写真:大宮 つる
地図を見る埼玉県北本市にある「学校給食歴史館」。その名のとおり、学校給食の歴史について学べる施設です。しかも無料!
昔懐かしい“給食メニュー”を食べられる飲食店は色々なところにありますが、“給食の博物館”とは珍しいですよね。実際に、こちらは日本で唯一の施設なんですよ。
学校給食歴史館を開設・運営しているのは、「公益財団法人・埼玉県学校給食会」。そのため、学校給食歴史館は埼玉県学校給食会の敷地内にあります。普段立ち入る場所ではないので、始めは「ここで合っている?」と思ってしまうかもしれませんが、入口を入って右奥にありますのでご安心ください。建物の外観は、なんだか懐かしさを覚える昔の学校風です。
写真:大宮 つる
地図を見る入口で出迎えてくれるのは、「学校給食発祥の地」記念碑です。これを見て「え、北本市が学校給食発祥の地なの?」と一瞬思ってしまうところですが、この記念碑はレプリカ。本物は“山形県鶴岡市”にあります。
学校給食は明治22(1889)年、山形県鶴岡市の大督寺(だいとくじ)内の私立忠愛小学校で行われたのが始まりとされています。生活の苦しい家庭の子どもたちに無償で昼食を支給したのだそうです。その遺徳を後世に伝えようと、70年後の昭和34(1959)年に山形県鶴岡市に記念碑が建立されました。
学校給食歴史館に置かれている記念碑は、それを忠実に縮小・再現したものとなります。
写真:大宮 つる
地図を見る学校給食歴史館の大きな見どころとしては、明治22(1889)年から平成27(2015)年までの給食レプリカが壁一面に多数陳列されているところです。その始めとして、明治22年の“初めての学校給食”があります。塩むすび、魚の干物、漬け物というメニューだったそうです。今の感覚では質素な感じを受けるかもしれませんが、食べることそのものが大変だった時代、子どもたちは大喜びだったとのこと。
時代の変遷とともに給食が変化していることを見てとれます。たとえば、第二次世界大戦の直前は“すいとんの味噌汁”のみだったり。牛乳ではなく“脱脂粉乳”が出ていた時代、牛乳は牛乳でも“牛乳瓶”で出ていた時代など、「そういう時代があったのだなぁ」と感じることでしょう。
また、誰でも馴染みのある給食なので、「私はこの時代の給食だった!」など世代を超えて盛り上がれるのも楽しいポイントです。
写真:大宮 つる
地図を見る変わっていっているのは給食だけではありません。“給食用食器”も時代とともに変遷しており、アルミニウムでできている“アルマイト”、丈夫で軽い“ポリプロピレン”、“メラミン”、“ポリカーボネート”、“強化磁器”などと変化していっているのです。つい給食レプリカの中身ばかり見てしまいがちですが、給食が盛りつけられている食器にも注目してみてくださいね。
別のコーナーに、「学校給食用食器の変遷」というコーナーもありますので、あわせてご覧ください。
写真:大宮 つる
地図を見る電車でお越しの場合は、JR東・高崎線の北本駅が最寄りです。北本駅から「学校給食歴史館」までは約3キロの距離があるため、徒歩だと40分程度かかります。歩けない距離ではありませんが、北本駅東口からバスが出ているので利用されるといいでしょう。バスは、市内循環「川越観光バス」北本高校先回りに乗り、「ワコーレ北本」で下車してください。
車でお越しの場合は、無料の駐車場があります。
営業日時は、月〜金の平日9〜16時までとなっています。土日祝日、年末年始、お盆の期間(8月13〜15日)はお休みですのでご注意ください。
学校給食歴史館はけして大きな施設とは言えませんが、給食のありがたみを感じられたり、学生時代を思い出したりできる日本唯一の施設。子どもだけでなく、学校給食から離れて時間がだいぶ経っている大人ほど、ぜひとも訪れていただきたいスポットです。
なお、北本市にはグリコの工場見学ができる「グリコピア・イースト」、ホタルが見られる「北本自然観察公園」などといった観光スポットもありますので、あわせて訪れてみてはいかがですか? また、北本に訪れたら、埼玉のB級グルメ“北本トマトカレー”も味わってみてくださいね!
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(2024/9/16更新)
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