夏にオススメ!京都中〜西部の伝説・不思議スポット5選

夏にオススメ!京都中〜西部の伝説・不思議スポット5選

更新日:2016/08/09 17:12

古都の U助のプロフィール写真 古都の U助 ブロガー
暑さ厳しい京の町ですが、そんな京の都は夏こそ訪れていただきたい不思議な魅力で溢れる場所がいっぱい!特に京都西部は、古代史ミステリー好きにオススメの秦氏所縁のスポットが点在し、また夏の情緒を味わうのにピッタリの化野も必見です。
今回は二条城周辺に伝わる「鵺」の伝説の地や、夏にオススメの神泉苑の水辺の光景など、伝説・不思議スポット5つを厳選してご紹介します!

鵺池の伝説

鵺池の伝説

写真:古都の U助

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二条城の北西部にある二条公園には、伝説の物の怪・鵺(ぬえ)を祀る鵺大明神と、鵺が射落とされた鵺池が復元されています。鵺とは文献によってマチマチではありますが、顔はサルまたはネコで胴体はタヌキ、トラの手足を持ち、尻尾はヘビという妖怪。

平家物語では、近衛天皇の住む清涼殿に毎晩不気味な鵺の声が響き渡り、弓の名人・源頼政によってその物の怪が退治されたとあります。頼政が鵺を射止めた鏃を洗ったのが鵺池だとされ、現在は二条公園の北よりに復元されています。

池のほとりには鵺大明神という小さなお社もあり、妖怪・物の怪の類を祀るのは他にあまり例がなく、とても珍しいお社です。

歴史ロマン香る神泉苑

歴史ロマン香る神泉苑

写真:古都の U助

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二条城の南部に位置する神泉苑は、もともと平安遷都の際大内裏に隣接する天皇の為の禁苑として造営され、天長元年(824年)には西寺の守敏大徳と東寺の空海が雨乞い合戦が行われた場所です。勝負には空海が勝ったことから、以後東寺の管轄となりました。今も枯れることのない神泉苑には、善女竜王を祀る社や当時貴族達が遊んだ竜頭鷁首の舟も再現されています。

また、源義経と静御前が出会ったのもこの地であったとされています。当時は今よりずっと大規模な池がありましたが、江戸時代初期二条城築城の際大部分の土地が失われほぼ現在の姿となりました。

桜やツツジ、百日紅に紅葉など四季折々に美しい神泉苑は8:30〜20:00(ライトアップ時の延長もあり)と拝観時間も長く、暑い昼間は避けて情緒ある夕暮れ時に訪れるのがオススメです。

蚕の社・三本鳥居

蚕の社・三本鳥居

写真:古都の U助

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通称は木島神社、蚕の社(かいこのやしろ)などとも呼ばれる木嶋坐天照御魂神社(このしまにますあまてるみたまじんじゃ)は、珍しい「三柱鳥居」があることで知られています。神社は古代の渡来系の一族・秦氏ゆかりの地で、本殿の隣には養蚕の神を祀る蚕養神社があります。

一帯は古代から続く元糺の森とよばれるうっそうとした木々が茂り、昼間でも若干薄暗い場所。時には神様のお使いよろしくカラスが羽を休めていたり、一種独特な雰囲気が味わえます。

森の中には古く禊に使用した元糺の池があり、その中に「三柱鳥居」があります。柱は三角形の形に組まれ、中央の円錐に石を積み御幣を立てた神座をどの方向からも拝せるようになっていて、何でも宇宙の中心に当たるとか。元糺の池は現在は枯れてしまっていますが、神事の際はポンプで水を汲み上げ、昔の姿を再現することもあり、その水に手足を浸すと病気をしないとされています。

蛇塚古墳

蛇塚古墳

写真:古都の U助

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蛇塚古墳は、古代の渡来系の一族・秦氏の首領級人物の墓とされ、その規模は奈良・明日香村の石舞台古墳とほぼ匹敵、時代も大きく隔たらないものとされています。もともとは前方後円墳だったのが、時代と共に墳丘封土は失われ、現在は巨石を組んだ石室が露出しています。いかにもいわくありげなその名の由来は、かつて石室に蛇が多く生息していたからなんだとか。

古墳の回りには植物が植えられ地域の人によって大切にされているのが分かります。周囲は完全な住宅街で、民家にぐるりと囲まれた古墳という光景は、なかなか他には無い珍しいものです。見学はあまり遅い時間にならないよう訪ねるようにしましょう。

「あだしの念仏寺」で夏の情緒を味わう

「あだしの念仏寺」で夏の情緒を味わう

写真:古都の U助

化野(あだしの)は古くから鳥辺野、蓮台野と並ぶ京の葬送地。「あだしの念仏寺」は弘法大師・空海によって野ざらしにされていた人々の遺骸を埋葬し五智山如来寺が開創されたのが起源とされています。その後法然上人の念仏道場となり、浄土宗の寺院となりました。

境内には賽の河原に例えられ名付けられた「西院の河原」があり、長い年月を経て今は無縁仏となった墓石が並びます。化野のあだしとは、むなしい、はかないという意。夏の終わりの化野はまさに地名のごとくです。普段の夏の昼間は比較的人も少なく、蝉の声を静かに聴くと時代劇の中に迷い込んだような気分を味わえます。境内には美しい竹林の小道もあり、門前の鳥居本の古い町並みも素敵で合わせて訪れるのがおすすめ。

通常夕方までの拝観ですが、毎年8月23・24日の夕刻から「西院の河原」にロウソクが無数に灯される「千灯供養」は現実離れしたような不思議な光景が見られ、多くの人で賑わいます。また門前の鳥居本でも「愛宕古道街道灯し」が行われ、美しいライトアップが楽しめます。

最後に

夏ならではの情緒が楽しめる京都市中・西部5選は、過ぎ行く夏を惜しむにはピッタリのコース。
太秦エリアには、ご紹介した以外にも広隆寺など秦氏ゆかりのスポットが点在。
これらのスポットを巡り巡って行けば、ひょっとしたら何かしらの不思議な体験ができるかも!?古い歴史を持つ京都の夏はそんなワクワクも魅力の1つです。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2016/07/17−2016/08/03 訪問

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