夏旅にオススメ!京都市南部「歴史ミステリー」を巡る旅5選

夏旅にオススメ!京都市南部「歴史ミステリー」を巡る旅5選

更新日:2016/08/09 13:25

古都の U助のプロフィール写真 古都の U助 ブロガー
京都といってイメージするものは何でしょう?風情ある桜、美しい紅葉、圧巻の寺社建築。そんなイメージが強いかもしれませんが、ちょっと視点を変えてみるだけで様々な表情が垣間見えることが多々有ります。歴史の闇を抱えたスポット、不思議な伝説の残る場所、はたまた幕末の戦跡に鬼門除けのお社まで、それらも京都の歴史の一部。暑さ厳しい京都の町ですが、背筋がヒヤッとするような裏名所、京都・南部編の5選を紹介致します!

若一神社「楠社」

若一神社「楠社」

写真:古都の U助

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若一神社は平清盛が熊野参りに詣でた折にお告げを受け、帰京して探したところ熊野・若一王子のご神体を見つけ、邸宅内に社を造り祀ったのが始まりとされる神社。清盛はその後目覚しい活躍をし、この地も西八条殿と呼ばれる屋敷群が形成されたたことから若一神社は立身出世のご利益がいわれています。

境内に湧く神供水は清盛の熱病を冷ましたという霊験あらたかな水として知られます。また、清盛が太政大臣の位についた際、感謝を込めて手植えしたという楠も現存。楠は樹齢およそ800年、清盛の死後西八条殿に火が放たれても焼け残り、この楠を切ろうとすると必ず災いがあったとか。そのためか今も西大路通りにせり出す様にこんもりと楠の大木が茂り、周囲とは一線を画す世界観が味わえます。

※楠社、若一神社とも終日お参り可能です。

矢取地蔵堂&羅城門跡

矢取地蔵堂&羅城門跡

写真:古都の U助

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桓武天皇が築いた平安京は南北に朱雀大路が貫き、その南には羅城門が構えられ、門を中心として東に東寺、西には西寺の境内が広がっていました。しかし、羅城門は台風などの被害に度々あい、ついには鬼が棲みつく様になったとか。東寺は今も立派な境内があるものの、羅城門は石碑があるのみ、西寺も早くに廃れて羅城門跡からほど近い唐橋西寺公園に石碑があるのみとなっています。

そして、羅城門跡のすぐそばには矢取地蔵堂という小さなお堂があり、そこに祀られるのは空海の身代わりに矢を受けたと伝えられるお地蔵様。このお地蔵様は、空海との雨乞い合戦に敗れた西寺の守敏大徳が、羅城門そばで空海を待ち伏せして放った矢を受けたと言い伝えられています。かつては木造であったそうですが、現在はどっしりとした石のお地蔵様が九条通りに面するお堂の中に安置されています。ぜひガラス窓から目を凝らし、味のあるお地蔵様を見てみて下さい。

伏見稲荷「千本鳥居」

伏見稲荷「千本鳥居」

写真:古都の U助

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今や外国人が訪れたい日本の観光地ナンバー1として輝く伏見稲荷大社。その大きな魅力の1つが稲荷山へと延々続く朱色の鳥居です。幻想的な光景が美しく、外国人から見てとても日本らしいと感じられるそう。
千本鳥居は昼間の姿も圧巻ですが、夜はガラッとその表情が変わります。鳥居はもともと人の世から神様のいる世界へと続く門とされ、夜の鳥居は柱の間からこの世ならざるものでも出てきそう!不思議・ミステリー好きには絶対見逃せない場所の1つです。

千本鳥居は本殿背後から奥社参拝所までの間を指しますが、鳥居はさらに山の頂上へと約1万基続きます。稲荷山の最高峰(標高233メートル)である一ノ峰まで約1時間、お山めぐりをするなら約2時間程かかるので、おもかる石のある奥社奉拝所で引き返しても、十分目にも鮮やかな鳥居を堪能していただけることでしょう。千本鳥居は終日通ることはできますが、女性の一人旅では夜遅い時間は避けるか、なるべく参拝者が多い時を狙うようにして下さい。

参道に大砲が並んだ「城南宮」

参道に大砲が並んだ「城南宮」

写真:古都の U助

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城南宮は平安遷都の際、都(城)の南にあることから城南大神として祀ったのがはじまりとされます。また、京都御所からみて縁起の悪い裏鬼門の方角にあることから方除けのご利益が言われ、古くから旅行や引越し、嫁入りなどの重要時にお参りする人が多いお社です。幕末の鳥羽伏見の戦いでも、城南宮の参道に薩摩藩の大砲が置かれたことからその御加護によって、薩摩の軍勢は勝利を得られたのだともいわれています。

城南宮からすぐ西側を流れる鴨川の小枝橋をめぐり砲撃がはじまったことで鳥羽伏見の戦いが勃発。戦いはその名の通り城南宮のある鳥羽一帯と、奉行所があった伏見一帯が激戦の地になりました。多くの人が亡くなった事はもちろんですが、今はすぐ目の前を国道1号線や名神高速が通り、まさに時の流れの速さを思わずにはいられません。

御香宮神社「伏見の戦跡」碑

御香宮神社「伏見の戦跡」碑

写真:古都の U助

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御香宮神社は神功皇后を主祭神とし仲哀天皇、応神天皇らを祀る神社。伏見といえばお酒造りの町として、また名水の湧く地として知られていますが、862年こちらの境内から香りの良い水が湧いたことから清和天皇より「御香宮」の名を賜ったといいます。この水は御香水と呼ばれ、名水100選にも選ばれています。

伏見の地が大いに栄えるようになったのは豊臣秀吉による伏見城建設の後とされますが、御香宮神社は伏見城の鬼門除けのお社とされました。重要文化財に指定されている御香宮神社の表門は、伏見城大手門から移築されたもの。また、小堀遠州ゆかりの石庭や徳川家康の孫娘・千姫誕生のお祝いに奉納された千姫神輿(秋の神輿祭の期間のみ特別公開)など見所が大変多いお社です。

城南宮と同じく御香宮神社も1868年鳥羽伏見の戦いの舞台となり薩摩藩兵らは御香宮神社を屯所としましたが、幸いにも戦火を免れ現在も多くの宝物、建築が現存。また、本殿南東側には伏見の戦跡の石碑があり、幕末の歴史をしのぶことができます。

最後に

城南宮、御香宮神社は通常夕方までの拝観ですが、若一神社、矢取地蔵堂(外観)、伏見稲荷は終日お参り可能です。夕方からの雰囲気はまた一味ちがった魔界・歴史都市「京都」の魅力を味わっていただけます。お気をつけてお楽しみ下さい。

京都市南区配信のアプリで羅城門跡碑や周辺のバス停付近などでCG再現による羅城門をスマホやタブレット画面で見ることができます。詳しくは下記メモ欄から確認して下さい。
あなたの携帯の中に伝説の鬼が現れるかもしれません。

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/03/24−2016/07/24 訪問

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