更新日:2016/08/12 11:43
写真:肥後 球磨門
地図を見る熊本県天草市中心部の本渡(旧本渡市)から国道266号を利用しおよそ40分で、東シナ海に面した穏やかな羊角湾の中にある天草市河浦町崎津に到着します。
穏やかな羊角湾と漁村の佇まいを一望できるのが「チャペルの鐘展望公園」で、崎津にある諏訪神社の裏から505段の石段を上った場所にあります。
崎津はキリスト教が禁教であった時代から信仰を守ってきた静かな海の町で、展望公園からは羊角湾に浮かぶ「崎津教会」が望め、まさしく絵に描いたような静かな光景が広がっています。
展望台からは湾外の東シナ海も見渡せ、505段の階段はちょっと辛いですが展望台からの素晴らしい景色を見ると疲れも吹き飛んでしまうおススメの場所です。
写真:肥後 球磨門
地図を見るア津は土地が狭く細い道に民家が肩を寄せ合うように建っているため漁具の手入れや、物干しなどに使われる作業場を確保するため「カケ」と呼ばれるテラスが海に突き出すように取り付けられています。密集した家屋の間を通り抜ける「トーヤ」と呼ばれる細い小路があるのも崎津集落の特徴で、「カケ」とともに国指定重要文化的景観に指定されています。
崎津教会が建つ漁村一帯が、日本の渚百選「キリシタンの里 ア津」や日本のかおり風景100選「河浦 ア津天主堂と海」に選ばれた700m程の区間に密集する静かな佇まいの崎津集落。
潮の香りを楽しみ、昔ながらの街並みを散策してみてはいかがでしょうか。
写真:肥後 球磨門
地図を見る羊角湾の港に建ち「海の天主堂」と呼ばれる崎津教会はフランス人宣教師ハルブ神父が独力で資金を集め、1934年に建てられました。教会の設計は長崎の大浦天主堂など数多くの教会を手がけた鉄川与助で、ゴシック様式の教会は周囲の美しい景観の中によく溶け込んでいます。
教会が建つ敷地はもとは『絵踏み』が行われていた庄屋屋敷が建っていた場所で、そこをハルブ神父が買い取り教会を建築しました。
教会内部は珍しい畳敷きで祭壇に向かう通路を挟んで両側に30畳ずつ、合計60畳の畳が敷かれその上に椅子が置かれています。祭壇がある場所は『絵踏み』が行われていた場所と伝えられています。
250年という長い禁教の時代を小さな漁村で教えを守ってきた「潜伏キリシタン」の強い信仰の想いを天主堂内で感じてみてはいかがでしょうか。
写真:肥後 球磨門
地図を見る崎津教会の近くに「崎津諏訪神社」があります。正保4年(1647)に崎津集落を一望する高台に建てられた、大漁と海上安全を祈願する神社で、御祭神は大国主命の子供である建御名方神(たけもなかたのかみ)です。
キリシタンに対して厳しい弾圧が行なわれた禁教の時代、崎津の潜伏キリシタンは諏訪神社の氏子になることで信仰をカモフラージュしていたと伝えられています。禁教が解けた後の明治16年に、神社の横に教会が建てられました。日本の神道とキリスト教が共存した場所なのでぜひ立ち寄って異教が融合した当時の空気を感じてみてはいかがでしょうか。
写真:肥後 球磨門
地図を見る崎津漁港の玄関口の岬に漁港を行き来する船を見守るようにマリア像が立っています。
現在もカトリック信仰を続ける漁師の中には船にマリア像を安置している人もいる崎津。信仰心の厚い地元漁師などが協力して昭和49年(1974年)に建てられました。漁に出るときに大漁と航海の安全を祈り、帰港時はマリア様に無事に帰ってこられたことを感謝する漁師も多いそうです。
陸上からマリア像を望める場所からは東シナ海に沈む夕日が望め、マリア像と夕日のコラボレーションが感動的な景色を届けてくれます。
マリア像は「海上マリア」と呼ばれるように正面の姿は海上からしか見ることができません。正面から見る場合は観光船が出ているので船に乗って優しいマリア像を拝んでみてはいかがでしょうか。
民家が肩を寄せ合うように密集する小さな漁村風景が広がる「キリシタンの里 崎津」。東シナ海に面し、複雑に入りくんだ羊角湾の風景の中に溶け込む崎津天主堂は訪れた人の心に残る印象的な建物です。
崎津を訪れ、潮風を感じながら潜伏キリシタンが過ごした時代の漁村風景に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
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この記事を書いたナビゲーター
肥後 球磨門
福岡県生まれですが、大分県別府市に長く住み10年前に熊本に移り住んできました。ドライブがとても好きで、熊本は九州内の著名な観光地のどこへ行くのも車で2時間くらいの好立地なので家族はいますが、一人旅を続…
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