写真:miyoshi yuca
地図を見るベルリンのニーダーキルヒナー通り(Niederkirchner Str)には、当時ナチスのゲシュタポ(秘密国家警察)、SS(ナチス親衛隊)、SD(親衛隊情報部)の本部がありました。かつての建物は、敗戦後取り壊されてしまい今では残っていませんが、東西ドイツ統一後に跡地の発掘調査が行われた際に発見された、ゲシュタポ本部の地下牢の一部が屋外展示場として利用され見学できるようになっています。
写真:miyoshi yuca
地図を見る長い間空き地のままだった敷地。この使い道については議論が交わされていました。ドイツ統一後、歴史の記憶を再確認する声が高まったことにより、ナチス政権の非行の数々の記録をきちんと後世に残し、歴史を繰り返さないためドキュメントセンターが新たに跡地に建設されました。
展示室には、主に写真や書類等の記録物が展示されており、ナチス政権がどのようにして発展していったのか、時系列で歴史を辿れるようになっています。いかにして恐怖政治のプロパガンダが国に浸透していき、結果として多くの人々が迫害されることになったのか知ることができます。
ナチス政治といえば、まず思い浮かぶのがユダヤ人虐殺。目を背けたくなるような生々しい記録写真は、決して忘れてはならない事実であることを訴えかけてきます。
写真:miyoshi yuca
地図を見る実際の跡地はあえて空き地のままにし、新たな建物は訪れた人々に余計な印象を与えないようシンプルで控えめに、できるだけ歴史に干渉しないデザインとなっています。建物の位置自体も通りから斜めになるよう位置されるなど、徹底的に中立性を尊重。建物の内部もシンプル、かつ透明性を心がけ、また建物のどこからでも外を意識できるよう、ガラス張りです。
ドキュメントセンターの建築デザインのコンセプトは「開かれた傷口」。跡地にきらびやかな建物を建てて歴史の傷口をふさいでしまうより、歴史そのものに目を向けてもらおうという狙いが感じられます。
写真:miyoshi yuca
地図を見るニーダーキルヒナー通り(Niederkirchner Str)沿いには、冷戦時ベルリンを東西に分断していたベルリンの壁の一部が200mほど当時のまま残されています。ここもドキュメントセンターの一部として見学することができますので、ぜひ見てみましょう。
「テロのトポグラフィー」ドキュメントセンターは、地下鉄U6「コッホ通り(Kochstrasse)」、またはSバーン/地下鉄U2「ポツダム広場(Potsdamer Platz)」からそれぞれ徒歩五分ほどです。毎日朝10時から午後8時まで公開されています。入場料は無料です。ガイド付きツアー(英語・ドイツ語)も無料で参加できるので、訪問の際はぜひチェックしてみてください。
ベルリンの良さは、街のいたるところで歴史の足跡が垣間見られること。ベルリンらしいお洒落なカフェやショップ巡りの間に歴史を学べば、よりベルリン観光を楽しめると思います!
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(2024/12/14更新)
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