京都・相国寺で守る金閣、銀閣の宝…伊藤若冲の世界へようこそ!

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京都・相国寺で守る金閣、銀閣の宝…伊藤若冲の世界へようこそ!

京都・相国寺で守る金閣、銀閣の宝…伊藤若冲の世界へようこそ!

更新日:2016/12/25 20:58

万葉 りえのプロフィール写真 万葉 りえ アマチュア写真家

展覧会開催の目玉として名前が挙げられる伊東若冲。海外からも評価が高いこの画家の絵は、きっとどこかで目にしているはず。
展覧会でなくても、その若冲をいつでも見られる場所があるのです。それが相国寺!…とはいえ、相国寺と聞いてもピンとこないかもしれません。しかし、金閣寺や銀閣寺はご存知の方も多いはず。あの有名な寺はどちらも相国寺の塔頭。国宝を含む両寺の貴重な文化財が相国寺に収蔵され公開されているのです。

相国寺は、京都五山・第二位の名刹

相国寺は、京都五山・第二位の名刹

写真:万葉 りえ

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正式名称は鹿苑寺となっている、金閣寺。詳しいことは知らなくても、あの金色にきらめく楼閣は多くの方がご存知でしょう。金閣寺は室町幕府3代将軍・足利義満(あしかがよしみつ)が建てた山荘に始まり、義満の死後は遺言にもとづいて禅寺に改められました。

そして、8代将軍となった義政(よしまさ)が祖父義満にならって東山に建てた別荘が、のちの銀閣寺です。この山荘を中心に生まれた「東山文化」は日本の文化史の中でも後世に大きな影響を与えており、現代にも受け継がれている重要なもの。義政の死後に別荘は慈照寺と改められ、こちらも禅寺となりました。

今回ご紹介する相国寺(しょうこくじ)も足利義満によって創建された寺。京都五山のなかでは第二位に列せられるという名刹なのです。そんな流れがあって、金閣寺と銀閣寺が相国寺の塔頭となっているのです。

京都御所のそば、日本最古の法堂を持つ相国寺

京都御所のそば、日本最古の法堂を持つ相国寺

写真:万葉 りえ

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相国寺は14世紀に夢想礎石を開山とし、創建当時は室町一条辺りに総門を持っていました。広大な敷地には50余りの塔頭寺院があったと伝えられています。しかし、京都の町の中心にあったため戦乱などにより焼失され復興が繰り返されました。それでも、残っている法堂は1605年に再建されたもので、現存する中では日本最古なんですよ。

現在の地名でご案内するなら、京都を南北につなぐ京都市営地下鉄の今出川駅で降りて数分。同志社大学のキャンパスの奥になります。しかし、もっとわかりやすい言い方があります。それは、「京都御所のすぐ北側」。なぜなら、義満が自分の便利な場所に参禅道場を作りたくて、御所の隣にこの寺を建てたのです。まあ、そんな事が出来たのも、足利義満の権力があってこそ。

そういう街の中心に建ちながら、寺の敷地内に入ればたいへん静か。国宝の絵画が収められている相国寺・承天閣美術館までは石畳が続き、緑と石が織りなす庭園がほっとする空気で包んでくれます。

金閣寺に建っていた夕佳亭も、ここでは中まで見学

金閣寺に建っていた夕佳亭も、ここでは中まで見学

写真:万葉 りえ

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文化財が収められている相国寺・承天閣美術館は、第一展示室と第二展示室に分かれています。

禅は茶道の文化とも深いつながりがあるので、第一展示室では茶道に関する展示が見られます。しかし、そういう方面に深い知識がある方ばかりではないでしょう。ここで特に見ていただきたいのは、夕佳亭(せっかてい)の復元です。

池のある庭と金色に輝く楼閣との眺めが人々に人気の金閣寺ですが、中まで見ることはできません。鹿苑寺(金閣寺)の敷地の中で、きらびやかで大きな金閣がオンの場所だとしたら、夕佳亭はオフの場所だったと言えるでしょう。承天閣美術館内に復元されている夕佳亭は、中の造りがよくわかるようになっています。狭いながらもくつろげるように考えられた造りに、当時の人々ことをちょっと想像してみてください。

そして、第二展示室へと移動する途中にはこんな石庭も配置されています。

静謐な空気の中で向き合う、伊藤若冲ファン必見の障壁画

静謐な空気の中で向き合う、伊藤若冲ファン必見の障壁画

写真:万葉 りえ

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京都の錦市場にあった青物問屋に生まれた、江戸中期の画家・伊藤若冲。幼い頃から絵が大好きでしたが、父親を手伝い長男として家業を継ぎます。その若冲がようやく絵の世界に専念できるようになったのは、早めに隠居した40歳からでした。それまでの絵に対する想いがあふれ出たのでしょうか。緻密な描写、生命力にあふれた動植物、自由で斬新なタッチ…若冲が描いた絵はきっと多くの人がどこかで目にしているはずです。

相国寺は京都五山の寺というだけでなく、優れた僧が多く集まった寺で、文化をリードした寺でもありました。ですから寺の内装も優れた絵師によって描かれていたのです。若冲が鹿苑寺(金閣寺)の大書院に描いた襖絵も、今日まで大切に伝えられてきました。

「葡萄小禽図床貼付」
「月夜芭蕉図床貼付」
は、伊藤若冲が初めて手掛けた本格的な障壁画でもあり、若冲ファンには必見といえるでしょう。床の間もふすまもかなりの大きさのこの絵は、現在、承天閣美術館でじっくりと細部まで見ることができるようになっています。

また、長谷川等伯や丸山応挙といった日本美術史の中で外せない名画もこの美術館は所蔵しています。大学の洋風の建物がすぐそばにあるとは思えない落ち着いた雰囲気で包まれた相国寺は、観光の途中で足を運ぶ価値が大きいのです。

伊藤若冲が眠る寺

承天閣美術館は国宝だけでも5点も所蔵しており、重要文化財は143点もの数になります。大きな展覧会だと見て回るだけで半日かかってしまうこともありますが、ここではたくさんの時間を使うことなく名画を鑑賞できます。
また、絵画が残るだけではありません。伊東若冲は相国寺本坊の墓地で永遠の眠りについているのです。その墓地には、足利義政や藤原定家も。

2016年は生誕からちょうど300年にあたり、京都市美術館で「若冲の京都 KYOTOの若冲」展が開かれるほど評価が高い伊藤若冲。
こんなに素晴らしい宝を持ちながら、あまり知られていない相国寺承天閣美術館。ちょっと京都の穴場を訪れたい方にお勧めしたい落ち着けるお寺です。美術館内はバリアフリーにも対応しています。

京都は、行っても行っても尽きない魅力を持っている町。地下鉄沿線沿いには他にもあまり知られていない見所がいくつもあるので(下記MEMOを参照ください)そんな場所をプラスしてみるのもおすすめです。
次は、この小さな美術館で中身の濃い京都の時間を過ごしてみませんか。

掲載内容は執筆時点のものです。

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