写真:竹内 あや
地図を見るレモンカルキ(Lehmonkarki)があるのは、フィンランド第2の大きさを誇るパイヤンネ(Paijanne)湖のほとり。緑あふれる森の中に大小コテージが点々とたたずんでいます。一瞬、「レモンケーキ?」と聞き返してしまいそうな、可愛らしい名前ですが、実はフィンランド語で“シナノキ(菩提樹の一種)がたくさん植生している場所”という意味。湖を見下ろす高台、まさにシナノキに囲まれるようにしてコテージが建っています。
宿泊用のコテージは、カップルに最適な1ベッドルームのヴィラから20人収容可能な6ベッドルームのヴィラまで計15棟。いずれもプライベートサウナ付きで、24時間好きな時間にサウナを楽しむことが可能。暖炉のあるリビングルームをはじめ、冷蔵庫はもちろん、オーブンや電子レンジ、食器洗浄機、食器類がすべて整ったキッチン、バーベキュー器具まで整ったウッドデッキなど、まるで別荘に滞在しているかのような気分が味わえます。
湖へは、ウッドデッキから続く木製の階段を下りてすぐ。湖畔に沿って歩いていくとレセプションのあるメイン棟へとたどり着きます。すぐ脇には、サウナ用のコテージやジャクージ、ボート用の桟橋も。ここを拠点に湖や森へ繰り出し、自然の中でのアクティビティを楽しむことができます。
写真:竹内 あや
地図を見る食事はレストランで済ませるのもよし、食材を持ち込んで料理するのもよし。各自の滞在スタイルとその日の気分に合わせて選ぶことができます。
レセプションが入っているメイン棟にもレストランやカフェ、バーがありますが、ここから約2km離れた場所には一般にも開放しているロッジ風のレストランがあり、宿泊者を無料で送迎。季節に合わせたさまざまなコース料理も用意されていて、森や湖の食材をふんだんに使ったおいしい料理がいただけます。
また、森の中にたたずむハンティングロッジで山小屋風の食事を楽しむことも! レストランから食事を運んできてもらうことも可能ですが、釣ってきた魚でバーベキューをしたりもできます。
写真:竹内 あや
地図を見るフィンランドで、のんびりとした滞在に欠かせないのがサウナ。前述したように各コテージにもプライベートサウナが付いていますが、レモンカルキにはほかにもいくつかサウナコテージがあります。
まず目を引くのが、湖のほとりに迫り出すようにして建つガラス張りのサウナルーム。サウナ王国フィンランドでもほかでは見ることのない珍しい建物で、壁三面がすべてガラス窓という奇抜な造り。サウナ内に居ながらにして、同時に自然と一体化した気分が味わえるという不思議な空間になっています。
そして、そこから少し離れた場所に建っているのが、昔ながらのスモークサウナ。数時間かけて熱した薪で1000kgもの大量の石を温め、そこに水をかけて蒸気を作り出します。こちらはガラス張りのサウナとは対照的に、中は真っ暗。ほのかに燻された煙の香りが漂うなか、体の芯までポカポカにしてくれる蒸気が立ち込め、そのなかに無心で座っているといつの間にか心まで解放されていく気分。静かに瞑想するのにも最適な環境です。
目の前のウッドデッキにはジャクージもあり、サウナの合間にくつろぐことも。こうやってサウナに出たり入ったりしながら家族や友人とゆったりと過ごす――。それが、フィンランド流の最高の楽しみなのだとか……。仕事の打ち合わせや会議でさえ、ときにはサウナの中で行うというのだから驚きです。
写真:竹内 あや
地図を見る血行促進として、サウナに入っている間に使われるのが、ヴァスタ(地域によってはヴィヒタとも)と呼ばれる白樺の若枝を束にしたもの。枝で体を叩くことで肌を刺激するのですが、レモンカルキでは、より高い効果が期待されるヒノキ科のジュニパーを使ったトリートメントを受けることもできます。
ジュニパーは肌の細胞を活性させるだけでなく、解毒・抗菌作用、美肌効果もあるとのこと。スタッフのひとり、マリアさんはトラディショナルウィスカーまたはフォークヒーラーと呼ばれる昔ながらのサウナの効能をいまに伝えるインストラクター。伝統的なマッサージトリートメントの伝承者としても活躍しています。
まずは、サウナ内で体を温めながらジュニパーや木の実、ハーブなどを入れた湯に足を浸して足裏を刺激。次に、ジュニパーの葉のなかに顔を埋めてあおむけになります。その間、マリアさんがサウナ内の蒸気を調整しながら、ジュニパーの束で軽快に背中や足裏、頭部をマッサージ。ウッディ―調のさわやかな香りのミストが心地よく体に降り注ぎ、少し固めの若枝と葉が肌を刺激していきます。
さらにリラックス効果を得たければ、スパルームへ。骨の周りについている筋肉をやわらかくほぐしていくことで、徐々に骨を本来あるべき位置へと誘導。ストレッチなどを組み合わせることで、マッサージを施す側だけでなく施される側の力も加わり、より効果を高めることができるのだとか……。つらい肩こり解消にも期待できそうです。
写真:竹内 あや
地図を見る何もせずにゆったりと過ごすのも素敵ですが、体を動かしたくなったら大自然の中へ。手漕ぎボートで湖に繰り出したり、森の中を散策したり……。エンジン付きボートを借りて、遠くまで釣りを楽しみに行くことも可能です。
バスケットにランチを詰め、対岸の島へピクニックに出かけることもできます。実は、レモンカルキから車で約40分、広大な湖に浮かぶ細長い島はパイヤンネ国立公園に指定されている場所。レモンカルキから西へ10kmほどの所にある岬と約1500mの長い橋で結ばれていますが、ボートで行けばわずか15分ほどでたどり着くことができます。
南北約9km、面積141平方メートルほどの島には、いくつものトレイルが整備されていて、各自の体力に合わせてハイキングを楽しむことが可能。キャンプサイトも数カ所あるので、宿でテントなどキャンプ道具一式を借りて夜を島で過ごすこともできます。大自然に恵まれたこの島では、草花や鳥などの観察のほか、秋にはベリーやキノコ狩りも楽しめます。
まるで風の音さえもが聞こえてきそうな静寂が広がる大自然で、時間を忘れてゆったりと過ごす休日――。どこまでも透き通った青い湖と濃い緑に覆われたレモンカルキにいると、心身共にしだいにリチャージされていくのに気づきます。
因みにレモンカルキの由来となったシナノキの花言葉は“夫婦愛”。さらに目の前の湖で毎年秋に見られるツルは、生涯を同じつがいで過ごすことでも知られています。
ふたりだけの記念日を祝ったり、家族や親しい友人を呼んでウェディングセレモニーを行ったり……。ここは、ハネムーナーやフルムーナーのデスティネーションとしても最適の地なのかもしれません。
<アクセス>
ヘルシンキ国際空港から最寄り駅のラハティLahtiまで列車で約1時間。約30分おきに運行。ラハティからレモンカルキへは車で約30分。
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(2025/1/17更新)
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