夜の闇に浮かび上がる!京都・壬生寺「盂蘭盆・万灯供養会」

夜の闇に浮かび上がる!京都・壬生寺「盂蘭盆・万灯供養会」

更新日:2016/07/20 18:06

古都の U助のプロフィール写真 古都の U助 ブロガー
本尊の地蔵菩薩信仰の寺として、また新選組ゆかりの寺として歴史ファンからも人気のある京都・壬生寺。見ごたえのある行事も多く、毎年8月に行われる盂蘭盆・万灯供養会が開催されます。特に期間中の8月9日、10日、16日には本堂前で六斎念仏が奉納される他、本堂、千体仏塔などに明かりが灯り幻想的な姿となります。
比較的観光客が少なく涼しい夕刻からの行事ですので、京の夏・日本の夏を味わうにはピッタリです!

壬生寺・本堂

壬生寺・本堂

写真:古都の U助

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壬生寺は近江国・三井寺(園城寺)の僧・快賢によって平安時代に創建された寺院です。本堂は昭和37年全焼し、惜しいことに本尊・地蔵菩薩も失われましたが律宗の本山・唐招提寺から別の地蔵菩薩が移され、昭和45年に現在の本堂の落慶法要が行われました。

壬生寺では毎年8月9日〜16日に盂蘭盆・万灯供養会が行われ、本堂は千個を超す燈籠に明かりが灯され美しい姿となります。また、境内の鐘楼では夕刻になるとご先祖(お精霊さん)をお迎えする為の「迎え鐘」が撞かれます。

また、壬生寺といえば中興の祖とされる円覚上人が行った大念佛会をルーツとする「壬生狂言」も有名ですが、盂蘭盆の際は本堂の前で、国の重要無形文化財に指定されている「六斎念仏」の奉納が行われます。

壬生寺・千体仏塔

壬生寺・千体仏塔

写真:古都の U助

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壬生寺の本堂の南側には、平成元年に作られた千体仏塔があります。およそ三千体ほどの石仏が円錐状に並び、こちらも迎え火と送り火の日程で灯りが灯され、幻想的な姿となります。

こちらの石仏は明治時代の京都の都市計画により、市内各地から集められたものです。また、壬生寺は古くから京都を代表する地蔵信仰の寺であることもあって、地蔵菩薩の縁日(新暦で8月23・24日かそれに近い日曜)には京都市内の多くの町内会などにこちらからお地蔵様が貸し出され、主に子供たちの為の法要を行います。
その為、盂蘭盆の直後の地蔵盆の時期は、千体仏塔に石仏があまり並んでいない、という珍しい姿となります。

幻想的な境内

幻想的な境内

写真:古都の U助

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夕刻から明かりが灯り幻想的な光景となる本堂の前では、比較的早い時間帯は六斎キッズの六斎念仏奉納が行われます。8月9日の精霊迎えの際には20時頃から「壬生六斎念仏」が、8月16日の精霊送りでは20時半頃から「中堂寺六斎念仏」が奉納されます。六斎念仏とは太鼓、鉦、笛といった楽器が演奏されるほか、獅子舞なども演じられます。

例年壬生、中堂寺とも行う獅子舞は、アクロバチックな動きが特徴で、特に獅子と土蜘蛛との決闘の場面で蜘蛛の糸が手から放たれる場面が圧巻です。

壬生六斎念仏講中のメンバーは祇園祭の山鉾の1つ、綾傘鉾の囃子方(はやしかた)としても活動しています。壬生六斎念仏では綾傘鉾巡行の際先頭を行く「棒振り」も披露され、長さ1・5メートルもの棒を巧みに操る様はさすがの見ごたえがあります。

本堂前にはほぼ十分な数の椅子も用意されるので、夕方など少し早めに行けば座って見学することができます。

その他に

境内にある夜泣き地蔵や水掛地蔵などは盂蘭盆・万灯供養会の期間中夕刻後もお参りいただけますが、近藤勇像などのある壬生塚へは夜間参拝は出来ませんので、ご希望の方は17時までにお参り下さい。

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/08/09 訪問

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