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写真:花月 文乃
地図を見る茅葺き屋根の建物のベンチにすわって、搭乗をまちましょう。水郷めぐりは、先頭さん達が舟を手こぎでこいで案内してくれます。先頭さんたちも、自分たちの番が来るまで休んだり楽しく談笑しています。
自動販売機があるので、時間までお茶をのみながら、壁にはってある歴代訪れた芸能人や取材の写真をみたり、舟の安全と商売の繁栄を祈る独特な祭壇を観察したりするのも面白いですよ。
藁でできたお祈りかまじないの造形は、この地方で見られるもの。郷土博物館でも見られます。
船頭さん達の休憩室をのぞいてみましょう。部屋に、大きな手こぎ船の絵が飾ってあります。その絵には、“日本一おそい乗物 手こぎの舟 水郷めぐり”の文字がかかれています。下手ウマな絵がなんともいえないレトロ感をかもし出しています。
写真:花月 文乃
地図を見る搭乗場から舟に乗り込むと、ゆっくりと水郷めぐりへと出発します。舟には靴を脱いであがります。暑い日差しも屋根があるので、防ぐことができます。舟には6〜8人くらいで一緒に乗り込みます。
船頭さんのお話を聞きながら、舟はゆっくりと葦原の中を進みます。
葦は水辺でみることがあっても、湖畔側からみることはなかなかできないので、葦原の風景は水郷巡り特有のものです。葦原を舟で進んでいくのは、探検をしているみたいでわくわくします。
途中で他の貸切の舟や地元の人が乗っているボートともすれ違います。
すれ違うのは人間だけではありません。静かな琵琶湖の水面を手こぎの音を聞きながら進んでいくと、突如サギや水鳥たちが姿を現します。水面だけでなく、木の上からこちら側をみているなど、鳥たちの姿を至る所でみかけることができるでしょう。
こうなってくると、こちら側が鳥たちを観察しているのか、鳥たちが私達を観察しているのか、わからなくなってきます。自然の方が大きくて、人間のほうが後から入ってきた異質のもののようにも思えてきます。
水鳥の種類を知っているともっと、水郷巡りは面白くなります。中でも注目して欲しいのがカイツブリという水鳥。カイツブリは、琵琶湖に多く生息しているカイツブリ科の水鳥で、滋賀県の県鳥にも指定されています。実は、レッドリストにリストアップされている希少種なのです。
水郷めぐりの景観は、どこまでも広がる波一つない水面と雄大な自然、時々かいまみえる田んぼに水を引く水路のような土地に住む人たちの生活の姿、その中を悠々と舟に乗りながら進んでいくところに魅力があります。
湖に生息する野生の鳥達との予期しない出会いもそうですが、偶然同じ舟に乗り合わせた旅人たちと、先頭さんに導かれて人生のある時間を共有するところにも、一期一会の精神があるように感じます。
大きな山と木々、そしてどこまでもひろがる湖と葦原をみていると、鳥も人も舟も、その中に包みこまれていくような錯覚を覚えます。水郷めぐりでは、定年退職して先頭さんをする人、遠方から観光のためにやってきた夫婦、釣りを楽しむ地域の人、水面を泳ぐ水鳥達…と、色々な人たちとすれ違います。
琵琶湖が形成された時期は、約400万年〜600万年前といわれています。ここにいると、人間の決めたスピードや時の経過は、自然からみればどうということもなく、人間も鳥も同じく自然に包まれている、そんなことを感じさせてくれます。
先頭さんたちの部屋に飾られた“日本一おそい乗物 手こぎの舟 水郷めぐり”の文字がかかれた絵。現代では、速いことがいいことという価値観が浸透しています。しかし、たまには日本一おそい乗物で、乗り合わせた人達との会話と四季の自然を楽しむこともおすすめです。
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