北海道「アルテピアッツァ美唄」はいつまでも残したい天国のような芸術広場

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北海道「アルテピアッツァ美唄」はいつまでも残したい天国のような芸術広場

北海道「アルテピアッツァ美唄」はいつまでも残したい天国のような芸術広場

更新日:2018/03/25 21:24

風祭 哲哉のプロフィール写真 風祭 哲哉 B級スポットライター、東海道完歩ブロガー、青春18きっぷ伝道師

北海道の中央部、美唄市の森の中に広がる安田侃彫刻美術館 アルテピアッツァ美唄。そこは北海道のゴールデンルートに組み込まれるようなメジャーな観光地ではありません。けれども季節や時間、天気などの条件が揃うと、まるでこの世のものとは思えないくらい美しい場所に変わるのです。

そしてここを訪れた人々の多くは、ギャラリーに置かれた雑記帳にこう書き残して帰ってゆくのです。

「いつか、また来ます・・・」

「アルテピアッツァ美唄」は閉校となった小学校が舞台

「アルテピアッツァ美唄」は閉校となった小学校が舞台

写真:風祭 哲哉

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美唄は、かつて北海道有数の炭鉱都市として栄えた町でしたが、炭鉱の閉山後は他の炭鉱都市と同様、町からは次第に人が去り、だんだんと活気が失われていきました。
この美唄出身で、世界的な彫刻家である安田侃(かん)さんが日本でアトリエを探していた際、美唄郊外の閉校となった小学校に出合ったことがきっかけで生まれたのが、このアルテピアッツァ美唄。

「アルテピアッツァ美唄」は閉校となった小学校が舞台

写真:風祭 哲哉

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子どもたちの懐かしい記憶がそのままに残されている木造の小学校舎跡、その一部に残っている小さな幼稚園で、時代に翻弄された歴史も知らず無邪気に遊ぶ子どもたちの姿。

「この子どもたちが、心をひろげられる広場をつくろう」

安田さんのそんな想いと、彼の思いに共感した多くの人々の尽力によって、この学校跡地を中心とした広大な敷地に、美しい彫刻美術館、アルテピアッツァ美唄が開館したのは1992年のことでした。

アルテピアッツァ美唄の広大な敷地には、世界中の安田作品が

アルテピアッツァ美唄の広大な敷地には、世界中の安田作品が

写真:風祭 哲哉

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「アルテピアッツァ」とはイタリア語で「芸術広場」という意味。
アルテピアッツァ美唄の広大な敷地には40点あまりの作品が配置され、それぞれが自然と溶け合いながら豊かな空間を創り出しています。

アルテピアッツァ美唄の広大な敷地には、世界中の安田作品が

写真:風祭 哲哉

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写真の彫刻は「妙夢」といい、安田侃さんの代表的な作品。
これにそっくりな白い彫刻が札幌駅のコンコースにあるのをご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか?実はこの「妙夢」という作品は、素材や大きさ、色、彫刻の配置の仕方など変えて世界中に展示されているのだそうです。安田さんの代表的な作品には同様の例がたくさんあるため、このアルテピアッツァ美唄に来れば、世界中にある安田さんの代表的な作品を一度に鑑賞できる、ということでもあります。

アルテピアッツァ美唄の広大な敷地には、世界中の安田作品が

写真:風祭 哲哉

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また、このアルテピアッツァ美唄にあるすべての彫刻作品は自由に手で触れることができます。そのため春や秋にはピクニック、夏は水遊び、冬は雪遊びにやって来る大勢の子どもが、こうしたアートの周りを無邪気に走り回る姿がみられます。

木造校舎や体育館も展示空間に

木造校舎や体育館も展示空間に

写真:風祭 哲哉

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炭鉱の閉山とともに近隣の集落が衰退し、1981年に閉校した美唄市立栄小学校。最盛期は1200人以上の子どもが通っていたこの小学校も、閉校時の在籍児童は62人だったそうです。
歴史あるその古い木造校舎や体育館は、このアルテピアッツァ美唄の屋内展示スペースとして活用されています。

