写真:万葉 りえ
地図を見る古都・奈良。
ゆったりと時間が流れていくこの町は、いつ来てもおおらかな空気で人々を迎えてくれる気がするでしょう。世界遺産もあるこの町で燈花会が始まったのは、1999年のこと。年月を重ねて、ますます魅力的な行事になってきました。
「燈花」とは、炎が揺らめく蝋燭(ろうそく)の灯心にできるという花の形をしたかたまりのこと。これができると縁起が良いといわれているのですが、なかなか出来ないからこそ価値があるのかもしれません。しかし、なら燈花会では数えきれないくらいの数の蝋燭がともされます。ですからその中には燈花ができた蝋燭がきっといくつもあることでしょう。
なら燈花会には何か所も会場があり、会場それぞれが違った趣向を凝らして灯りをともしています。また、それぞれの会場への途中の道筋も、灯りでつなぐようにして人々を案内してくれるようになっています。会場の中には、灯りで文字を表現していたり、現代のイラスト風の飾りつけをしている場所もあります。そんな会場は多くの方にとって記念撮影にうれしいスポット。美しい奈良の景色を写真でも残してくださいね。
写真:万葉 りえ
地図を見るこちらの写真でご覧いただいているのは、宵闇に浮かびだした燈花会の日の東大寺です。灯りに浮かび上がった中門の後ろにそびえるのは、ライトアップされた大仏殿。手前の鏡池には灯りとともに中門や大仏殿がこの池の名前のごとく鏡のように映り込んで、昼間とは大きく違う幻想的な世界を作り出していきます。通常はできない夜間拝観ができる日もあるので、この幻想的な池の風景を楽しみながら夜の大仏様に会いに行ってみませんか。
JR奈良駅や近鉄奈良駅付近を基点として、散策される方が多い奈良の町。東大寺に至る手前にある奈良国立博物館や興福寺なども、なら燈花会の見所となっているのでお忘れなく。
写真:万葉 りえ
地図を見る奈良公園から春日大社にかけては、参道沿いにも樹齢を重ねた木々が続いています。普段の夜間は暗くて怖い道も、燈花会で灯りがともされた期間中は情緒ある雰囲気をかもしだします。道には多くの人が行き交っているのですが多くの方がその雰囲気を楽しまれており、静かに手をつないでいたり寄り添って小声でお話しされたり。
ほんのりとともる温かみのある蝋燭の灯りだからこそ、いつもとは違う何かに心が動いたり、ゆったりと思いを巡らせたりできるのかもしれません。
写真:万葉 りえ
地図を見るなら燈花会の期間中に、春日大社では中元万燈篭の日をむかえます。大きな鳥居をくぐると拝所までの数百メートルにたくさんの石灯籠が並んでいる春日大社。この日は燈花会の蝋燭だけでなく、その奉納された石灯籠にも灯りが入るのです。
拝殿へと近づけば、千年以上守られてきた漆黒の森の中に朱の柱を持つ社殿が浮かび上がってきます。中元万燈篭の日は回廊内も特別拝観できるようになっており、回廊に釣り下げられた金色に光る灯篭にも灯がにじみます。「幽玄」という言葉をどこかで聞いたことがあっても、実感することは難しい現代。その「幽玄」の世界を、怪しいまでに美しい春日大社で感じてみませんか。
写真:万葉 りえ
地図を見る浮見堂がある池周辺も燈花会の会場の一つになっています。こちらでは池の中にある浮見堂だけでなく、かかっている橋の欄干にも蝋燭がびっしりと並べられます。名前のごとく浮見堂が水の上に浮かび上がって見えるのはもちろんですが、水面にも灯りが揺れてその美しさは何倍にもなるのです。
また、奈良国立博物館と浮見堂の間に位置する浅茅が原は、毎年竹灯りのオブジェが人々を魅了する会場です。こちらはほかの会場とは違って立体的で大きなオブジェが蝋燭の灯りで暗闇の中に浮かぶようになっています。かなり大きなものもあるので、足元に気を付けながら夜空に浮かぶオブジェを見上げてください。
なら燈花会は多くの人が訪れる美しい催しですが、足元が暗い場所もあるので安全には十分気を付けて周ってください。
この美しさを写真に残しておきたい方も多いと思います。しかし、カメラの三脚や一脚は使用禁止の場所がほとんどです。また、フラッシュを使うとせっかくの蝋燭の灯がちゃんと写らないこともあります。カメラの感度を上げるなど、事前に試したりカメラの設定を変えるなどをしておきましょう。マナーを守って楽しい時間を過ごしてきてください。
普段は見ることができない、古都奈良の夢幻の世界を楽しめる10日間。
一年のうちのたった10日間の美を、奈良まで見に来ませんか。
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(2023/12/10更新)
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