多彩な6つの乗り物がおもしろい!「立山黒部アルペンルート」

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多彩な6つの乗り物がおもしろい!「立山黒部アルペンルート」

多彩な6つの乗り物がおもしろい!「立山黒部アルペンルート」

更新日:2016/08/12 13:44

金長 たぬ子のプロフィール写真 金長 たぬ子 調理師、京都検定3級

標高2000m以上の飛騨山脈、立山連峰を貫く「立山黒部アルペンルート」総延長37.2km、高低差はなんと1975m!!トロリーバスやケーブルカー、ロープウェイなど、環境と景観に配慮したここだけの珍しい6つの乗り物に次々と乗り継ぎ、大パノラマを楽しむことができます。そして、それぞれの乗り物には深い歴史とストーリーが‥‥。人と大自然が創り上げた感動の「立山黒部アルペンルート」に出かけてみませんか!?

映画『黒部の太陽』に描かれた苦闘の大事業「大町トンネル」を走る《関電トンネルトロリーバス》

映画『黒部の太陽』に描かれた苦闘の大事業「大町トンネル」を走る《関電トンネルトロリーバス》

写真:金長 たぬ子

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「立山黒部アルペンルート」に入るには、長野側からと富山側からの2つのルートがあります。長野側の「信濃大町」から入ると、扇沢駅からまず最初に乗ることになるのが《関電トンネルトロリーバス》です。
今からおよそ60年前、電力不足が深刻化した中で「黒部ダム」建設に着工。そこでまず必要になったのが、物資や資材の搬送のためのトンネルでした。
全長5.4kmの「関電トンネル」は当初1年で抜く予定でしたが、大町側から2.6km掘り進んだところで「大破砕帯」にぶつかってしまい、通常10日で抜ける距離を7か月も要したということです。
「破砕帯」とは、地下水を大量に含んだ軟弱な地層のこと。毎秒660リットル、ものすごい勢いで降ってくる4℃の冷たい水に、死者が出るほどの大工事になりました。

先人たちが1年7か月もかけて貫通したトンネルを、今、トロリーバスはわずか16分で通り抜けます。

トンネル内には「破砕帯」を示す標識が、80mに渡って設置されています。60年前、トンネル工事に賭けた先人たちの努力と偉業を、しばしタイムスリップして考えてみてはいかがでしょうか。

ところでこのトロリーバス、屋根についた2本のポールで、架線から電気を得て走る無公害バスです。昭和初期から戦後にかけて、日本にトロリーバスブームが到来したのですが、昭和40年代から自動車の増加、地下鉄の建設などにより、次々と廃業してしまいました。そして現在、「立山黒部アルペンルート」の2つのトロリーバスが、日本に残る唯一のトロリーバスなのです!クリーンエネルギーを利用したトロリーバス、懐かしくて新しい、アルペンルートにピッタリの乗り物ですね!!

黒部ダム駅に到着すると、構内から220段の階段(かなりきついです!)を上ってダム展望台に出られます。高さ186mからの放水は大迫力ですよ!!

まるで山の中の地下鉄!?《黒部ケーブルカー》は国内唯一の全線地下式!

まるで山の中の地下鉄!?《黒部ケーブルカー》は国内唯一の全線地下式!

写真:金長 たぬ子

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巨大な「黒部ダム」の堰堤を歩くこと約15分、黒部湖駅から黒部平駅までは《黒部ケーブルカー》に乗ります。

黒部湖駅はトンネルの中。《黒部ケーブルカー》は運行距離0.8kmのすべてがトンネルの中。日本でここだけの全線地下式は、自然景観と豪雪による被害防止のためです。そして、標高差はなんと400m!最大勾配31度の急斜面を走ります。

ケーブルカーはつるべ式で、トンネルの中間地点で2台のケーブルカーがすれ違います。動力が組み込まれていないので、運転手はいません。運転は黒部平で行っていて、車両には安全確認を行う車掌が乗っています。

《黒部ケーブルカー》は昭和44年開業。以来一度も車輌は更新せず、今も開業当初の客車が現役で元気に走っています!