木造校舎や体育館も展示空間に

写真:風祭 哲哉

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木造校舎の2階には安田侃彫刻作品の展示や企画展などが行われるギャラリーがありますが、これらはいずれも教室だった場所。柱には子どもたちの身長測定用だった木製のモノサシが埋め込まれていたり、廊下には校歌の歌詞が飾られていたり。
ここを初めて訪れた人でもどこか懐かしさを感じるのは、きっとここで過ごした子どもたちの記憶がこうして至るところに刻み込まれているからなのでしょう。
校舎のほか、体育館はアートスペースに改装され、安田侃彫刻作品が展示されているほか、イベントやコンサートなども開催されています。

木造校舎や体育館も展示空間に

写真:風祭 哲哉

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ところでこのアルテピアッツァ美唄ですが、なんと入場料はかかりません。施設の維持管理・運営は「アルテ市民ポポロ」と呼ばれる会員からの会費や寄附金などで賄われていますが、その運営は決して容易なものではありません。館内には施設の維持管理・運営のため、鑑賞者から任意の寸志を募る箱がありますので、ぜひ感動した気持ち分は寄附しておきたいですね。

芸術作品に囲まれた幼稚園も

芸術作品に囲まれた幼稚園も

写真:風祭 哲哉

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旧栄小学校舎の1階は、かつて栄小学校に併設されていた美唄市立栄幼稚園。小学校は閉校となってしまいましたが、ここは今も現役の幼稚園として使われています。
そして何ともうらやましいのは、この幼稚園の中にも安田侃さんの作品があるのです。子どもたちの小さな上履きが並ぶ靴箱の前や教室への入り口前にアート作品がごく自然に、あたりまえのように置いてあるのです。

芸術作品に囲まれた幼稚園も

写真:風祭 哲哉

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安田侃さんがここにアルテピアッツァ美唄を創ろう、と決意したきっかけのひとつが、この幼稚園に通う子どもたちの無邪気な笑顔に接したことでした。
「この子どもたちが、心をひろげられる広場をつくろう」
その願いどおり、子どもたちの歓声が今日も安田さんのアート作品を包んでいます。

アルテピアッツァ美唄は、史上最高の告白場所。

アルテピアッツァ美唄は、史上最高の告白場所。

写真:風祭 哲哉

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北海道の広大な敷地と自然豊かな森に包まれた、このアルテピアッツァ美唄には四季それぞれに天国のような美しい瞬間があります。

春、雪解けの土の匂いが、息吹の甘い薫りへと変わると同時に萌え出でる一面の若い緑。
夏、北国の太陽に精一杯照り付けられて、懐かしい匂いがする古い校舎の上に広がる空の青。
秋、昼の陽だまりが暖かく、夜の大地が寒いほど、濃密な色に染まる森の木々の赤。
冬、広場一面を覆った雪が発する「シーン」という音が聞こえてきそうな朝の白。

春夏秋冬、どの季節でもかまいません。もしあなたに好きだ、と言い出せない片思いの相手がいるのなら、よく晴れた日曜日の午前中に、ここに連れてくることをおススメします。そんな時間と空間をふたりで共有しているうちに、きっと自然に告白できてしまうに違いありません。

アルテピアッツァ美唄は、史上最高の告白場所。

写真:風祭 哲哉

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アルテピアッツァ美唄は、多くの魅力的な観光地があふれる北海道の中では決してメジャーな場所ではありません。けれども訪れた人々の多くが「また来ます」と書き残していく理由が、確かにここにはあるのです。

それは誰もが感じる懐かしさだったり、四季折々の天国のような美しい瞬間だったり、片思いから両想いになったばかりの恋人たちの記念の場所としてだったり、人それぞれ。
けれども、ここが「いつまでも残したい天国のような場所」である、ということは、訪れた全員に共通する思いに違いありません。

アルテピアッツァ美唄の基本情報

住所:北海道美唄市落合町栄町
電話番号:0126-63-3137
アクセス:JR美唄駅よりタクシー約10分または道央自動車道美唄ICから1.7km、約5分

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掲載内容は執筆時点のものです。 2014/10/12 訪問

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