写真:河東 壁
地図を見るミシュランガイド ソウル2017にも掲載され、予約必須のカンジャンケジャン専門店が「チンミシッタン(眞味食堂)」です。
写真:河東 壁
地図を見る韓国では、美味しいお店のことをマッチプといって、このマッチプを見つけるのが重要。地元の人に聞くと、カンジャンケジャンは渡り蟹の質と新鮮さが決め手で、ソウルで美味しいカンジャンケジャンを食べられるお店は限られているし、日本に美味しい店はない、ということでした。
東京・新大久保や大阪・鶴橋などのコリアンタウンも賑わい、わりと何でも揃う日本でも美味しいカンジャンケジャンに出会うのは難しいのです。
チンミシッタンは、韓国のテレビチャンネルtvNで、美食家の有名人たちが韓国のグルメや食の歴史について、毎回ひとつのテーマで語りつくす「水曜美食会」というテレビ番組でも、カンジャンケジャンの3大名店のひとつとして紹介されています。
写真:河東 壁
地図を見るチンミシッタンでは、カンジャンケジャンチョンシッ=カンジャンケジャン定食を人数分、予約時に注文しておきます。値段は一人前3万8000W(2016年6月時点)。最近では、渡り蟹の価格高騰で少し値段が上がっています。
チンミシッタンでは、美味しい時期に獲れた渡り蟹を急速冷凍し、特製の醤油ダレに漬け込んでいます。冷凍と聞いて「え?」と思うかもしれませんが、実際食べてみれば、冷凍とは信じがたい技術の高さを知ることができるでしょう。
カンジャンケジャンは、カニの足についている卵と身の部分を、ぶちゅっと手で押し出しながらかじりついて食べます。濃厚なカニの味と、濃厚な卵の味にからむ特製の醤油ダレ。
写真:河東 壁
地図を見る甲羅の部分にも卵と味噌がたくさん入っていて、温かいご飯を混ぜて食べると、ご飯泥棒と呼ばれるのも納得。
写真:河東 壁
地図を見るお店の魅力は、おかずの美味しさにもあります。席に着くとすぐに人数分のカンジャンケジャンの他、キムチ、ナムル、海苔などのおかずたくさん、チゲ、ご飯がテーブルいっぱいに並びます。
韓国ではこの数々のおかずの皿をパンチャンというのですが、基本的に食べきったらおかわり可能です。おかずは日によって内容が違います。例えば、ホバク(カボチャの仲間)の炒め物と、セリのナムル、きのこのナムルなど。
時期によっては、ソサン名産で王様の食卓にも上げられたという牡蠣の甘辛い塩辛=クルチョッカルもでてくるのだとか。
ケランチムは、あつあつできたて。卵を溶いて蒸したもので、茶わん蒸しの韓国版といわれることも多いです。
カニの出汁がきいたキムチチゲ。
写真:河東 壁
地図を見るそして、チンミシッタンといえば、ソサン産のカムテという海苔!独特の繊維質で、ごま油のと塩が磯の香りをぐっと引き立てます。カニの身と卵を混ぜたご飯を、普通の海苔、カムテ海苔の上にのせ、一緒に食べると最高です。カムテは6000W(2016年6月時点)で、お土産に買うこともできます。
市場やスーパーではなかなか売っていないので、もし気に入ったらその場で買うことをおススメします。ただ、1週間〜2週間ほどで変色して鮮やかな緑が失われると、同じく香りも減退してしまうので、まとめ買いができません。
カンジャンケジャンとご飯をカムテと一緒に。青唐辛子は結構辛いのでお好みで。
こちらのカンジャンケジャンは、韓国・忠清南道にある、ソサン市産のコッケ(渡り蟹)を使用しています。ソサンはオーナーの出身地で、ニンニクのほか、生の牡蠣を使った塩辛=クルチョッカルや、ご飯に牡蠣、栗、ナツメ、イチョウ、ニンニクなどを炊き込んだ、栄養牡蠣ご飯が有名。
渡り蟹は特産品ではなかったのですが、蟹の質の良さに定評があり、カンジャンケジャンに使うお店が増えたことで、ここ10年で知られるようになったそうです。
写真:河東 壁
地図を見るたくさんのおかずや濃厚なカニの味がビールや焼酎などのお酒のおともとして最高です。〆にはおこげのスープがでてきます。これは、土鍋やお釜でご飯を炊いた時にできるようなおこげの部分だけをお湯でふやかしたもので、想像通りの味です。
このスープにカニの醤油ダレを少しいれ、チョッカルと一緒にたべると、芳ばしいお米の味に甘さと辛さとうまみが加わって、お腹いっぱいでもするっと入ってきます。何となく口も胃もさっぱりするようで、満足度もアップするのではないでしょうか。
チンミシッタンは、その美味しさを証明するように、いつも人でいっぱいです。場所も移転し、人気がでて味が落ちるのでは、と心配されたこともあったようですが、今のところその心配には及びません。
普段食べられない美味しい味に出会うことも旅の楽しみ。カンジャンケジャンの名店「チンミシッタン」は、きっとその期待を裏切りません。一緒にでてくるたくさんのおかずも家庭的でとても美味しい。このカンジャンケジャンを目当てに、またソウルに行きたくなるようなお店です。
住所:ソウル特別市 麻浦区 孔徳洞 105-127
電話番号:+82-02-3211-4468
クレジットカード支払い:可、日本語:不可
アクセス:地下鉄5号線エオゲ駅4番出口から孔徳(コンドッ)駅
方面に歩いて徒歩5分。麻浦警察署のバス停から徒歩すぐ。
麻浦警察署の向かい側、S-OILというガソリンスタンドの左側のわき道に入る。
タクシーで行く場合は、麻浦警察署=マポキョンチャルソを目印に。
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この記事を書いたナビゲーター
河東 壁
元・旅行会社勤務ソウルに住んでいましたちょっとしたことを知っていると『人生すごく得する』ことがあります。そういうちょっと面白いことや、ためになること、おいしいものを紹介します。縁あってどなたかの旅のき…
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