栃木・加蘇山神社の神秘の巨木たち〜御神木の大杉と千本かつら

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栃木・加蘇山神社の神秘の巨木たち〜御神木の大杉と千本かつら

栃木・加蘇山神社の神秘の巨木たち〜御神木の大杉と千本かつら

更新日:2016/07/23 20:10

大木 幹郎のプロフィール写真 大木 幹郎 巨木マニア、低山登山家、ブロガー

栃木県で登山者に人気のある低山、石裂山(おざくさん)。古くから修験道の山として開山された霊山で、山全体が神秘的な雰囲気に包まれています。この山に、登山が目的でなくとも訪れるべき理由があります。それは巨木。山中には巨木が多く、特に素晴らしいのが、登山口の加蘇山神社にある御神木。社殿を囲む大杉の群れと奥ノ宮の手前に立つ「千本かつら」。栃木県の霊山で、神秘の巨木を巡るハイキングをご案内します。

加蘇山神社の巨木〜入口は大杉の門

加蘇山神社の巨木〜入口は大杉の門

写真:大木 幹郎

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石裂山(おざくさん)がある場所は、栃木県鹿沼市の北西部にある山間部。ここは、日光と接した前日光県立自然公園と呼ばれる区域で、北に標高1500mの山岳地帯、南に湿原や高原が広がり、そして東の一端に石裂山があります。石裂山は標高が約880mと低山ですが、山頂での展望が良く、鎖やハシゴの岩場が連続し、スリルと変化に富んだ、登山者に人気の山。

石裂山へは登山が目的でなくとも訪れるべき、見るべきものがあります。それは素晴らしい巨木。登山口にある加蘇山神社の社殿を囲む大杉の群れと、奥ノ宮へ続く山道の手前に立つ、御神木の「千本かつら」。神社から千本かつらまでは、山道を約30分、特に危険な場所はありません。清らかな沢が流れ、大杉が並び立ち、最後に御神木の大カツラとの対面。そんな神秘的な山道を歩く、気軽なハイキングを楽しめます。

最初にご紹介するのは、加蘇山神社の社殿を囲む大杉の群れ。このうち、特に巨大な3本の大杉が、市の天然記念物。写真はその3本のうちの1本、神社の入口に立つ大杉(注連縄が巻かれているもの)で、幹周6.4m、樹高51m、推定樹齢500年もの巨木。隣に立つ大杉も同等に大きく、加蘇山神社の入口は、素晴らしく背の高い大杉の門。そして、階段を登った先の社殿には、更に大きな大杉が待ち受けています。

加蘇山神社の巨木〜大杉が集う神殿

加蘇山神社の巨木〜大杉が集う神殿

写真:大木 幹郎

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加蘇山神社の社殿を囲む大杉の群れの中で、特に大きな鹿沼市の天然記念物である3本。先に紹介した1本は、神社の入口に立つ大杉(A)で、そして残りの2本が、社殿の脇に立っています。その2本は、写真の中央に立つ最大の大杉(B)と、その右側に立つ大杉(C)。二又の大きな御神木を囲む、大杉の群れは、まるで神殿の柱。山の霊気が宿っているような、神々しい雰囲気に満ち溢れています。

以下、大杉と神社の補足です。
【天然記念物の3本の大杉】
A杉:幹周6.4m、樹高52m、樹齢500年(入口)
B杉:幹周8.8m、樹高46m、樹齢800年(社殿脇)
C杉:幹周6.1m、樹高51m、樹齢500年(社殿脇)
(現地解説版より抜粋)

【加蘇山神社】
神護景雲元年(767年)に勝道上人が開山したと伝われる古社で、勝道上人は日光開山の祖でもあります。祭神は、磐炸命、根裂命、武甕槌男命の三柱。永承年間(1046〜53)には源頼義父子が奥州征伐の際、この社に戦勝祈願に参籠し、後に鎧、太刀を奉納したと云われます。奥ノ宮は、石裂山の中腹にある岩殿の中(神社から約1時間)。御神木の「千本かつら」は、奥ノ宮へ続く、沢沿いの山道の途中にあります。

山奥の沢沿いに立つ御神木「加蘇山の千本かつら」

山奥の沢沿いに立つ御神木「加蘇山の千本かつら」

写真:大木 幹郎

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加蘇山神社を囲む、神々しい大杉の群れを堪能されたら、社殿の先へ続く、沢沿いの山道へ進みましょう。約30分ほどで、カツラ(桂)の巨木「加蘇山の千本かつら」とのご対面。道中では、清らかな沢の流れと、点在する杉の巨木の姿が、目を楽しませてくれます。千本かつらが近くなると現れる、竜ヶ滝休憩舎(近くに小さな滝あり)の先で、道が2手に分岐。分岐から左(標識に千本かつら・奥ノ宮)へ5分も進めば、千本かつらの元へ到着。空の開けた谷間の奥、清流に根を浸す、山の主のような巨木とのご対面です。