日本最長のワンスパン方式《立山ロープウェイ》は動く展望台!!

日本最長のワンスパン方式《立山ロープウェイ》は動く展望台!!

写真:金長 たぬ子

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支柱を一本も使わない「ワンスパン方式」としては日本一の長さを誇る《立山ロープウェイ》。黒部平から大観峰までの1.7kmを、ワイヤーだけで結んでいます。ワイヤーの太さは54mm!ワイヤーの太さも日本最大級なのです!大観峰側にある巨大な原動滑車で一気に巻き上げています。

現在の客車は3代目、2012年にリニューアルされて大きく取られた窓からは360度の大パノラマを楽しむことができます。標高1828mの黒部平から標高2316mの大観峰までは高低差488m、西には大斜面の大観峰、東には後立山連峰の絶景が広がります。まさに動く展望台ですね!!

標高差約1500mを走る《立山高原バス》は大自然の見どころ満載!!

標高差約1500mを走る《立山高原バス》は大自然の見どころ満載!!

写真:金長 たぬ子

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大観峰から室堂(むろどう)までは、立山の主峰、雄山(3003m)の直下を貫通している「立山トンネル」を走る2つ目のトロリーバスに乗ります。こちら《立山トンネルトロリーバス》は、日本最高所の標高2450mを走るトロリーバスで、中間点の700m上が雄山の山頂です。電車線から電力の供給を受けて走ることで、トンネル内に排気ガスが溜ることもなく、クリーンで安全!自然環境保全に役立っています!

室堂はアルペンルートの最高地点。ターミナルから一歩出ると、目の前に立山三山がそびえ立ちます。ここから美女平までの23kmは《立山高原バス》に乗って、標高差約1500m、次々に変わっていく車窓からの景色を楽しみましょう!

見どころは、天狗平から弥陀ヶ原(みだがはら)辺りの標高の高いところ。大きな樹木はなく視界が開けているので、山麓から富山平野まで一望でき、条件が揃うと雲海が見えることも!!中間辺りの滝見台からは「弥名滝(しょうみょうだき)」が見られます。室堂発の場合は右側座席に座るとよく見えますよ!また、美女平付近では、立山杉の巨木が点在します。

室堂から立山までのこの道、「立山有料道路」と名前はついていますが、マイカーの乗り入れは禁止されているので、関係車両以外はバスしか通れません。また、室堂春の風物詩!「雪の大谷」も、立山高原バス道路の室堂ターミナルから約500mの区間。アルペンルートがオープンする4月半ばから6月末ごろまで、除雪する際に道の両側に残った雪が10m以上の高い壁になり、見ごたえがありますよ!

珍しい大きな荷台付きの《立山ケーブルカー》はユニークな形!

珍しい大きな荷台付きの《立山ケーブルカー》はユニークな形!

写真:金長 たぬ子

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かつて黒部ダム建設用の資材を運んでいたので、《立山ケーブルカー》には大きな荷台が付いています。今でも、大きな荷物を積むときにはこの荷台が使われています。立山高原バス開業の時には、なんと!高原バスの車両もこのケーブルカーに積んで勾配24度の坂を運び込まれました。とってもユニークな形のケーブルカー。働き者ですね!

車掌室は車両の上下2か所にあり、下り時には大きな荷台の先端に特設された車掌室を使うので、車掌さんが客車からずっと遠くにいる感じです!

「立山黒部アルペンルート」で8か月に凝縮された四季の絶景を味わって!!

アルペンルートが利用できるのは、4月中旬から11月末頃までの8か月だけ。遅く訪れる春やきらめく短い夏、一足早い紅葉美しい秋と冬の訪れ‥‥。四季の絶景を、ユニークで個性的な6つの乗り物に乗って楽しみましょう!

「立山黒部アルペンルート」へは、アルペンルートの乗り物と往復のJR切符がセットになった「立山黒部アルペンきっぷ」がお得です!名古屋・東海からはJR東海、京阪神などからはJR西日本で。詳しくは各社ホームページでチェックしてみてください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/07/29−2016/07/30 訪問

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