更新日:2016/08/19 17:06
平左衛門カフェの建物は、築およそ170年の茅葺き古民家。豪農などではなく、ごく普通の農家だったのですが、それでも十分に大きくて立派です。空き家となって傷んでいた家を再生した方法も変わっています。NPOが主催する村づくり学校に集まった人たちが、講師の大工さんから道具の使い方や作業方法を教わりながら、なんと10年もかけて楽しんで作ったのです。
完成した店舗には、鶏を飼うための床下のスペースや、根曲りの立派な梁がそのまま残されており、当時の生活を垣間見ることが出来ます。
また、メインのフロアは壁や天井を取り払ったことで、広々とした開放的な空間が誕生しました。
カフェを訪れたらまずは味わってほしいのが、オーダーの前に提供される「水」。実はこれ、ただの水ではありません。集落を流れる桑取川の湧水源から引いてきたミネラルウォーターなのです。
カフェを運営するのはNPO法人「かみえちご山里ファン倶楽部」。水源地に開発計画が持ち上がったことがきっかけで、自分たちの大切な森や水源を守ろうと、活動を始めました。
こうして守られた湧水を店まで引いてきて、コーヒーを入れたり料理に使ったりしているのですから、美味しくないわけがありません。オーダーしたものを待つ間にも、この水をじっくりと味わってみてください。
提供されるメニューは、野菜を中心になるべく地元で採れるものを使うようにしており、どれもおすすめなのですが、なかでも人気なのが桑取産青唐辛子を使った「平左衛門カレー(チキン)」。爽やかな辛さが印象的です。付け合わせには自家製味噌を使った大根漬け、きゃらぶきなどが並びます。
写真の端に写っているのは地元の苺を使ったラッシー風ドリンクです。スイーツも桑取産の米粉や生姜、かぼちゃなどを使って作られています。
さらにきまぐれメニューとして「お茶漬け」「素麺」「ポトフ」などもありますが、こちらは常時提供されているわけではないので、来店時にお品書きにあったらラッキーというレアなメニューとなるので、あらかじめご了承ください。
テーブル席でゆっくりするのも良いですが、カウンター席ではNPOのスタッフから面白い話が聞けるかもしれません。また不定期で夜の営業や音楽イベントなども開催していますので、ホームページやFacebookページをチェックしてみてください。
ちなみに2016年のナイトイベント「平左衛門BAR」は8月を除く毎月第1土曜日の夜、18時30分から開催です。
平左衛門カフェの庭には池があり、そこに東屋がたたずんでいます。さらにその先には水車小屋もあり、敷地全体がひとつの箱庭のような素敵な環境なのですが、実は周辺にも興味深い施設があるのです。
カフェから徒歩1分の場所にある古民家には、1階に木工クラフトを扱う「山の雑貨屋 りっぱこっぱ」が、2階には北欧や日本の名作椅子や地域の民具などを展示する「くわどり生活デザイン参考館」があります。
さらに先に進むと温泉宿泊施設の「くわどり湯ったり村」や、木工体験や森林散策が楽しめる「上越市くわどり市民の森」などの観光施設があるので、カフェを訪ねる際に一緒に楽しんでみるのもいいでしょう。
カフェ好き、古民家好きにはぜひ訪ねてほしい新潟県上越市「平左衛門カフェ」。店内はカウンターから広々としたテーブル席、2階には隠れ家のようなスペースや小上がり、東屋のテラス席まで、同じ店とは思えないほど様々なスタイルが楽しめるので、何度か訪ねてお気に入りの席を見つけるのも良いかもしれません。
電車をご利用の方は、えちごトキめき鉄道直江津駅から「くわどり湯ったり村」行きのバスに乗り、終点で降りると徒歩約10分で着きます。
営業日や営業時間が限られていますし、冬期は休業になりますので、事前にホームページなどで確認されることをおすすめします。
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