写真:浅井 みら野
地図を見る人口11万人が暮らす小さな街が、なぜオランダの原型と関係があるのでしょうか。時代は1572年、スペインがこの土地を支配していた頃に遡ります。スペイン勢力に対抗するため近郊都市の代表者がドルトレヒトに集結し、オランダ独立国家の指導者としてウィレム1世を承認しました。その後、ウィレム1世中心にオランダ独立戦争(1568-1648)が発展。最終的に現オランダ王国の原型といわれるネーデルラント連邦共和国が誕生します。
独立後は、周りに囲まれた河川を利用し、ワインや木材、穀物などの貿易で大きく発展してきました。そのため立派な建物が中世時代から建設され、今でも数多くの建物を見学することができます。また立派なヨットハーバーもあり、美しい建物とのツーショットも楽しめるということで新たな街の魅力として紹介されているんですよ。
写真:浅井 みら野
地図を見る河岸に建てられた「クロー トォーフス ポート(Groothoofdspoort)」は、ひと際目を引く美しい建物です。メルヴェド川、旧マース川、そしてノルド川が合流する目の前に、ドルトレヒトの玄関口として建てられました。船で訪れる人々を迎え入れるには最適な場所ですよね。今ではレストランとして利用することもできるんですよ。
14世紀に建物自体は建設されますが、ご注目頂きたいのが1618年に完成した正面のファサード。赤い衣服に青い布を羽織った乙女の右手にはドルトレヒトを象徴する旗が盾に彩られ、オランダ独立戦争で戦った仲間の市旗15枚も乙女の周りを守っています。その下にはラテン語で「結束と平和こそが街を守る最大の防御。神よ、我々を守りたまえ」の文字が。ファサードが作られたのがオランダ独立戦争の最中ですので、独立への強い覚悟が伺えます。
写真:浅井 みら野
地図を見る街の中心部を通る「フォーストラート(voorstraat)」がドルトレヒト一番の目抜き通り。特にオープンテラスのレストランが集まる広場、シェッファースプレイン(Scheffersplein)周辺に主要なお土産屋さん、飲食店が並んでいます。アンティークショップの数も多いので、覗いてみれば掘り出し物が見つかるかもしれませんよ。
写真:浅井 みら野
地図を見るレンガ造りの家屋が多く、ついそちらに目を向けてしまいますが、是非水路にもご注目ください。家の壁同士がピシッと綺麗に並び、水と生活との距離の近さが感じられます。シェッファースプレインにある飲食店「エェトカフェ バビロン(Eetcafe Babylon)」では水路とテーブルがガラス一枚で隔たれた特等席があり、食事をとりつつ周りの景色を楽しめますよ。4月から10月までの間は、ボートに乗りながら水路を巡る観光ツアーもあります。
ドルトレヒトの行き方としてお勧めなのが、住民も利用するウォーターバス(waterbus)。観光客に人気な202番の船は、ロッテルダムから風車で有名なキルデンダイクを経由し、最後ドルトレヒトへ到着します。ロッテルダム観光局では、キルデンダイクの入場割引つきウォーターバス一日券が販売されてますので、キルデンダイクを観光した後にドルトレヒトに立ち寄ることもできますよ。
ロッテルダムとドルトレヒトを結ぶ20番の船も、30分に1本出ており便利です。さすが自転車大国オランダなだけあり、船内にも自転車置き場が設けられています。他にもドルトレヒトの南側には鉄道駅がありますので、陸から向かう方法もありますし、駐車場も街中に数か所あります。
多くの歴史的価値ある建物が残されているドルトレヒトは、散策が楽しい場所です。ロッテルダムやキルデンダイクなど、日本人に馴染みのある観光地が近くにあるものの、未だにあまり注目されていない穴場。のんびりと水路を見ながら、中世の時代に思いを馳せる……そんな素敵な気分にさせてくれる美しい場所ですよ。
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(2024/9/16更新)
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