奈良王寺「達磨寺」392の手を持つ千手観音の圧倒的存在感!

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奈良王寺「達磨寺」392の手を持つ千手観音の圧倒的存在感!

奈良王寺「達磨寺」392の手を持つ千手観音の圧倒的存在感!

更新日:2016/07/22 13:19

政田 マリのプロフィール写真 政田 マリ 仏像ナビゲーター

JR関西本線・王寺駅から南へ800m、国道168号線沿いにある達磨寺は6世紀後半の古墳の上に建つお寺です。歴史深い達磨寺の本堂に本尊として祀られている千手観音坐像は世にも珍しいお姿。強さを内に秘めた聡明なお顔や圧倒的なその手の数も目を引きますが、驚くのはこの手の一つひとつに嵌め込まれた輝く瞳!いつも見守ってくれるありがたい千手観音を最大限リアルに具現化したそのお姿に時を忘れて見入ってしまいます。

ここで出会った!?聖徳太子と達磨大師の伝説がお寺のルーツ

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写真:政田 マリ

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聖徳太子が飢えた人に身をやつした達磨大師に出会う『片岡山飢人伝説』が伝わる奈良・王寺片岡山山麓ではいにしえから人々が生活をし、1400年以上前に造られた3基の古墳群が現存しています。その中でも一番大きな古墳は先述の伝説と結びつき、達磨大師の墓として聖地化されていきます。その上にはお堂が建ち、鎌倉時代には伽藍が整備され『達磨寺』となり、斑鳩法隆寺や当麻寺などと共に多くの人々がお参りをする聖徳太子ゆかりの巡礼地のひとつとなりました。

衰退した際も数々の有力者のバクアップを受け復興を果たしてきた達磨寺(写真)。千手観音坐像が本尊として本堂中央に祀られていますが、そのお姿たるや!他の千手観音にはないお姿で圧倒的な存在感を放っているのです!

ただ数が多いだけではない、端麗な脇手に思わず見とれてしまう!

ただ数が多いだけではない、端麗な脇手に思わず見とれてしまう!

提供元:王寺町観光協会

http://www.oji-kanko.jp/famous-place/darumaji.html地図を見る

大きさ76.8cmの坐像の千手観音(写真)が新しく明るい堂内の奥中央にいらっしゃいます。両側に坐する聖徳太子像と達磨大師像よりもはるかに目を奪われてしまうその理由はなんといっても両側から広がるたくさんの手!千手観音はもちろん千本の手で人々を救ってくださるありがたい仏さまですが、通常仏像では42本で表現されます。ですが、達磨寺の千手観音像はもっと多くの手を持っているのは一目瞭然、その数はなんと392本です!造られた室町時代から現在までに失われた手もあるので、造像時には500の手を持っていたと思われます。

両肩から腰にかけて美しく整列した脇手が立体的3Dに差し出され、まるで観音さまから翼が生えたかのような幻想的なお姿。その手がどんな苦しみや悩みからも救ってくれることを表現したありがた〜いお姿なのです。

掌からギョロリ!輝く瞳は水晶入り

掌からギョロリ!輝く瞳は水晶入り

提供元:王寺町観光協会

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千手観音は千本の手と千個の眼、十一のお顔を持つことから『十一面千手千眼観音』とも言われます。千個の眼は掌にあり、通常千手観音像では彫眼(眼の形を彫りこむ)、あるいは簡易な形で墨で眼を書いたりして表現します。ですが、達磨寺の千手観音はなんと玉眼(水晶をはめ込む技法)で造られているのです!(写真)

玉眼はより人間の眼の輝きに近く見せる平安時代後期から使われ始めた技法で、鎌倉時代には多くの仏像に使われるようになりました。しかし内側を彫り込み水晶を中からはめ込むという技術と財力の必要な技法。そのため鎌倉時代に多く作られた仏像の玉眼は眼の部分2カ所のみです。それを惜しげもなく掌にも使用したことを考えると、願主の想いとそれをサポートする財力がいかに強大だったかがわかります。

達磨寺の千手観音像にはそれを知るための銘文が見つかっていないので、いつ誰がどんな想いで作らせたかが分かりませんが、お寺では時代としては室町幕府の援助を得ていた600年ほど前(室町時代)の作だと言われているので財力の面では納得できますね。

達磨寺ゆかり、王寺町のマスコットキャラクター『雪丸』が大人気!

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写真:政田 マリ

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達磨寺には聖徳太子の飼い犬だったという『雪丸』のものとされるお墓(古墳)が境内本堂の東北にあります。そこには江戸時代に雪丸像も作られ伝説とともに大事にされてきました。(現在は本堂南西に移動しています)

その雪丸が2013年に王寺町の公式マスコットキャラクターになりました。2014年にはゆるキャラグランプリで上位になり一躍有名に。ゆるキャラが多い奈良県の中でその知名度はウナギのぼりです!王寺駅周辺から達磨寺までは雪丸のイラストが要所で道案内をしてくれて参拝者を和ませてくれます。

そんな雪丸とふれあえるイベント『LoveLove雪丸らんど』が毎週土曜日にりーべる王寺東館で開催されていますので、是非そちらにも足を運んでみてください。白いふわふわの毛につぶらな瞳の雪丸に癒されますよ!

奈良・王寺町の歴史文化が凝縮された場所、達磨寺

奈良王寺町の達磨寺は長い歴史の中で幾多の荒廃復興を経験し、多くのサポーターの支援を受けながら現在に素晴らしい寺宝を伝えてくれています。6世紀の古墳あり、鎌倉時代、室町時代の仏像あり、江戸時代の雪丸像あり、その中でも今回ご紹介した千手観音坐像は細部までこだわり抜いた室町時代の技術が結集された見事な仏像で必見です!

現在は本堂にいらっしゃる千手観音ですが、以前は本堂隣の方丈に祀られていたといいます。その方丈が現在倒壊の危機に瀕しています。江戸時代に建てられましたが、柱が細く屋根が重いこともありここ数年で柱の傾きがかなり大きくなっています。王寺町ではなるべく早く修復作業に取り掛かるためにふるさと寄付金でサポートしてくれる方を募っています。何はともあれ、まずは達磨寺に足を運んでその歴史に触れ、392本の手に玉眼が嵌め込まれたゴージャスな千手観音をはじめとする素敵な文化財に出会ってみてください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/02/13 訪問

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