写真:藤井 麻未
地図を見るケファロニア島は、サントリーニ島のあるエーゲ海の反対、半島を挟んで西側にあるイオニア海に浮かんでいる。端から端まで車で3時間程度あれば廻れてしまうが、そこは粗削りの自然、道路いっぱいに広がる羊の群れや長閑な漁村などの牧歌的な風景、そして他のどことも違う独特の青色をした海に恵まれた美しい島なのだ。日本ではまだあまり知られていないが、ヨーロッパの人々には絶大な人気を誇っている。
写真:藤井 麻未
地図を見るそんなケファロニア島にある、最も神秘的にして魅惑的な場所、それは島の東部にあるメリッサニ洞窟である。この洞窟内にあるのが言葉を失うほどに美しい地底湖だ。
この地底湖はなんと約数千年前からこの場所にひっそりと存在していた。しかし島を襲った大地震によって地上部分にぽっかりと穴が開いたことで、その存在が発見されたという。この穴からはギリシャ特有の強い日差しが差し込み、それによって洞窟内に光の柱を生み出している。そしてこの秘められた地底湖は完全なる透明度が保たれ、まるでこの世のものとは思えないほどの輝きを見せてくれる。
写真:藤井 麻未
地図を見るメリッサニ洞窟は入場料を払えば見学することができる。地上に造られた入口から洞窟の中へ降りて行こう。通路の暗闇の向こうには地底湖の水面が僅かに覗いているが、その水面はすでに眩いばかりの輝きを放って揺らめいているのだ。通路を下っていくにつれその青の輝きは強くなり、パッと洞窟内部が開けると、そのあまりの美しさに一瞬にして誰もが虜になってしまうだろう。
写真:藤井 麻未
地図を見る「妖精が棲む」という表現がまるで大袈裟に聞こえないくらい、洞窟の中には神秘の世界が広がっている。足元の湖面はインクを流したかのように鮮やかな青色。自然界にこのような青が存在するのだろうか。カプリ島の青の洞窟などともまた違った青なのである。
最深部は40m近くありながら水底まで透けている。驚くべき透明度だ。穴から差し込む日差しのお陰で水面の一部は色を変え、湿度の高い内部では頭上から雫がしたたり落ちる。その雫が湖面に小さな波紋を生み極彩色の光となって散ってゆく様子は、なんだか現実離れした世界のよう。時折、小鳥かコウモリか、何か小さな生物が頭上を飛び交い、不思議な鳴き声をたてる。
メリッサニ洞窟は4月以降秋口までのオンシーズンであれば、小型ボートで奥行160mある洞窟をクルーズすることができる。数千年前から存在するこの地底湖。大昔からここにはずっと、美しい水を湛えた神秘の湖が存在していたのだ。崩れた洞窟の天井や壁、眩い青の水面を身近に見ると、数千年前には地底に埋まっていた湖の上に、今まさに自分たちが浮かんでいるということが奇跡に思えてならないだろう。
イオニア海最大の島、ケファロニア島。今回は、そこにある美しく神秘的なメリッサニ洞窟をご紹介した。ギリシャはこれからますます太陽の輝きを増し、海の青さも際立つ季節に突入する。島には他にもケファロニアいち美しいといわれるビーチや太古の鍾乳洞、長閑な漁師町や、ヨーロッパセレブ御用達のカラフルなマリンリゾートなど魅力的なスポットが点在する。ぜひメリッサニ洞窟と合わせて訪れてみてはいかがだろうか。
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(2024/10/16更新)
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