菓子「バナナボート」。
バナナが丸ごと入った洋菓子は一日限定50個の手作り商品です。理由は簡単!地元の朝獲り玉子のみを使用しているので「これ以上は作れない」と笑って答える店主さん。
ふんわり生地に絶品たっぷり生クリームが軽〜くて、口の中で見事にスッ!と溶けるような感覚かと思えばそこに甘〜いバナナの味が後からフッ!と入り込んでくる感じで美味しかったです!
和菓子と同様に無添加にこだわり素材の味をそのまま生かした人気の商品は予約電話が掛かってくるほどの逸品です。(画像は見易いように半分にカットして撮影しました)


銘菓「鬼瓦」:8個箱入り 1000円(1個 110円)
洋菓子バナナボート:1個 198円

迫力満点の人馬の走りを目の前でぜひ楽しんでください!

いかがでしたか?

お供馬の名称由来は、祭りのフィナーレとして神輿渡御(約1キロ先の御旅所まで)が行われる際に、走り込みに出た馬が「お供すること」からお供馬(おともうま)と呼ばれるようになったと言われています。
注目ポイントはお供馬を飾る装飾品にもあります。
鞍は乗馬用の皮鞍ではなく昔ながらの木鞍が使われるところがポイントで、木鞍の上に色鮮やかな布団を載せ、その上に乗り子がまたがります。乗り子の着る服装にも注目してくださいね!

掲載内容は執筆時点のものです。 2011/10/10−2013/09/25 訪問

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