1DAY登山で人気「焼岳」長野〜岐阜 美しい山野草を見に行こう

1DAY登山で人気「焼岳」長野〜岐阜 美しい山野草を見に行こう

更新日:2016/07/25 09:53

長野県と岐阜県にまたがる標高2,455m、日本百名山のひとつでもある焼岳。上高地から眺める、噴煙を青空にたなびかせるその姿は美しく、写真や絵画に多く残されています。今回は活動を続ける火山とは別の一面である山野草の美しい山としての焼岳をお届けします。

色とりどりの山野草がお出迎え

色とりどりの山野草がお出迎え
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焼岳に登るルートは大きく分けて三つ、上高地から登るルートと、新中の湯ルート、中尾高原からのルート。今回は最短距離で登頂できる新中の湯ルートを歩きます。駐車場は10数台分ですが、登山口近くに停められる場所があります。登山口から頂上まで登りのコースタイムは2時間半。下山のコースタイムは2時間です。途中や山頂にもトイレはありませんので、登山口に着くまでにコンビニなどで済ませておくことをお勧めします。

遠くから見る焼岳の外観は火山特有の岩に覆われ樹木、草地が無い岩山と思われがちですが、登ってみると、その登山道には様々な種類の山野草が出迎えてくれます。ブナやマツ、高山ならではのシラビソ、コメツガなどの森の中を歩いていくと、木陰には花は白く、実は真っ赤で愛らしいゴゼンタチバナや、紫の美しいオヤマリンドウなどが咲いています。登山初心者の方は、山頂まで無理をしなくても、途中までに咲くお花を見ながらの散策で十分楽しむことができます。

天空の庭。幻想的な世界。

天空の庭。幻想的な世界。
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登山口から1時間少しで視界が開け、焼岳が現れます。ここからは森林を抜け、辺りは低いクマザサに覆われ、日当たりを好む様々な花が現れ出します。黄色いアキノキリンソウ、ふっくらと咲くヤマハハコ、タデ食う虫も好きずきのことわざにもなったタデの花など。

天気がよければ、頂上に近づくにつれ、眼下にはパノラマの下界が広がり、行く先には緑鮮やかに幻想的な山並みが現れます。足下は、頂上が近づくにつれ、高低差が大きく、傾斜が急になり、岩場となっていくので、注意して歩いてください。

荒々しい活火山の顔

荒々しい活火山の顔
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山頂付近にはいくつかの火山火口が残り、硫黄がフツフツと沸いています。湯気のような噴煙のようなものが立ちこめ、火口湖である正賀池が青く深い色をたたえています。北アルプスの中で唯一硫黄煙を吹き出す活火山である焼岳。硫黄のにおいがたちこめ、所々、岩が温かい場所があり地熱を肌で感じます。

噴気孔から立ちこめる湯気の成分は水蒸気ですが、近づくと高温で激しく噴出している場合もあります。直接吸い込めば呼吸器官を傷めたりしますし、十分に気をつけてください。

2つの山頂がある焼岳の最高峰は、標高2455mの南峰となっていますが、南峰は崩落が激しく、登山禁止。頂上火口湖も現在近づくことはできません。風が弱ければ、有毒なガスが溜まっている可能性もあります。火口湖の水はそうしたガスが溶融し怪しい美しさがあるのかもしれません。

地球の息吹を感じる山頂

地球の息吹を感じる山頂

焼岳は北アルプスの中で唯一硫黄煙を吹き出す若い活火山。シューシューと音をたてて色鮮やかな硫黄が噴き出す様子は登った人にしか見られない光景です。焼岳の噴火は1962年(昭和37年)の噴火が最後で、今後も再び噴火する可能性がありますので、気象庁の発表する噴火警報・噴火予報を確認してからお出かけください。

帰りは火山の恵みでほっこり

登山口から少し降りた所にある秘湯を守る会会員の宿、中の湯温泉。単純硫黄温泉の掛け流し温泉で露天風呂もあり。登山で疲れた体を癒してくれます。中の湯温泉の日帰り入浴は、【営業時間】12:00〜17:00。また、上高地へ行く釜トンネル手前にある、昔からのト伝の湯は秘湯中の秘湯!送迎で朝7:00から夕方頃まで営業。送迎の関係もあり、予約制で30分きざみです。気軽に立ち寄るのであれば、沢渡には無料の足湯もあります。

山野草の清楚な姿や、神々しい山々の景色。普段の現実とは違う世界に、他では味わえない、ほっこりとした時間がありますよ。熊鈴もお忘れなく。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/08/31 訪問

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