1889年(明治22年)にアサヒビールの全身である大阪麦酒会社が創業、2年後の1891年(明治24年)に大阪麦酒株式会社吹田村醸造所・現アサヒビール吹田工場が完成しました。この工場は日本人の手による初めての近代的ビール工場です。
画像は吹田村醸造所時代の貴重な資料が展示されているスタートホール。当時の様子を残すモノクロ写真をはじめ、時代を感じる広告やラベル・ポスターも保存されています。右下の模型は明治25年の醸造所を復元したもの。トラックではなく牛や馬が荷車を引いて荷物を運ぶ姿を見ることができます。
吹田村醸造所の建物はレンガ組積造4層の壮麗な洋風建築で、ドイツの製作所の設計に基づき明治建築界の第一人者である妻木頼黄(つまきよりなか)により設計されました。約100年のあいだ名建築として親しまれてきましたが1989年(平成元年)に取り壊され、外壁の一部が移築保存されました。この外壁はエントランス前で間近に見ることができます。
この他に中世騎士の甲冑をイメージさせる通称「カブト」と呼ばれるビール工場の象徴である煙突や、大正時代のレンガ造りの建物も工場内で見ることが可能。ほかの工場では見ることができない、創業地ならではの貴重な展示といえますね。
工場見学はビールの原料であるホップ・麦芽を触れるところからスタート。仕込みや発酵・熟成の解説を聞き、びん詰・缶詰などの様子を見学。6階の高さから見下ろす屋外発酵タンクは迫力満点です。
吹田工場内で発生する副産物や廃棄物は全て有効利用されています。その1つが案内係が着用する制服。夏服は2リットルペットボトル10本から、冬服は14本から作られています。このように、ビールを作るだけでなく再資源化の取り組みにも力を入れている様子を学ぶことができます。
ビールが作られる様子を見学した後は、広い試飲会場でお楽しみの試飲タイム。
1杯目は吹田工場で作られたばかりのスーパードライ・エクストラコールドを。マイナス2℃でキンキンに冷やされたビールは見学後のお腹に染みわたります。サーバーから丁寧に注がれたビールは泡がしっかりして飲みごたえたっぷり。オリジナルのおつまみもビールが進む味で、計3杯まで飲むことができます。
お子さんなどアルコールが飲めない方のためのソフトドリンクの種類も充実。ゆっくりと試飲タイムを楽しんでくださいね。
試飲会場の隣にあるショップも充実。お土産にぜひおすすめなのが、こちらの吹田工場のみで作られている「アサヒスタウト」。発売は何と80年前の昭和10年で、イギリスタイプの濃色ビール。香りと濃厚な味わいが特長で、アルコール度数は8度とやや高めです。1本334mlで価格は267円。
試飲タイムで出るおつまみもショップ限定品。合わせてお土産にいかがでしょうか。
無料の工場見学は年末年始と指定休日を除き通年行われ、夏休みは子供向けの映像と工作がプラスされる親子見学ツアーが開催されます。また不定期で大人限定の講座もあり、こちらも大人気です。
全国にあるアサヒビールの工場の中でも、歴史ある展示を見ることができるのは創業地である吹田工場ならでは。大阪中心部からのアクセス抜群という立地も大きな魅力です。歴史を感じながらできたてビールを無料で味わうことのできる工場見学、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
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