なお、神社から大カツラまでの道中は、特に危険がありませんが、次の2点にご注意を。1つ目は、沢沿いの道のため、道が湿って滑りやすいので、滑り難く歩き易いしっかりとした靴をお履きください。2つ目に、ここは市街地から遠く離れた熊の生息地。単独での入山を避けたり、熊鈴など音の鳴るものを携帯ください。

「千本かつら」は2株から成る縁結びの御神木

「千本かつら」は2株から成る縁結びの御神木

写真:大木 幹郎

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千本かつらは、沢に沿って並び立つ2株の巨木で、古くから縁結びの信仰がある御神木。沢の上流と下流から見れば、その姿は1本に重なります。大カツラへ接近するには、沢の上流からが、段差が少ないので安全。下流側に立つ株のほうが少し大きく、幹周8m、樹高23m、樹齢1000年、県内でも最大級のカツラ(桂)の巨木。並び立つ2株の大カツラは壮観です。

石裂山の中腹で、清流に根ざした、山の主のような神秘的な大カツラ。山の谷間から、神秘のエネルギーが、巨木の形として噴出しているかのような姿です。山道を30分歩くとしても、見るべき価値は十二分! 撮影時期が11月のため落葉していますが、5月の新緑の姿も美しいものです。

石裂山への登山のご案内

石裂山への登山のご案内

写真:大木 幹郎

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加蘇山神社の大杉の群れと千本かつら、これらを巡る石裂山のハイキング。神社から片道30分で、道中に特に危険な場所はありません。でも、どうせなら、石裂山の山頂まで登ってみたいという方に、神社から石裂山と月山を巡り、周回して戻る登山ルートを簡単にご紹介。なお、岩場など危険箇所がありますので、登山初心者の方は、経験者に相談&先導の上で訪れてください(写真は東剣ノ峰のハシゴ)。

■中の宮跡(40分)
神社から約40分。竜ヶ滝休憩舎からは約20分。この先は「行者返し」の鎖のある岩場。ここで大きな危険を感じるようでたら、引き返しましょう。

■奥ノ宮(10分)
奥ノ宮のある岩殿の前の分岐。山頂へは左へ。右の奥ノ宮へは、岩の斜面に架けられた長いハシゴをの上を進む。傾斜は水平に近いので、進む姿勢は四つん這い。分岐から奥ノ宮へは往復約10分。

■ヒゲスリ岩(20分)
奥ノ宮への分岐から左へ、両側が切れ落ちた痩せ尾根へ回り込んで登り、大きな岩壁のヒゲスリ岩の前まで進む。足元が狭く、急斜面の登りもあるので、足元にご注意。

■主稜線出会(10分)
ヒゲスリ岩から岩壁の前に続く、金属製の足場のある細い道を進む。片側に深く切れ落ちているので足元にご注意。やがて広い斜面の坂へ出て、ここを登りきれば石裂山へ続く尾根上に。

■東剣ノ峰(10分)
石裂山へ続く小ピークの1つ・東剣ノ峰の先は、スリルを感じる長いハシゴの下り。次の小ピークである西剣ノ峰から先も、長いハシゴがありますが、こちらは急傾斜ではありません。

■石裂山(35分)
西剣ノ峰から先の、長いハシゴで御沢峠へ下ってから急登。尾根上へ出てしばらく進み、山頂と月山との分岐を左へ。

■月山(10分)
分岐へ戻り、北尾根を進めばすぐに月山。月山から竜ヶ滝休憩舎までの下山は約45分。東尾根に急坂を下った後、尾根上から杉林の中を南にジグザグに下れば、竜ヶ滝休憩舎の前に。神社まではあと約15分。

加蘇山神社の神秘の巨木たち

以上、加蘇山神社の神秘の巨木たちのご紹介でした。神社を囲む樹高50mにもなる大杉の群れは、聳え立つ神殿の柱のように、神々しい雰囲気に包まれています。そして奥に待っているのが、奥ノ宮へ通じる山道の途中、清流に根を浸す、山の主のような御神木の千本かつら。神社から片道30分、山頂へ登らずとも、神秘的な巨木と霊山の雰囲気を満喫するハイキングが楽しめます。自然がお好きな方、栃木県でハイキングをご予定の方、巨木にご興味のある方、加蘇山神社での巨木巡りをお勧めいたします。

なお、石裂山への登頂には、鎖やハシゴの設置された岩場、両側の切れ落ちた狭い尾根など、危険箇所を通過しますので、登山初心者の方は、経験者に相談&先導のうえで訪れてください。

石裂山を含む前日光県立自然公園は、登山にハイキングに人気のエリアです。登山では、北部にある標高1500m台の山、行者岳、地蔵岳、夕日岳への縦走がお勧め。ハイキングは、南部にある古峰ヶ原高原や、小尾瀬といわれる井戸湿原がお勧めです。詳細は、文末にある関連MEMOの「鹿沼観光だより」をご覧ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/11/22 訪問

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