写真:東郷 カオル
地図を見る城崎温泉は志賀直哉はじめ多くの文人に愛された温泉地。温泉街を少し歩けばいたるところで小説の舞台となった場所や、歌碑や歌のポストを見かけます。
そんな文学とゆかりの深い城崎温泉で、こどもから大人まで楽しめる、「本」を使った手軽な冒険をご紹介。「演劇クエスト・天下無敵の城崎温泉編」。これは「冒険の書」に記された選択肢や物語などを手がかりに、実際の街中を自由に移動する遊歩型ツアープロジェクト。必要なのは「冒険の書」と「健脚」だけ。「冒険の書」は城崎国際アートセンターで無料配布されていますので、早速入手しに向かいましょう!
写真:東郷 カオル
地図を見る城崎国際アートセンターは、舞台芸術を中心とした滞在型の創造活動(アーティスト・イン・レジデンス)の拠点として2014年にオープン。城崎温泉駅から温泉街を通って徒歩15〜20分ほどの場所にあります。道中、外湯や土産店が軒を連ねていて景色を楽しみながらの道のりですので、遠く感じることはないでしょう。
まずは館内にいるペッパーくんとの会話から物語はスタート。外に出て街歩きを始めると、公衆電話の電話番号やバス停の時刻表の数字が次のパラグラフの手掛かりになることも。また、進もうとする参加者を「蛇が…」「イノシシがいるから危険」などと諭す場面もあり、なかなか考えられた内容です。
写真:東郷 カオル
地図を見る「冒険の書」は城崎温泉を中心に構成されていますが、範囲は広く、豊岡や雲海で有名な竹田城、西は鳥取にまで及びます。
写真は玄武洞へ行くための渡し船。「どこかに書いてある電話番号に電話をして渡し船を待て」なんて、まさに冒険ちっく!しかも他の選択肢には「泳いで渡る」というものも(笑)。電話をすると数分で渡し船がやってきます。目指すは対岸の玄武洞。
玄武洞はおよそ160万年前に起こった火山活動によってできたもの。山頂から流れ出したマグマが冷えて固まる時にできた規則正しい「柱状節理」が見ものです。城崎温泉駅周辺からですとタクシーで5分程度ですが、レンタサイクル(城崎温泉駅から15分程度)や、一駅向こうのJR玄武洞駅まで電車で行って写真のような渡し船に乗るほうが、旅としては楽しいでしょう。
温泉で有名な城崎ですが、地球の誕生を地層や特異な地形で観察することができる「山陰海岸ジオパーク」内に位置しますので、周囲には玄武洞や日和山海岸のようなダイナミックなスポットが存在するのです。
写真:東郷 カオル
地図を見る城崎といえば7つの外湯めぐり。一番駅に近い「さとの湯」から奥の「鴻の湯」まで徒歩15分程度。昔から城崎の人々は宿を客間、道を廊下とし湯治に訪れた人々を町全体でもてなしました。写真は夜の「柳湯」。川沿いに柳の枝が揺れ、風情ある趣の外湯です。
「冒険の書」では外湯めぐりもひと味違います。各外湯の脱衣所でロッカーの数を数える指令も。かと思えば、城崎温泉で勃発した「内湯紛争」なる歴史ネタに触れたりと、楽しみながらも城崎を深く知ることのできる内容も魅力です。
写真:東郷 カオル
地図を見るレンタサイクルでのミッションもある「鼻かけ地蔵」のパラグラフ。城崎駅前から城崎大橋を渡ってハチゴロウの戸島湿地へ。ここには管理棟があって、コウノトリについて学ぶことができますし、季節によっては巣塔で子育てしているコウノトリをライブカメラで観察することもできます。
「冒険の書」ではこの辺りに伝わる昔話の「鼻かけ地蔵」へ進むことが指示されています。鼻の穴から米粒が出てくる有り難いお地蔵さまを、欲張った漁師がもっと米粒が出るようにと鼻の穴を広げようとして鼻が取れてしまいました。それ以来、お地蔵さまの鼻からは米粒が出なくなったといいます。
そういった云われで、このお地蔵さまは一つだけ願いを叶えてくれると、今では伝わっているのです。
「冒険の書」は一つのゴールが決められているわけではありません。いつ始めてもいいし、いつ終わってもいい。自由度の高い散策プログラムですので気が向いた時に試してみてはいかがでしょうか。
「冒険の書」は好評のため2016年9月中旬頃に改訂版の発行が予定されています。「演劇クエスト」のメンバーが25日間滞在して創作した「冒険の書」を片手に、今まで気付かなかった城崎の魅力を発見する旅に出かけましょう!
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(2023/12/5更新)
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