嘉義県にあり、2016年7月現在阿里山森林鉄道の終点「奮起湖」。「奮起湖」という名前ですが、実は湖ではありません。この名前は、台湾語で盆地を「湖仔」と呼ぶことからきています。
地名の由来は、その地形、周り三方面を山に囲まれ、中央が平らになっていることを「ちりとり」に見立てて台湾語で「畚箕」と呼ばれていたことから「奮起」の字が当てられ、正式に「奮起湖」という名称になったと言われています。
その昔、阿里山森林鉄道を走っていた蒸気機関車は、「奮起湖」で機関車の牽引車を交換していました。そのためここで長時間停車していたので、阿里山へ向かう人々は必ずここで駅弁を買っていたそうです。これが、味もおいしく「奮起湖」と言えば駅弁!と言われるくらい有名になったきっかけです。
以前は上りも下りも全ての蒸気機関車が「奮起湖」で水や石炭を補充して、蒸気機関車の牽引車を交換していたので、「奮起湖」駅には、蒸気機関車が待機する車庫がありました。1985年頃この車庫は廃止され、現在は写真のように蒸気機関車の展示場となっています。18号、29号蒸気機関車や関連する写真パネルなどが展示されているので、昔の車庫にも是非立ち寄ってみてくださいね。
「奮起湖」駅を出て右側にある下り坂を下りていくと、「奮起湖」の物産やお土産などのお店が立ち並ぶ「老街(古い街並み)」があります。“南台湾の九フン”とも称される「老街」の下り坂を下りてしばらくすると、正面に見えてくるのが「奮起湖大飯店」です。
1967年頃から人気が出始め、列車が着けば、最高で1000個も売れたというのが当時「登山食堂」で販売していた“奮起湖便當”」。1982年阿里山公路開通により、お弁当が売れなくなる危機に陥りましたが、レクリエーション産業に転向した「登山食堂」は、宿泊施設を開業。その後「弁当王国」とも呼ばれた名を残すため再び“奮起湖便當”の販売を始めたのが「奮起湖大飯店」なんです。
「奮起湖大飯店」は宿泊施設だけでなく、入り口にお弁当販売所があります。ここでは中で座って食べることも可能。スープも無料でいただけます。
「奮起湖」でお弁当を販売する前は、列車に乗る人々は嘉義で弁当を買っていたのですが、朝嘉義で買ったお弁当は、お昼に奮起湖に着くと傷んでしまっていたのだそう。そんな中、当時おいしいあつあつのお弁当を提供したのが「登山食堂」。現在のお弁当も、当時を思わせるデザインのお弁当箱に入っています。
地元の野菜を使った付け合せと煮たまごに、豚肉と鶏肉が一つずつ入っています。とても柔らかい鶏のモモ肉は、阿里山烏龍茶でじっくり煮込んだもの。ここでしか味わえない味です。休日ともなれば、席がなくなるほどの人気なので、席がない場合はしばらく待つか、テイクアウトにして、駅などで食べてくださいね。
テイクアウトは折箱入りで100元、ホテル内で食べる場合は120元。ホテル内で食べる場合はアルミの丸いお弁当箱に入っていますが、お弁当箱の持ち帰りはできません。記念のステンレス製のお弁当箱も売られています。
奮起湖老街をめぐりながら、昔の阿里山森林鉄道を走っていた蒸気機関車に思いを馳せ、昔ながらの名物を味わうレトロな旅。皆さんも、阿里山森林鉄道に乗って「奮起湖」へ“奮起湖便當”を食べに出かけませんか。
「奮起湖大飯店」は二階がセブンイレブン。入り口には、二代目オーナーの白くて長い鬚を生やした林金坤氏の写真入りの看板が出ているので、すぐに分かります。
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